吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
今週の豪ドル反発の理由と今後の焦点
先週、豪ドルは急落し、金利差からはかい離が目立ったが、今週は「ジャクソンホール待ち」となる中で反発する展開となった。これは、そのかい離の修正によるものではないか。 金利差とのかい離がほぼ是正され、ニュートラルな状態でパウエル発言を迎えることになる。当面の方向性は、金融政策を反映する米2年債利回りが、パウエル発言にどう反応するかが焦点か。
ジャクソンホール会議とFRB議長人事
27日予定のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長発言が注目されている。 「タカ派」か「ハト派」か。近付いてきた議長任期切れの影響も注目。
金相場下落リスク、もう1つの要因
金相場は最近、米金利との逆相関関係が強まっている。米金融政策転換への関心が高まっていることを受けた影響か。 とりわけ、「米金利上昇=金相場下落」の相関性が高い。これは、金がなお「買われ過ぎ」で、下落要因に過敏に反応しやすいことが基本か。
豪ドル/米ドルと豪ドル/円の「違い」
豪ドルの下落が最近にかけて拡大している。ただ、52週MAなど一部の指標との関係で見ると、対米ドルと対円ではその「意味」にかなり違いがありそうだ。 豪ドル/米ドルは下落トレンドへ転換した可能性があるが、豪ドル/円の下落はまだ一時的な可能性が残っている。以上からすると、当面の豪ドル売り戦略は米ドルに対してより有効と考えるのが基本ではないか。
早期テーパリングを見極めるマジック・ナンバー
7月FOMC議事録では、大半のメンバーがテーパリングの年内開始を支持していたが、8月以降デルタ株の影響への懸念が広がる中、果たして早期テーパリングは先送りされる可能性は出てきたのだろうか。 それを見極める上で、失業率に注目したい。「リーマン・ショック」後は失業率が過去10年の平均値を下回り改善する中でテーパリングが始まった。足元の失業率の過去10年MAは5.9%。これに対して8月失業率は今のところ5.2%とさらに大きく下回る予想となっている。
テーパリングまでの金利と為替のシナリオ
いわゆる「テーパリング」が年内にも開始される可能性が出てきた。かつて、「リーマン・ショック」後の金融緩和見直し局面では、テーパリング開始に向けて金融政策を反映する米2年債利回りが大きく上昇。今回も同様なら、米ドル高要因になる可能性がある。 ただし、米金利上昇を懸念し、株価が急落する場合は米ドル/円下落リスクにも注意。
豪ドル急落の「意外な理由」と今後の見通し
豪ドル急落が広がっている。興味深いのは、豪ドル安のきっかけが、時には米金利上昇、鉄鉱石暴落、中国株急落など様々なこと。豪ドルが下落リスクに敏感な証拠!? 経験的には、豪ドルが下落トレンドに入っているなら、一時的な反発は限られ、中長期的に一段安に向かう可能性が高そう。
米景気指標悪化でも米ドルが反発した理由
8月17日、米7月小売売上高が予想より悪い結果となったものの、米ドルは反発に転じた。先週金曜日の「ミシガン・ショック」以降米景気指標悪化が続いたが、米ドルもこれまでのところは「下げ渋り」の範囲にとどまっている。 米金利は、「ミシガン・ショック」以前から「下がり過ぎ」となっていた。このため、米金利低下を見込んだ米ドル売りの反動が入りやすくなっている可能性あり。
「コロナ後最強」南アランドの下値目途の考え方
南アフリカランド/円は、2020年から2021年にかけて4割以上も上昇、「コロナ後最強通貨」の1つだったが、最近にかけては急落が広がっている。 これは中長期的な「上がり過ぎ」懸念が強い中で、売り材料に過敏に反応しやすくなっていることが大きいだろう。
「ミシガン・ショック」とユーロ、豪ドルの考え方
13日、ミシガン大消費者信頼感指数が予想を大きく下回ったことをきっかけに、米金利と米ドルが大きく下落する「ミシガン・ショック」となった。ユーロ/米ドルはいわゆる「二番底」のようになったことで、一部にはユーロ安・米ドル高終了との見方も浮上した。 ただ52週MAとの関係で見ると、トレンドはユーロ/米ドル下落で、反発は一時的な可能性が高いのではないか。これは豪ドル/米ドルも基本的には同じ。
米インフレ懸念が現実的になってきた!?
最近の米物価指標の急上昇は、1年前の「コロナ・ショック」の反動に伴う一時的なものとの説明が基本だった。 ただ、そんな「コロナ要因」を除外するべく、2年前との比較で見ても物価は年率3%程度といった具合に、FRBの目標を超える急騰となっている。
メキシコとトルコ、金融政策会合の影響は?
メキシコは前回、6月に「サプライズ利上げ」となった。今回も追加利上げ予想が一部にある。ただ、すでに中長期的な高値警戒域にあることから、追加利上げの有無とは別にさらなるメキシコペソの上昇は限られそう!? トルコリラは、エルドアン大統領の利下げ圧力が再燃している。
米物価指標の金利と為替への影響を考える
今週はCPI、PPIと米物価統計発表が予定されているが、テクニカルに上昇率鈍化の可能性もある。では実際にそうなった場合、米金利低下、米ドル安となるか!? 名目金利からインフレ率を引いた米実質金利は、景気指標との関係で見ると「下がり過ぎ」の可能性あり。これが、名目金利自体の「下がり過ぎ」の可能性を示しているなら、物価統計の結果にかかわらず、米金利は低下より上昇バイアスが強いのではないか。
「テーパリング」という金相場の急落リスク
2021年の金相場は米金利上昇への弱さが目立つ。2021年の金相場急落のほとんどは、あの「タカ派サプライズ」となった6月FOMC直後に代表されるように、米金利の大幅上昇局面で起こっていた。 米7月雇用統計を受けて、早期の「テーパリング」開始への注目も高まってきた。「リーマン・ショック」後に「テーパリング」が始まる時は、それに向けて金相場の急落が拡大しただけに、今回も要注意ではないか。
米雇用統計の注目すべき数値とは?
4日、複数のFOMCメンバーの見通しは、年末年始から緩和の縮小、「テーパリング」開始で一致した。これは、これまで私が失業率の見通しを前提に述べてきた見通しと基本的に近いと言えるだろう。 失業率が米金融政策に大きく影響するといった観点で見ると、今後5.9%を継続的に、大幅に下回っていくかが注目点になる。
ユーロと豪ドルの中期シナリオ再点検
ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルとも先週にかけ反発したが、ともに52週MAを約1ヶ月と「長く」下回る状況が続いている。経験的には、下落トレンド展開中の可能性が高い。 下落トレンドを前提に、一時的反発の目途、下落目標など、「中期シナリオ」を再点検する。
109円割れの米ドル/円、今後の行方は?
米金利の低下が続く中で、米ドル/円は8月3日、一時109円割れとなった。米ドル/円のさらなる下落は、引き続き米金利が鍵になりそう。 その米金利、米10年債利回りの90日MAからのかい離率はすでにマイナス20%以上に拡大するなど「下がり過ぎ」懸念が強くなっている。
クロス円下落と「謎の金利低下」の関係
7月以降、株高では「異例」のクロス円下落が拡大した。これは、独金利低下に伴う金利差の影響が大きかった。 その独金利低下は、「謎」とされる米金利低下に連れた可能性。その米金利は「下がり過ぎ」懸念が強くなっている。米金利低下が終われば、クロス円下落も終わる!?
米ドル/円「雇用統計相場」の傾向と対策
雇用統計発表日の米ドル/円は過去3ヶ月連続で米ドル陰線引けとなるなど、雇用統計発表まで米ドル高傾向が続き、発表後に米ドル反落のパターンが繰り返されてきた。 これは、米ドル高の流れが続いた中で、雇用統計の結果を受けた米ドル高加速への警戒の影響が大きかったのではないか。7月からそんな米ドル高の流れが変調しているだけに、雇用統計に対する米ドル/円の反応も変わる可能性に注目。
「謎の米金利低下」の理由とは?
3月までの米金利急騰から一転、直近米金利は大きく低下している。この米金利低下については、28日FOMC終了後のパウエルFRB議長の記者会見でも話題に上った。 90日MAからのかい離率で見ると、3月までの米金利急騰は記録的な「上がり過ぎ」の可能性があった。このため、その反動に伴う金利低下が勢い余って最近は一転「下がり過ぎ」になっているということではないか。