吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
新年相場前の主要通貨ポジション再点検
CFTC統計の投機筋のポジションで見ると、11~12月で大きく変化したのは円と英ポンド。前者は売り越しが半減、一方後者は売り越しが急拡大するといった対照的な結果。 豪ドルとユーロのポシションには大きな変化はなかった。ただ豪ドルは「売られ過ぎ」が懸念される状況が続いたのに対し、ユーロは小幅売り越しで、売り余力が大きそうな状況が続いた。
「悪い円安」説への疑問と違和感
2021年後半急速に進んだ円安に対して、日本経済にとってはデメリットが大きい「悪い円安」との声を聞く。ただ株価との関係で見ると、この「悪い円安」説には疑問あり。 また、円の総合力である実質実効レートの下落を、「円離れ」とする評価にも違和感がある。
トルコリラ安終了「W底」という目安
トルコリラは先週から急反騰となった。暴落相場の転換は、いわゆる「V字型」より、本当に底を打ったのか何度か試しながら反転に向かう、いわば「W字型」が少なくなかった。 暴落相場の終わりは、下落リスク再燃を凌げるか、つまり安値更新を回避できるかが目安か。
トルコリラ安は終わったのか?
先週のトルコリラ急反騰は、『トルコリラ暴落は短期的な「下がり過ぎ」反転で一段落する』といった過去のパターンからすると、トルコリラ安一段落の可能性が注目される値動きではある。 ただ、インフレ下での通貨安が利上げなしで本当に終わるかなど、なお悩ましさを抱えている。
FRB「タカ派」ドミノという可能性
今週の金融政策ウィークでは、BOEの「サプライズ利上げ」やメキシコ中銀の利上げ幅拡大などがあった。 世界的なインフレ懸念の広がりとともに、米国の「タカ派」姿勢強化が、ドミノ倒し的に米国以外の国の「タカ派」姿勢強化に伝播しているといった可能性もありそうだ。
FOMC後の為替の行方を考える
注目された15日のFOMCは「テーパリング」加速を決定した。これに対して米金利は上げ渋る反応となったことから、為替相場の米ドル高も限定的な動きにとどまった。 金融政策を反映する米2年債利回りは短期的に「上がり過ぎ」懸念が強いことから、その反動で低下するリスクもありそう。その場合、為替相場も米ドル安に振れる可能性に注目。
FOMCで米金利・米ドルはどう動く?
米金融緩和政策の転換が意識された6月のFOMC以降、FOMC後の米2年債利回りの反応は6、9月が上昇、11月は低下と分かれた。この違いは、基本的に90日MAからのかい離率で説明できる。 足元の米2年債利回りの90日MAからのかい離率は11月に近い。その意味では、今回のFOMCの評価とは別に、一旦「米金利低下=米ドル安」に向かう可能性が高いのでは?
今年最後の金融政策ウィーク、各国通貨の動向は?
今週は水曜がFOMC(米連邦公開市場委員会)、木曜はBOE(イングランド銀行)、ECB(欧州中銀)、さらにメキシコ、トルコでも金融政策会合が予定されている。そして金曜は日銀の金融政策会合。 このうち、FOMCは「テーパリング」加速、そしてメキシコは利上げ、トルコは利下げといった具合に政策変更の予想もあるが、それらが為替相場へどう影響するかを考察してみた。
クリスマス前、投機筋の基本ポジション整理を見る
例年、クリスマス、年末にかけてリスク回避の観点から、ポジションの圧縮は広がりやすい。 今回の場合、そんなポジションの圧縮は、基本的に米ドル安や円高をもたらしやすいのではないか。
実効レートで考える「さらなる円安」の可能性
円の実質実効レートは、2015年6月に黒田日銀総裁による「さらなる円安はありそうにない」との発言をきっかけに底を打った水準目前まで下落してきた。 ただ円の実質実効レートの5年MAからのかい離率で見ると、足元は2015年6月のような「行き過ぎた円安」の状況とは大きく異なっている。
2022年の新興国通貨を予想する
主要な新興国通貨には、米国の金融政策と高い相関関係があった。 米金融緩和局面では新興国通貨は「上がり過ぎ」に向かいやすく、その反動もあって、金融緩和政策の転換では下落リスクが急拡大しやすかった。 【2022年 予想レンジ】
南アフリカランド/円:1ランド=5.5~7.5円
メキシコペソ/円:1ペソ=4~5.5円
トルコリラ/円:1リラ=6~11円
2022年の豪ドルを予想する
インフレ、物価上昇が続く中で、資源国通貨の豪ドルは、原油相場などの影響が強くみられるようになっている。その原油相場は、中長期的な高値限界圏に達している可能性あり。 金利差の影響などから、豪ドル安・米ドル高トレンドが続きそう。 【2022年 予想レンジ】
豪ドル/米ドル:1豪ドル=0.65~0.75米ドル
豪ドル/円:1豪ドル=75~82円
2022年のユーロを予想する
ユーロ/米ドルはユーロ圏と米国の金融政策の方向性の違いを受けた金利差ユーロ劣位拡大が続く見通しのため、それに連れたユーロ安・米ドル高が継続する見通し。 ユーロ/円は連動の対象が金利差の場合は一進一退、ただ連動の対象が株価に変わると一方向への大きな動きになる可能性。 【2022年 予想レンジ】
ユーロ/米ドル:1ユーロ=1.05~1.15米ドル
ユーロ/円:1ユーロ=125~135円( or 120~130円)
2022年の米ドル/円を予想する
米国の超金融緩和政策の転換に伴う米短中期金利上昇を手掛かりに、「最初の利上げ」が想定される2022年6月前後に118円、そして年末にかけて120円を超える米ドル高・円安が予想される。 【2022年 予想レンジ】1米ドル=110~122円
オミクロン株と米緩和転換加速の為替への影響
コロナ変異種「オミクロン株」と米国の緩和政策転換加速は、金融マーケットの今の二大テーマと言えそうだが、前者が円高要因、後者が米ドル高要因で綱引きとの解釈には疑問。 インフレ対策での米緩和政策転換加速は、先行き景気減速への懸念から、米長期金利低下と米国株下落をもたらし、基本的に米ドル安要因になっているのではないか。
米「最初の利上げ」と118円の米ドル高・円安
パウエルFRB議長の発言などから、インフレ対策からの米利上げ前倒し観測が高まっている。 「リーマン後」の経験から、今回の超金融緩和局面においての「最初の利上げ」までに米2年債利回りが1%までの上昇が見込まれる。米金利と為替の関係からすると、そのタイミングで米ドル/円は118円を目指す見通しになる。
「オミクロン株」リスクでの円高の目途
いわゆる「オミクロン株」への警戒をきっかけに、米ドル安・円高リスクが試される展開となっている。1つの手掛かりは、米ドル/円と高い相関関係のある米金利の短期的な「上がり過ぎ」修正の行方。その観点では、最大で111円台までの米ドル反落リスクか。 米ドル高・円安トレンド継続中での一時的な米ドル反落は、経験的には52週MA前後までがせいぜいで、それは足元で109円程度。
ボラティリティー復活の兆しが出てきた米ドル/円
米ドル/円の週間値幅は先週、2021年最大となった。また週間値幅平均も、10月以降2021年最大となっている。 米国の超金融緩和政策の転換を受け米金利上昇=米ドル高の動きが強まる中で、かつてなかったほど長く続いた小動きからようやく脱出する兆しが出てきた。
「暗黒の金曜日」と新興国通貨暴落
南アフリカのコロナ変異種報道をきっかけとした26日「暗黒の金曜日」ブラック・フライデーに、当事者とも言える南アの通貨ランド以上にメキシコペソが大きく下落した。 代表的な新興国通貨でみられたこのような急落の背景には、中長期的に高値限界圏に達しており、その修正局面が続くといった見通しがあるのではないか。
トルコリラ暴落の「終わり方」
トルコリラは今週一時9円を割れるまで一段安となった。インフレが高進する中で、利下げを続けるといった経済政策では当然の結果と言える。 そんなトルコリラ安一巡の第一の目安は、利上げへの政策転換。そしてプライスアクションの観点からは、90日MAを3割以上下回り、週足の「長い下ヒゲ」出現が目安。