吉田恒の為替ウイークリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒による週間為替展望です。注目通貨ペアの相場動向を解説します。

週の第1営業日に更新
吉田恒の為替ウイークリー
3月の米ドル/円を予想する
2月の米ドル/円は、米金利上昇の割には米ドル高とならず、米国株安の割には米ドル安にもならず、方向感の乏しい小動きが続いた。 90日MAかい離率で見ると、米金利は「上がり過ぎ」、一方米国株は、ナスダック指数は「下がり過ぎ」だが、NYダウは「下がり過ぎ」懸念が強くない。 3月も小動きが続くか、動くとしたら相対的には米ドル安リスクか。3月の米ドル/円は113円半ば~116円半ば中心のレンジを予想。
危機回避より危機拡大に要注意の「ウクライナ相場」
米金融市場は、これまでインフレ懸念を主因に金利上昇・株安が続いたため、ウクライナ危機が回避された場合に想定されるリスクオンの金利上昇・株高よりも、ロシアがウクライナに侵攻した場合に想定されるリスクオフの金利低下・株安の反応のほうが大きくなる可能性あり。 円のポジションも売りに傾斜していることから、リスクオンのさらなる円売り拡大より、リスクオフの円買い戻しのポテンシャルが大きいと思われる。
「円金利上昇抑制=円一段安」予想を検証する
世界的に金利上昇が広がる中、日銀は金利上昇抑制策に動くことから、金利差拡大で円一段安との見方もある。 ただ日銀の金利上昇抑制策が有効なのか、一方米金利上昇がどこまで続くかなどの検証は必要だろう。思ったほど日米金利差は急拡大せず、円安の拡大にも自ずと限度がある可能性も。
「ユーロ本位制」で考える当面の為替の行方
先週2月3日のECB会合以降、ユーロは一段高。これが新たなユーロ高の始まりなのかは、米ドル/円などの目先の行方を考える上でも鍵を握っている可能性あり。 テクニカルな焦点は、この間のレンジ上限、1.14米ドルからのユーロ「上放れ」が続くか。そして、もう1つはユーロ高の道先案内役である独金利上昇が続くか。
2月の為替を予想する
先週のFOMCから米ドル買い再燃。このまま年初来米ドル高値更新で、次の目標118円を目指す流れが始まったかが2月相場の最初の焦点。 米金利の短期的な「上がり過ぎ」懸念が強い中で、それは時期尚早か。2月の米ドル/円は113円半ば~116円半ば中心のレンジを予想。
FOMCと米国株が鍵を握る為替
テクニカルに、米ドル下落リスク拡大の可能性。米ドルは、米金利上昇より米国株下落の影響が強まっている。 米国株下落のリード役は、歴史的なグロース株の割高修正。目先的には今週のFOMCが大きな分岐点になる可能性。
短期的な米ドル安リスクの可能性
米ドル/円は年明け直後の一段高から、先週は一転して急落。この中で、テクニカルには目先的な米ドル下落リスク拡大の示唆が増えた。 52週MAとの関係などからすると、米ドル安トレンドへの転換議論は時期尚早ながら、目先的な一定程度の米ドル下落リスクには要注意か!?
118円へ米ドル一段高の2つの条件
2021年の2回の米ドル高加速局面に主に共通したのは、保合い放れといったテクニカルな要因と、そして「道先案内役」の米金利の一段の上昇だった。 前者では目先的に116円半ばが分岐点になりそう。後者、米金利は短期的な「上がり過ぎ」懸念の強い状況が続いている。
1月の為替を予想する
その年の相場の流れは、「January Effect(1月効果)」という言葉のように1月の流れで決まる可能性があり、そしてそんな1月相場は、経験的には年明け早々に決まる可能性がある。 米金利は短期的に「上がり過ぎ」懸念が強いため、目先的な「米金利上昇=米ドル高」には限りがありそう。ただ、目先的に米ドル安となっても、それはあくまで一時的な動きで、年末にかけて120円を目指す米ドル高が続くとの考えが基本。
「新年大相場」の前倒しとその方向を考える
年明け後に相場が大きく動く「新年大相場」が、カレンダーの関係から2021年は1週間早く、つまり今週から早々に始まる可能性にも注目。 大相場となった場合、肝心の方向性は米ドル高 or 米ドル安!? 米ドル/円と高い相関関係が続いてきた米金利との関係で考えると、目先的な「米金利上昇=米ドル高」には自ずと限度ありか。
米ドル/円の「FOMC相場」を予想する
米2年債利回りが短期的に「上がり過ぎ」の懸念の強い中でFOMCを迎えるといった構図は、前回11月のFOMCと似ている。 前回11月のFOMC後は、「上がり過ぎ」の修正で米2年債利回りは一旦、大きく低下に向かった。今回も同様に、FOMC後は一旦「米金利低下=米ドル安」の可能性に注目。
スタグフレーションの予兆か?為替と金利の関係変化
先週、米2年債利回り上昇の一方で米10年債利回りが低下となると、米ドル/円は久しぶりに後者に連動した。これは、物価上昇と景気後退が同時に起こるスタグフレーションへの反応の兆しなのか!? 長期金利の指標、米10年債利回り低下が続くかは注目。また、金融政策を反映する米2年債利回りも、足元は「上がり過ぎ」懸念が強い。以上のような米金利を取り巻く環境は、目先的には米ドル高が限られ、相対的な米ドル安リスクの高さを示している可能性!?
「暗黒の金曜日」ブラック・フライデー後の為替の行方
先週金曜日(11月26日)、南アフリカのコロナ変異種への懸念をきっかけに世界的な株価暴落、「暗黒の金曜日」といったブラック・フライデーが起こると、米金利は大きく低下し、それに連れて米ドル/円も115円台から113円台へ急落した。 米インフレ懸念が拡大する中で、米金融緩和見直しの加速観測が広がっていたが、今回の動きを受けて、それは一息つきそう。 米金融緩和見直しの加速観測が一息つくなら、それを主な背景とした米金利の短期的な「上がり過ぎ」も修正に向かう可能性がある。目先は「米金利上昇=米ドル高」修正局面か。
米金利と原油で考える米ドル高の行方
先週の米ドル/円は年初来高値を更新、一時115円突破寸前まで上昇した。米金利上昇傾向が続いたことと、対ユーロなどで米ドル一段高となったことに連れたためか。 米金利は短期的に「上がり過ぎ」のため、さらなる米ドル高への影響は限られそう。 ユーロ安・米ドル高は米金利上昇以上にこの間原油相場の影響が大きかったか。その原油相場、WTIの5年MAかい離率などを見ると中長期的な「上がり過ぎ」懸念強い。原油高限界なら、ユーロ高・米ドル安への戻りが限られる可能性あり。
「CPIシヨック」米金利上昇=米ドル高の行方は?
先週水曜日(11月10日)の米CPI発表を受けた米金利急騰に連れて米ドルも急反発。ただ米金利は既に短期的には異常なほどに「上がり過ぎ」の懸念が強いため、さらなる米金利上昇=米ドル高には自ずと限度ありか。 「CPIショック」を受けてユーロ/米ドルは年初来安値を更新、テクニカルにユーロ安・米ドル高を模索しやすい。このため対ユーロでの米ドル高はどこで一巡するかもしれず、全体的な米ドル高が一段落する目安となるか。
円安「サイクル・トップ」という可能性
11月5日の米雇用統計発表は予想より良い結果だったが、米金利は低下、それに連れて米ドル/円も反落となった。これは米金利の短期的な「上がり過ぎ」の反動が主因か。 米雇用統計発表をきっかけに、米金利の短期的な「上がり過ぎ」の修正が本格化し、米ドル高・円安が「サイクル・トップ」を付けるパターンが今年2回あった。今回もその可能性に注目。
11月の米ドル/円を予想する
米金融緩和の政策転換を織り込む形で、米2年債利回りが急騰。これに連れる形で米ドル/円も10月に一気に115円に迫るまでの一段高となった。 米ドル/円一段高の道先案内役となった米2年債利回り急騰だったが、短期的にはさすがに異常なほどの「上がり過ぎ」が懸念されてきた。過去の似たケースを参考にすると、米2年債利回りは一時的に比較的大きく低下する可能性もある。 それが米ドル/円にどう影響するかが、11月相場の注目点か。
米ドル/円急騰が一服した背景、今後の鍵は?
114円を超えるまでの米ドル/円一段高を正当化したのは、いわゆる「テーパリング」の早期開始で始まる米国の超金融緩和政策の転換を織り込む米2年債利回りの急騰。 米2年債利回りを90日MAからのかい離率などで見ると、短期的には空前の「上がり過ぎ」の可能性が出てきた。 米ドル/円は先週末にかけて反落したが、米2年債利回りの短期的な「上がり過ぎ」の反動に伴う低下次第では、113円割れへさらなる下落リスクが試される可能性もあるだろう。
「止まらない円安」が「止まる」鍵とは?
米ドル/円は先週一気に114円まで急騰、その中でこれまで相関関係が続いてきた日米金利差からのかい離も目立ってきた。 その割に、米ドル「上がり過ぎ」、円「売られ過ぎ」の懸念はまだ強くない。 止まらない米ドル高・円安が一段落する鍵として、1つには米金利、特に米2年債利回りの短期的「上がり過ぎ」の影響が挙げられる。そして中長期的には購買力平価との関係に注目したい。
113円が射程に入ってきた米ドル高・円安
米9月の雇用統計の発表を受けて、早期テーパリング開始の見通しは不変として米金利が上昇、米ドル/円も年初来高値を更新してきた。これにより、113円が射程に入った米ドル高の模索が続く可能性あり。 米ドル高・円安のリスク・シナリオは、テクニカルに見てまだ脆弱性が残っている米国株か。