ユーロ/米ドル

ユーロ/米ドルは先週、比較的大きな動きとなった。まずは、米金利上昇に連れる形でユーロ安・米ドル高、3月末に付けたこの間のユーロ安値更新目前まで迫ったが、金曜日にいわゆる「ミシガン・ショック」、ミシガン大学の調査による消費者信頼感指数が予想を大きく下回ったことをきっかけに米金利低下となったことから、ユーロ高・米ドル安へ大きく戻し、ユーロ安値更新も未遂に終わった。

ユーロ安値更新に失敗し、チャート的には今回で「二番底」のようになったことから、ユーロ/米ドルの下落は終わったのではないかとの見方も一部には浮上しているようだが、私は今のところそうは思っていない。

これまでも何度か説明しているように、ユーロ/米ドルは先週まですでに1ヶ月以上と長く52週MA(移動平均線)を下回った(図表1参照)。経験的には、このように52週MAを長く下回る動きはトレンド(継続的な相場)の可能性が高く、その意味ではユーロ/米ドル下落トレンドが展開しており、それと逆行する反発はあくまで一時的な可能性が高く、経験的にこの一時的な動きは52週MA前後までがせいぜいだろうと考える。

【図表1】ユーロ/米ドルと52週MA (2000年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

足元の52週MAは1.195ドル程なので、以上をまとめると、ユーロ/米ドルは一時的な反発でも1.2米ドルを大きく超えられない程度にとどまり、基本的にはこの間の安値を更新、1.17米ドルを大きく割り込んで下落が広がっていくといった見通しになる。

豪ドル/米ドル

同じ円以外の外貨の米ドルに対する取引であるドルストレートでも、豪ドル/米ドルはこの間「上がりもしない下がりもしない」といった横ばいが続いてきたことから、ちょっと方向感がわかりにくい感じになっている。

ただそういった中でも、先週までに52週MAを1ヶ月以上と長く下回ってきたので、既に見てきたユーロ/米ドルでも説明したように、経験的には豪ドル/米ドルの下落トレンドが展開している可能性が高くなってきたのではないか。

そうであれば、52週MAが足元で0.75米ドル程度なので、一時的な反発も0.75米ドルを大きく超えられない程度にとどまり、粛々と年初来安値を更新、豪ドル安・米ドル高が広がっていく可能性が髙いと基本的には考えている(図表2参照)。

【図表2】豪ドル/米ドルと52週MA (2005年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成