吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
「一時的米ドル安」のシナリオ
28日のFOMCと前後して、米ドルは下落気味の展開となった。ただあくまで「一時的米ドル安」なら、経験的には52週MA前後までがせいぜいか。 52週MAが106円台で、足元の水準よりかなり離れている米ドル/円の場合の「一時的下落」幅は日米金利差の動向が目安になりそう。
「FOMC大相場」の可能性を考える
6月FOMC後に為替相場は大きく動いた。ただ、6月は確かに顕著だったが、それ以外でも2021年はFOMCをきっかけに為替相場の値動き拡大が目立っている。 この基本的な背景は、米金融政策への関心の高まりだろう。その上で、米ドル/円以上にユーロ/米ドルの過敏な反応がこれまでは目立っていた。
4通貨の中長期為替予想の考え方
豪ドル、NZドル、トルコリラ、ブラジルレアルの4通貨の対円相場について、1年以上といった中長期の予想を、おもに購買力平価と5年MAとの関係の分析から考察する。
豪ドル安へのトレンド転換と今後の行方
豪ドル/米ドルは先週まで3週連続で52週MAを下回り、一時的ではなく、豪ドル安トレンドが展開している可能性が高くなっている。 豪ドル安トレンドが展開しているなら、経験的には52週MAを1割以上下回る可能性があるだけに、0.67米ドル割れを目指す豪ドル安が展開している可能性あり。
対円以外で目立つ米国への資金回帰
米10年債利回りが一時1.2%割れとなるなど低下が続いた中でも、対円以外では米ドルの続伸が目立っている。 6月FOMCの後から米ドル買いが強まったが、このような米国への資金回帰は、米金融政策を巡る思惑などとは別に止まらなくなっている可能性がある。
米金利で考える米ドル安の行方
米金利が大きく低下する中で、米ドル/円も19日一時109円割れ寸前まで急落。も19日一時109円割れ寸前まで急落。 米10年債利回りはすでに90日MAからのかい離率がマイナス20%以上に拡大、「下がり過ぎ」懸念が強くなっている。経験的にはさらに低下しても1.1%前後がせいぜいか。いずれにしても、米ドル/円下落リスクは、米金利の低下が目安になりそう。
クロス円下落拡大の背景と今後の焦点
6月以降、クロス円の下落が拡大、年初来高値からの最大下落率はユーロ/円や英ポンド/円が3%以上、豪ドル/円は5%以上となった。 これは、6月FOMC以降の米ドル全面高で、円より円以外の通貨の下落が大きくなったこと、そしてもう1つは、金利差から見た「上がり過ぎ」反動の影響と考えられる。
米ドル/円の下落リスクを考える
米ドル/円は先週にかけての急落で、1月からの上昇トレンドラインを割り込み、下落リスクが拡大した。 6月のFOMC以降、米ドル/円をうまく説明してきたのは日米2年債利回り差だった。今週のパウエルFRB議長の議会証言で金融緩和の見直しに慎重な受け止め方が広がったことで、米2年債利回りがさらに低下するなら、米ドル/円も続落のリスクあり。
相次ぐ「タカ派サプライズ」の意味
6月FOMC以降、メキシコ、さらにニュージーランドなどで、予想より早い金融緩和の見直しといった「タカ派サプライズ」が目立ってきた。 米金融緩和の見直し局面では、「米金利上昇=米ドル高」が進むことで、米国以外の国々では対応が後手に回った場合、通貨安が高じ「通貨危機」に陥った苦い記憶もあった。それを回避するべく、全体的に金融緩和の見直しが早まる可能性にも注目。
新興国通貨・南アランド下落の「理由」
南アフリカランドが反落してきた。南アフリカの政治不安などがきっかけのようだが、中長期的な「上がり過ぎ」懸念から、売り材料に過敏になっている可能性もありそう。 経験的には、南アランド「売り時」と言えそうな水準で推移しているだけに、何かの拍子に下落が加速しかねないリスクにも注意が必要ではないか。
ユーロ安・米ドル高へトレンド転換の可能性
ユーロ/米ドルが先週まで2週連続で52週MAを下回った。このまま今月末にかけて「長く」52週MAを下回るようなら、経験的にはすでに一時的ではなく、ユーロ安・米ドル高トレンドへ転換している可能性が高まる。 対円に加えて、対ユーロでも米ドル高へトレンド転換した可能性が高まるなら、米金融政策の転換の影響などにより、全面的な米ドル高へのトレンド転換の可能性が注目されそう。
「金利差無視の米ドル買い」の正体とは!?
7月以降、米金利低下でも米ドル高が続き、対円以外、対ユーロや対豪ドルでは金利差とのかい離が拡大した。これは、米金利低下でも米ドル買いが続いた影響ではないか。 米金融緩和見直しの可能性が浮上したことで、「コロナ・ショック」後に急拡大し、まだ残っていた「ドル・キャリー」取引の返済のために米ドル買い戻しが拡大した可能性に注目
米ドル/円急落の背景と今後の焦点
米ドル/円は8日急落、110円割れとなった。これは、金利差から見た「上がり過ぎ」の反動と、この間の小動きを「下放れ」となったテクニカルな影響が大きかったのではないか。 米ドル/円の「道先案内役」米2年債利回りは、この間の「上がり過ぎ」もほぼ是正され、さらなる低下リスクは少なそうだ。ただ米ドル/円の小動き「下放れ」の影響はまだ注意が必要か。
米ドル/円の「1%レンジ」トレード・パターン
米ドル円は、先週にかけての高値更新から、今週にかけて反落となった。これは、金利差から見た「上がり過ぎ」の反動が基本ではないか。 また、米ドル/円は90日MAプラス1~2%といった1%レンジ中心での上下動が5月過ぎから続いてきた。この1%レンジは、足元では110.5~111.6円程度。 先週までの米ドル高も、今週にかけての米ドル反落も、まさにこの1%レンジ中心のトレード・パターン通りの結果ともいえる。
「FOMCサプライズ」と失業率の関係
いわゆる「リーマン・ショック」対応の金融緩和は、米失業率が過去10年の平均値(10年MA)を下回るまで改善したときに見直しが始まった。 足元の米失業率の10年MAは5.9%。上述の「リーマン・ショック」後の経験が参考になるなら、失業率が5.9%を下回る状況が続くとすると、金融緩和見直しが現実味を帯びていく可能性がある。
為替の新「道先案内役」米2年金利を考える
6月FOMC以降、米ドル/円などはそれまでの10年債利回り差ではなく、金融政策を反映する2年債利回り差に連動するようになった。 米2年債利回りは、すでに記録的な「上がり過ぎ」。先週、NFPが予想以上でも米金利低下となったのは、この「上がり過ぎ」の反動だろう。 ただし、「2年債利回りは金融政策を反映する」という意味では、金融緩和見直しの方向が変わらなければ、米2年債利回りの低下も限られそう。
豪ドル高の終わり、そして豪ドル安のシナリオ
豪ドル/米ドルは、足元で0.747米ドル程度の52週MAまで下落してきた。経験的には、一時的豪ドル安ならここまで、さらに下落するなら豪ドル安へトレンド転換した可能性が高まる。 豪ドル安へトレンドが転換したなら、経験的に0.67米ドル割れへ向かう豪ドル安が展開している可能性あり。
米ドル高・円安の背景と今後の焦点
米ドル/円が過去2ヶ月続いた90日MAからのかい離率1~2%中心のレンジ上放れを試す動きとなってきた。長く続いた小動きから抜け出すと一方向に大きく動き出す可能性があるだけに注目されるところだ。 ただ最近の米ドル高・円安は日米金利差からのかい離が目立ってきた。米ドル高・円安が大きく進むためには、金利差の裏付けが鍵になるのではないか。
雇用統計発表前、米ドル/円の立ち位置再点検
先週、年初来高値更新となったものの、その後の米ドル/円は上値の重い展開が目立った。 これは、6月FOMC後、米10年債利回りから米2年債利回りに「道先案内役」が変わり、その米2年債利回りは長期金利と異なり金融政策の影響が強いだけに、金融緩和方針の変更が明確になるまで、「上げ渋る」可能性があり、その影響があるのではないか。
英ポンド/円の「客観評価」を再確認する
英ポンド/円は、英日10年債利回り差から見た「上がり過ぎ」はほぼ是正された。6月FOMC以降影響力の大きくなった2年債利回り差との関係からすると、足元もとくに「上がり過ぎ」懸念は強くない。