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チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
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【為替】年内最後の為替イベント、日銀会合
2022年以降の12月日銀金融政策決定会合が行われる日の米ドル/円最大変動幅は2.7~6.9円にも達していた。12月日銀会合は、為替相場が年内最後に大きく動くイベントと位置づけられる状況が続いてきたわけだ。
【為替】米失業率悪化が示した大幅利下げの可能性
注目された12月16日発表の米11月雇用統計において、失業率が4.6%と大きく上昇した。これまでの失業率と米国の政策金利、FFレートの関係を参考にすると、これは次回FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.5%以上の大幅利下げの必要性を示している可能性がある。
次回FOMCまでにもう1回、雇用統計発表があることなどから、今のところ早期利下げに慎重な見方に著変ないようだが、引き続き米労働市場の動向は注目されそうだ。
【為替】米ドル/円と金利差との連動「復活」
2025年に大きくかい離した米ドル/円と日米金利差の関係だったが、この1ヶ月は両者の連動が復活したようになっている。
その理由と、この先も続くかについて考えてみる。
【為替】「異例の円安」を演出したヘッジファンドの損切り
11月157円までの円安は、日米金利差から大きくかい離する異例の動きだった。
「異例の円安」が起こった一因には、ヘッジファンドの空前規模の円買いポジションの、損切りに伴う円売りの影響もあったようだ。
【為替】為替と金利、当局関係者たちの考え方
高市政権誕生以降、米ドル高・円安は157円まで、そして長期金利10年債利回りは2%突破寸前まで上昇した。こうした円安や金利上昇に対して、政策当局関係者たちはどのように見ているのか。
円安阻止介入や長期金利上昇抑制差策について、複数の関係者に直接質問してみた。
【為替】長期金利がさらに上昇した場合、日銀は利上げを続けられるのか?
日本の長期金利上昇への懸念が続いている。
過去の代表的な長期金利暴騰、債券価格暴落として1998年の「資金運用部ショック」があった。
この時長期金利上昇に歯止めをかける切り札になったのは史上初の日銀ゼロ金利政策という「究極の利下げ」だった。
【為替】理由を変えて繰り返す「不気味な円安」
2025年も150円を超える円安再燃となった。日米金利差(米ドル優位・円劣位)縮小や経常収支の貿易・サービス赤字縮小などでも変わらず、理由を変えて繰り返すのは「不気味な円安」ということではないか。
【為替】2026年のメキシコペソ、南アフリカランド、トルコリラを予想する
2024年に「バブル」破裂のような形で急反落に転じたメキシコペソや南アフリカランドだったが、円安が再燃すると2025年は後半に再び大きく上昇した。2026年は「上がり過ぎ」の反動が焦点となるだろう。
2026年の予想はメキシコペソ/円が6.5~9円、南アフリカランド/円が7~9.5円、そしてトルコリラ/円は3~4円。
【為替】2026年のユーロと英ポンドを予想する
ユーロ/米ドルは2025年前半に大きく上昇したが、後半は小動きになった。1.2米ドルが重大分岐点の可能性があるかもしれない。
ユーロ/円、英ポンド/円はともに金利差から大きくかい離し、円安が急拡大した。
2026年の予想は、ユーロ/米ドルは1.1~1.25米ドル、ユーロ/円は155~185円、英ポンド/円は185~210円。
【為替】2026年の豪ドルを予想する
2025年の豪ドル/円も、米ドル/円同様に年後半は金利差からかい離して円安が拡大した。これは日本からの資本流出の影響か。一方、豪ドル/米ドルは、年後半は小動きに終始した。
2026年の豪ドル/円は円安から円高への転換を予想。予想レンジは85~105円。
2026年の豪ドル/米ドルは0.6~0.7米ドルで予想。
【為替】2026年の米ドル/円を予想する
2025年の米ドル/円は、4月までは円高、5月以降は円安へ転換した。この円安は日本の財政リスクへの懸念に伴う資本流出の結果との見方が強い。
日本からの資本流出に伴う円安が続くのか、それとも株バブル破裂等で米国からそれを上回る資本流出が起こるのか。2026年はここ数年以上に波乱含みの展開になる可能性あり。
以上を踏まえ、2026年の米ドル/円は130~165円で予想する。
【為替】「2つのショック」で考える円安の行方
最近にかけての円安は、日本の財政規律低下を懸念した資本流出の影響が大きいとされる。
似たような例として引き合いに出されるのは、2022年の「トラス・ショック」、そして日本の債券暴落なら1998年の「資金運用部ショック」だろう。
【為替】日本版「トラス・ショック」は回避できるか
日本の財政リスクを懸念したとされる長期金利上昇が止まらない。
高市政権周辺には、対応を誤れば、いわゆる日本版「トラス・ショック」も起こりかねず、政府は12月下旬の2026年度予算案閣議決定までに、「財政の責任」の明確化が必要との見方がある。
【為替】「高市円安」一服の背景を考える
高市新政権誕生を前後して急拡大した円安だが、今のところ158円手前で一服している。
円安一服の主なきっかけは、円安阻止介入強化の可能性、そして米12月利下げ観測の浮上だろう。
「高市円安」は終わったのか、それとも一休みに過ぎないかについて考えてみる。
【為替】ほぼ是正される異例の「投機円買い」
4月に一時139円まで米ドル安・円高が進んだ局面では、金利差から見れば異例と言えるヘッジファンドなど投機筋の円買い急拡大の影響が大きかったと見られた。
最近にかけて大きく円安に戻す中、その「異例の円買い」もほぼ是正された可能性が高そうだ。
【為替】介入での円安阻止は困難になった
高市総理の経済ブレーンが、円安に対して積極的な為替介入で対応するとの考え方を示している。ただ2024年までの円安局面と異なり、足下の円安はむしろ介入での歯止めが厳しいものになっている懸念があるのではないか。
【為替】12月FOMCは利下げするのか?
米政府機能の一部停止「シャットダウン」終了を受けて、先週11月20日に発表された9月の米雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が11.9万人の増加、そして失業率は4.4%だった。
ではこれが12月FOMC(米連邦公開市場委員会)にどう影響するかを考えてみる。
【為替】円買い介入のシナリオを考える
米ドル高・円安が広がっているが、2024年までに行われた円安阻止の為替市場介入の再開はあるだろうか。
2024年までの介入判断を前提にすると、163円以上に米ドル高・円安となるまでは、介入が実現する可能性は低いのではないか。
- 吉田 恒
- マネックス証券 チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティ FX学長
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大手の投資情報ベンダーの編集長、社長等を歴任するとともに、著名な国際金融アナリストとしても活躍。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊、2016年トランプ・ラリーなどマーケットの大相場予測をことごとく的中させ、話題となる。
機関投資家に対するアナリストレポートを通じた情報発信はもとより、近年は一般投資家および金融機関行員向けに、金融リテラシーの向上を図るべく、「解りやすく役に立つ」事をコンセプトに精力的に講演、教育活動を行なう。
2011年からマネースクエアが主催する投資教育プロジェクト「マネースクエア アカデミア」の学長を務める。2019年11月より現職。
書籍執筆、テレビ出演、講演等の実績も多数。
<主な著書>
「投資に勝つためのニュースの見方、読み方、活かし方」(実業之日本社)
「FX予測のプロフェッショナルがついに書いた!FX7つの成功法則」(ダイヤモンド社)
「アノマリーで儲ける!FX投資術」(双葉社スーパームック)
「これから来る!「超円安」・「超株高」の本命シナリオ」(カンゼン)
「そうだったのか!FX大相場の真実」(ビジネス社)
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