モトリーフール米国本社、2024年10月29日投稿記事より
エヌビディア[NVDA]は短期的にも長期的にも高いパフォーマンスが見込まれる
AI市場は、1兆ドル超に成長することが予想される
2024年、投資家は人工知能(AI)関連銘柄に群がり、その結果、S&P500種指数はAI関連ハイテク企業の上昇に牽引されて21%超上昇しています。なぜAIにこれほど関心が集まるのでしょうか。それは、AIは多くの業界に変革をもたらし、企業の効率性や収益性を高め、さらには命を救う新薬や高性能の自律走行車といった大発見につながる可能性があるからです。
現在のAI市場はすでに2,000億ドルを超える規模があり、2030年までには1兆ドル超に成長するとアナリストは予想しています。AIツールの開発や、AIを活用して事業の改善を図っている企業は、真っ先に恩恵を受けると見られ、投資家にもリターンが期待されます。
莫大な資産を持つ著名投資家がこれを見逃すはずがなく、彼らはAI関連企業に多額の投資を行っています。しかし、現時点ですべてのAI関連企業の株式が買われているわけではなく、著名投資家は今後数ヶ月でどの企業に最も大きなリターンが見込まれるか、重要な決断を下しています。大手ヘッジファンドのチューダー・インベストメントを率いる資産家のポール・チューダー・ジョーンズ氏はその典型です。同氏は先日、データ解析企業パランティア・テクノロジーズ[PLTR]の保有株式をすべて売却し、その資金を、2024年に株式分割を実施し、近い将来に大きなカタリストが見込まれるエヌビディア[NVDA]に投資しました。
ジョーンズ氏が築いた巨万の富
まず、投資家がジョーンズ氏の投資動向に注目する理由を簡単に説明します。1980年にチューダー・インベストメントを設立して以降、同氏は巨万の富を築いただけでなく、1987年のブラックマンデーの前に空売りし、1億ドルもの利益を生み出したことでも大きな話題となりました。
最近では、ジョーンズ氏はAIの大きな可能性について語っています。同氏は2023年のCNBCのインタビューで、「AIは生産性ブームを引き起こし、今後何年にもわたって株価を押し上げるだろう」と語りました。そのため、同氏がマイクロソフト[MSFT]やアマゾン・ドットコム[AMZN]といった多くのAI関連一流企業に投資していることは驚くことではありません。
ジョーンズ氏がパランティア・テクノロジーズを手放した理由
ジョーンズ氏は第2四半期に、2024年に入って最も好調だったAI銘柄の1つである、パランティア・テクノロジーズの持ち分をすべて売却し、別の大手AI企業であるエヌビディアに追加投資しました。エヌビディアの株価は過去5年間で2,700%という驚異的上昇を遂げていますが、2024年6月に株式分割を実施して1株当たりの株価が下がったため、幅広い投資家がアクセスしやすくなっています。
同氏はパランティア・テクノロジーズの株式12万6,594株を売却した一方で、エヌビディアの保有株数を853%増の27万3,294株としました。この決断の背後にある正確な理由は分かりませんが、パランティア・テクノロジーズの株価が急騰し、予想株価収益率(PER)は122倍と、バリュエーションがかなり割高な水準になっていたことは事実です。
パランティア・テクノロジーズの長期的見通しは依然として有望に見えますが、足元のバリュエーションによって短期的な上昇余地は少なく、投資家はより妥当な価格で取引されている別の銘柄に目を向ける可能性があります。エヌビディアも年初来で株価が急騰しています。しかし、予想PERは49倍で、しかも目先に大きなカタリストが控えていることを考慮するとまだ上昇余地もあるでしょう。
エヌビディアは、「Blackwell」と史上最速のチップのリリースを予定
エヌビディアは、新しいアーキテクチャ「Blackwell」と史上最速のチップを数週間以内にリリースする予定です。同社は、第4四半期中に増産体制が整い、同四半期に数十億ドルの売上高をもたらすと見込んでいます。すでに需要が供給を上回っており、この売上予測を裏付けています。
現在、エヌビディアはAIチップの世界最大手であり、幅広い関連製品やサービス、そしてイノベーションへの積極的取り組みにより、この先トップの座を守り続けるとみられます。売上高は数四半期連続で3桁の成長を記録しており、直近の2024年5~7月期には過去最高の300億ドルに達しました。
そして重要なことに、売上高の成長に伴って高水準の利益率が維持されており、会社側は今後もこの状況が続くとみています。5~7月期の粗利益率は75%であり、エヌビディアの予測では、次の四半期および通期(2025年1月期)でも70%台半ばになる見通しです。
これらのことから、ジョーンズ氏や最近エヌビディア株を買った他の投資家は、Blackwellが市場に広まる今後数ヶ月にわたり、そして長期的にも大きなリターンを得る可能性があると考えられます。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾン・ドットコムの子会社であるホールフーズ・マーケット元CEOのJohn Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Adria Ciminoは、アマゾン・ドットコムの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン・ドットコム、マイクロソフト、エヌビディア、パランティア・テクノロジーズの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は以下のオプションを推奨しています。マイクロソフトの2026年1月満期の395ドルコールのロング、同2026年1月満期の405ドルコールのショート。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。