52週MAで考える「中期シナリオ」
6月FOMC(米連邦公開市場委員会)以降、急ピッチで進んだユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルの下落だったが、先週にかけては反発となった(図表1、2参照)。米10年債利回りが一時1.2%割れとなるなど米金利低下が続く中で、それに対する米ドル安への反応になったとみられる。
【図表1】ユーロ/米ドルの日足チャート(2021年4月~)
【図表2】豪ドル/米ドルの日足チャート(2021年4月~)
ただ、両通貨ペアとも、52週MA(移動平均線)を超えるには至らず、ユーロ/米ドルは5週連続、豪ドル/米ドルも4週連続と、52週MAを下回る状況が長期化してきた(図表3、4参照)。経験的には、52週MAを1ヶ月以上といった具合に「長く」ブレークする動きは一時的ではなく、継続的なトレンドとして展開している可能性が高い。
【図表3】ユーロ/米ドルと52週MA(2000年~)
【図表4】豪ドル/米ドルと52週MA(2005年~)
以上から、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルが下落トレンドとして展開しているなら、それと逆行する一時的な反発は52週MA前後までがせいぜいといった見通しになる。一方で、52週MAを1割以上下回るまで継続的に下落するといった見通しが基本だ。
足元の52週MAは、ユーロ/米ドルが1.196米ドル、豪ドル/米ドルが0.75米ドル。これを元に、上述の「ルール」を当てはめると、ユーロ/米ドルは1.2米ドルを大きく超えられず、1.05米ドルを目指す、そして豪ドル/米ドルは0.75米ドルを大きく超えられず、0.65米ドルを目指すといった「中期シナリオ」が基本になるのではないか。