吉田恒の為替ウイークリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒による週間為替展望です。注目通貨ペアの相場動向を解説します。

週の第1営業日に更新
吉田恒の為替ウイークリー
短期的な米ドル安リスクの可能性
米ドル/円は年明け直後の一段高から、先週は一転して急落。この中で、テクニカルには目先的な米ドル下落リスク拡大の示唆が増えた。 52週MAとの関係などからすると、米ドル安トレンドへの転換議論は時期尚早ながら、目先的な一定程度の米ドル下落リスクには要注意か!?
118円へ米ドル一段高の2つの条件
2021年の2回の米ドル高加速局面に主に共通したのは、保合い放れといったテクニカルな要因と、そして「道先案内役」の米金利の一段の上昇だった。 前者では目先的に116円半ばが分岐点になりそう。後者、米金利は短期的な「上がり過ぎ」懸念の強い状況が続いている。
1月の為替を予想する
その年の相場の流れは、「January Effect(1月効果)」という言葉のように1月の流れで決まる可能性があり、そしてそんな1月相場は、経験的には年明け早々に決まる可能性がある。 米金利は短期的に「上がり過ぎ」懸念が強いため、目先的な「米金利上昇=米ドル高」には限りがありそう。ただ、目先的に米ドル安となっても、それはあくまで一時的な動きで、年末にかけて120円を目指す米ドル高が続くとの考えが基本。
「新年大相場」の前倒しとその方向を考える
年明け後に相場が大きく動く「新年大相場」が、カレンダーの関係から2021年は1週間早く、つまり今週から早々に始まる可能性にも注目。 大相場となった場合、肝心の方向性は米ドル高 or 米ドル安!? 米ドル/円と高い相関関係が続いてきた米金利との関係で考えると、目先的な「米金利上昇=米ドル高」には自ずと限度ありか。
米ドル/円の「FOMC相場」を予想する
米2年債利回りが短期的に「上がり過ぎ」の懸念の強い中でFOMCを迎えるといった構図は、前回11月のFOMCと似ている。 前回11月のFOMC後は、「上がり過ぎ」の修正で米2年債利回りは一旦、大きく低下に向かった。今回も同様に、FOMC後は一旦「米金利低下=米ドル安」の可能性に注目。
スタグフレーションの予兆か?為替と金利の関係変化
先週、米2年債利回り上昇の一方で米10年債利回りが低下となると、米ドル/円は久しぶりに後者に連動した。これは、物価上昇と景気後退が同時に起こるスタグフレーションへの反応の兆しなのか!? 長期金利の指標、米10年債利回り低下が続くかは注目。また、金融政策を反映する米2年債利回りも、足元は「上がり過ぎ」懸念が強い。以上のような米金利を取り巻く環境は、目先的には米ドル高が限られ、相対的な米ドル安リスクの高さを示している可能性!?
「暗黒の金曜日」ブラック・フライデー後の為替の行方
先週金曜日(11月26日)、南アフリカのコロナ変異種への懸念をきっかけに世界的な株価暴落、「暗黒の金曜日」といったブラック・フライデーが起こると、米金利は大きく低下し、それに連れて米ドル/円も115円台から113円台へ急落した。 米インフレ懸念が拡大する中で、米金融緩和見直しの加速観測が広がっていたが、今回の動きを受けて、それは一息つきそう。 米金融緩和見直しの加速観測が一息つくなら、それを主な背景とした米金利の短期的な「上がり過ぎ」も修正に向かう可能性がある。目先は「米金利上昇=米ドル高」修正局面か。
米金利と原油で考える米ドル高の行方
先週の米ドル/円は年初来高値を更新、一時115円突破寸前まで上昇した。米金利上昇傾向が続いたことと、対ユーロなどで米ドル一段高となったことに連れたためか。 米金利は短期的に「上がり過ぎ」のため、さらなる米ドル高への影響は限られそう。 ユーロ安・米ドル高は米金利上昇以上にこの間原油相場の影響が大きかったか。その原油相場、WTIの5年MAかい離率などを見ると中長期的な「上がり過ぎ」懸念強い。原油高限界なら、ユーロ高・米ドル安への戻りが限られる可能性あり。
「CPIシヨック」米金利上昇=米ドル高の行方は?
先週水曜日(11月10日)の米CPI発表を受けた米金利急騰に連れて米ドルも急反発。ただ米金利は既に短期的には異常なほどに「上がり過ぎ」の懸念が強いため、さらなる米金利上昇=米ドル高には自ずと限度ありか。 「CPIショック」を受けてユーロ/米ドルは年初来安値を更新、テクニカルにユーロ安・米ドル高を模索しやすい。このため対ユーロでの米ドル高はどこで一巡するかもしれず、全体的な米ドル高が一段落する目安となるか。
円安「サイクル・トップ」という可能性
11月5日の米雇用統計発表は予想より良い結果だったが、米金利は低下、それに連れて米ドル/円も反落となった。これは米金利の短期的な「上がり過ぎ」の反動が主因か。 米雇用統計発表をきっかけに、米金利の短期的な「上がり過ぎ」の修正が本格化し、米ドル高・円安が「サイクル・トップ」を付けるパターンが今年2回あった。今回もその可能性に注目。
11月の米ドル/円を予想する
米金融緩和の政策転換を織り込む形で、米2年債利回りが急騰。これに連れる形で米ドル/円も10月に一気に115円に迫るまでの一段高となった。 米ドル/円一段高の道先案内役となった米2年債利回り急騰だったが、短期的にはさすがに異常なほどの「上がり過ぎ」が懸念されてきた。過去の似たケースを参考にすると、米2年債利回りは一時的に比較的大きく低下する可能性もある。 それが米ドル/円にどう影響するかが、11月相場の注目点か。
米ドル/円急騰が一服した背景、今後の鍵は?
114円を超えるまでの米ドル/円一段高を正当化したのは、いわゆる「テーパリング」の早期開始で始まる米国の超金融緩和政策の転換を織り込む米2年債利回りの急騰。 米2年債利回りを90日MAからのかい離率などで見ると、短期的には空前の「上がり過ぎ」の可能性が出てきた。 米ドル/円は先週末にかけて反落したが、米2年債利回りの短期的な「上がり過ぎ」の反動に伴う低下次第では、113円割れへさらなる下落リスクが試される可能性もあるだろう。
「止まらない円安」が「止まる」鍵とは?
米ドル/円は先週一気に114円まで急騰、その中でこれまで相関関係が続いてきた日米金利差からのかい離も目立ってきた。 その割に、米ドル「上がり過ぎ」、円「売られ過ぎ」の懸念はまだ強くない。 止まらない米ドル高・円安が一段落する鍵として、1つには米金利、特に米2年債利回りの短期的「上がり過ぎ」の影響が挙げられる。そして中長期的には購買力平価との関係に注目したい。
113円が射程に入ってきた米ドル高・円安
米9月の雇用統計の発表を受けて、早期テーパリング開始の見通しは不変として米金利が上昇、米ドル/円も年初来高値を更新してきた。これにより、113円が射程に入った米ドル高の模索が続く可能性あり。 米ドル高・円安のリスク・シナリオは、テクニカルに見てまだ脆弱性が残っている米国株か。
10月の米ドル/円を予想する
米ドル/円も米金利も先週にかけて一段高となった。これはともに、長く続いた小動きの反動の影響が大きかったのではないか。そうであれば、米ドル/円、米金利とも当面下落余地は限られ、一段高を模索する展開が続きそう。 10月予想コア・レンジは110.5~112.5円、ワイド・レンジは110~113円。 少し気になるのは米国株の動き。これは小動きを下放れ、下落しやすくなっている可能性もありそう。米国株が大きく下落する局面では、米ドル/円も下落しやすいだけに要注意。
新たな米ドル高・円安が始まったのか
先週のFOMC以降、金融政策を反映する米2年債利回りは急上昇、年初来高値を更新してきた。これは、米超金融緩和政策の転換を織り込む動きの可能性。 過去に一度だけ前例のある超金融緩和の政策転換、「リーマン・ショック」後のケースを参考にすると、米2年債利回りは「テーパリング」開始に向けて、基本的に0.25%も下回らず、0.5%程度を目指す可能性あり。 その場合、米ドル/円は基本的に110円を大きく割れず、113円程度を目指す見通し!?
米ドル/円「FOMC相場」を予想する
FOMC後の為替相場はボラティリティが上昇する可能性が高い。米ドル/円は2ヶ月以上も109~110.5円中心の小動きが続いているが、FOMCが脱・小動きのきっかけになる可能性に期待。 新たなトレンドの手掛かりとして、FOMC後の米金利上昇の再燃と米国株安拡大の可能性に要注意か。
レーバーデイ明けから大きく動き出す、2021年は!?
米ドル/円は2ヶ月も109~110.5円中心の小動きが続いてきた。ただ例年、9月初めのレーバーデイ明けから一方向に大きく動き出すことが多かっただけに注目。 新たな方向が米ドル高になるか、米ドル安になるかは、まず米金利のトレンドに注目。またレーバーデイを挟み、NYダウなどが5営業日続落となっている点も要注意か。
雇用統計後の米金利と為替を考える
3日発表の米雇用統計で注目のNFPが「ネガティブ・サプライズ」となったことから、早期テーパリング観測が後退した。ただこの先の米金利低下は限られる可能性が高いのではないか。 米金利低下が限られるなら、基本的には米ドルの下落も限られそう。米ドル/円は過去2ヶ月続くレンジ下限、109円を割れないか、割れても意外に米ドル下落は限定的か。 ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルは52週MAを大きく、長くは上回らない!?
ジャクソンホール後、米金利と米ドルの行方は?
注目のジャクソンホール・パウエル発言の後は米金利低下・米ドル反落。ただ米金融緩和見直しの可能性が高まった中では、米金利低下には自ずと限度があり、基本的には米金利上昇再燃を手掛かりに、米ドル高・円安再開をにらむ展開か。 物価や雇用の客観データからすると、考えられる最短のシナリオである9月FOMCでテーパリング開始が決定される可能性もありそう。