吉田恒の為替ウイークリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒による週間為替展望です。注目通貨ペアの相場動向を解説します。

週の第1営業日に更新
吉田恒の為替ウイークリー
3月の為替を予想する
米ドル/円は先週一段高。米ドル金利急騰に連れた面が大きかっただろう。ただ、米金利は短期的に「上がり過ぎ」懸念が強くなっているため、目先的には米金利上昇=米ドル高にも限界の可能性。 米金利急騰は、先週は株急落要因ともなった。米金利上昇一服で株安も一段落となるか。それとも株安が続くようなら、株安=米ドル安・円高の可能性にも注目か。
「米ドル高」一服の背景と今後のシナリオ
先週の米ドル/円は一時106円を上回ったものの、その後は米金利上昇が続く中、上値重い展開となった。これは、金利上昇が悪材料となり、米国株の上値も重くなったことが一因か。 対豪ドルなどでは米ドル安値更新となり、これも対円での米ドル高にとって足かせとなった可能性。豪ドル高・米ドル安の背景には、コモディティー相場上昇の影響がありそうだが、コモディティー相場も短期的な「上がり過ぎ」懸念が強くなっている。
米ドル高一服を演出した米金利の「謎」をとく
先週、米ドル/円は一時104円半ばまで反落。これは米雇用統計発表後、米金利低下となったことが主因か。米金利は短期的な「上がり過ぎ」懸念が強く、最近の傾向として注目イベントの雇用統計発表後にその修正が入りやすかった。 ただ米景気との関係からすると、金利低下は一時的でトレンドは上昇の可能性。最近のパターンを参考にすると、今週中にも米金利上昇再開に向かう可能性あり。
米ドル高の理由と今後の行方
米ドル/円は先週にかけて一段高となった。半年以上超えられなかった90日MAを上回ったといったテクニカルな事情が大きかったのではないか。 長く続いた小動きを上放れしたことで、目先的に米ドル高の余地を探る動きが続く可能性が高そう。株高から株安へ転換、それが本格化するまでは、米ドル高が続きそうだ。
2月の為替を予想する
米ドル/円は先週、過去半年以上も続いた90日MAを上放れ。テクニカルには、米ドル高・円安トライが続く可能性が高まった。 ただ気になるのは株価の動向。経験的に株安が本格化すると米ドル/円は下落する可能性が高い。3年前の「暗号資産暴落→株安本格化」ケースとの類似も注目。
円、ユーロ、豪ドル「脱・小動き」の鍵は?
先週は、米ドル/円に加え、ユーロ、豪ドルも方向感を欠いた小動き。為替相場が全体的に小動きとなったが、「小動きの理由」はそれぞれ、三者三様か。 脱小動きの手掛かり、米ドル/円は、昨年6月以降続くレンジ相場、足元なら102.3~104.4円のレンジ・ブレーク、ユーロは米金利上昇再燃、豪ドルはコモディティー相場上昇終了が鍵か。
ユーロ/米ドル下落が示す「コロナ後」相場の変化
先週米ドル/円は方向感乏しい展開だったが、ユーロ/米ドルはほぼ一本調子で下落。昨年3月「コロナ・ショック」で発生した金利差とのかい離が是正され、米金利上昇へ素直に米ドル買いで反応しやすくなった可能性。 「コロナ・ショック」で発生した金利差からかい離した高過ぎる米ドルの是正が、「リスクオンの米ドル売り」の本質で、それは終了した可能性。米ドルは「売られ過ぎ」懸念が強くなっているため、買い戻し材料に反応しやすくなる可能性も注目。
「コロナ後」米ドル安に変化の可能性
先週後半、米ドルは注目のNFPが予想より悪かったことなどにもかかわらず反発。これは米金利の大幅上昇に連れた結果とみられる。「コロナ後」の株高・米ドル安に変化の可能性がある。 「コロナ後」株高・米ドル安が続いてきたことを考えると、米ドル高に転換した場合、株高にも株安へ転換の可能性が出てくるか注目。
1月の為替を予想する
1月の米ドル/円は大きく動く傾向があるため、過去半年以上も続いてきた2円レンジ(足元では102.6~104.7円)での緩やかな下落トレンドが変わる可能性も注目される。 米ドル/円が大きく動き出すなら、「コロナ」後の米ドル売り「成功体験」からも、まずは米ドル売りトライの機運が強そう。ただ米ドル「売られ過ぎ」懸念も強まっている点は要注意。
年末年始で米ドル/円の方向が決まる可能性
米ドル/円は年末年始に大きく動く傾向がある。米ドル/円は過去半年以上も2円レンジの上下動が続いてきたが、そのレンジをブレークし、当面の方向が決まる可能性も注目。 「コロナ・ショック」後の米国株高・米ドル安の相関関係がこの先も続くなら、レンジ・ブレークの方向は、株高なら米ドル安・円高、株安なら米ドル高・円安が基本か。
ユーロ、豪ドル「上放れ」と今後の行方
先週にかけて、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルなどがこれまでのレンジを大きく上放れてきた。これが米大統領選挙後に一方向への大きな動きが広がるといった「アノマリー」が一因なら、短期間にユーロ/米ドルは1.25米ドル、豪ドル/米ドルは0.76米ドルを目指す見通し。 これは、選挙前の小動きで溜まったエネルギーが、選挙後の「無敵の株高」というテーマを受けたリスクオンの米ドル売りとして発散された可能性。
「逆張り」米ドル/円、「順張り」に変わるのか!?
株高トレンドが続く中で、米ドル/円は2円レンジで上下動する緩やかな下落トレンドが続き、その中では結果的に「逆張り」トレードがワークしてきた。 ただ、先週から円以外の通貨に対する米ドル相場、ユーロ/米ドルなどは一段高となり、米大統領選挙後相場の特徴、トレンドを伴った大相場に変わりだした可能性あり。この場合は、トレード戦略も、「逆張り」から「順張り」に変わることになる。
12月の為替を予想する
12月の米ドル/円は経験的には、月間値幅が3円以上といった具合に大きく動きやすかった。ただ、大きく動くのはクリスマス休暇前の月半ばまでが基本。 過去半年程度続いてきたレンジ、足元なら103.2~105.4円を、今のところの年内最後のイベント、12月16日FOMCまでに、レンジ・ブレークできるかが、年内最後の大相場があるかの最初のハードル。
緩やかな円高、加速するならその「鍵」とは?
米国株上昇トレンドと連動する形で、米ドル/円は6月以降緩やかな下落トレンドが展開。またこの下落トレンドは、90日MAを上限、それを2%下回った水準を下限としたレンジ内で上下動するといった「法則」があった。 上述のレンジ下限トライは、おもに米国株の継続的な下落局面で見られた。以上から、米国株上昇が続き、緩やかな米ドル/円下落が続くか。米ドル/円下落加速には、米国株安の拡大が必要ではないか。
「コロナ後」の米ドル・米国株の関係が変化
「コロナ後」は米ドル安、米国株高といった具合に、米ドルと米国株は逆方向の動きが続いてきたが、それが通常の同方向の動きに戻ってきた可能性がある。 米大統領選挙後の米ドル/円は、トレンドを伴った高いボラティリティーの相場がこれまで繰り返されてきたが、今回もそうなるかの鍵を握っているのは米国株ではないか。
米ドル/円「101円割れ」のシナリオ
米大統領選挙の勝敗が未決着の段階で、先週米ドル/円はこの間サポートされてきた104円を割り込んできた。「大統領選挙アノマリー」からすると、これは年初来の米ドル安値101円割れを目指す可能性あり。 ただ、先週は株高・米ドル安。これは「コロナ後」半年以上も続いた相場。そんな株高で米ドル/円が一段と下落するかは懐疑的な面も。米ドル/円一段安には株安への転換で円買い拡大が必要!?
大統領選挙決着つかず、その時米ドル/円は?
今回の米大統領選挙は、郵便投票の開票に時間がかかることなどから、勝敗の決着がかなり遅れる可能性がある。 実際に決着まで1ヶ月もかかった2000年の大統領選挙において、米ドル/円は、結果的に決着後の米ドル高を先取りした形で、投票終了直後から米ドル高の動きとなっていた。 選挙の勝敗とは別に、過去の経験を参考にすると、米ドル/円104円割れの有無は、大統領選挙後の米ドル/円のトレンドを示唆している可能性があるだけに、引き続き注目。
先週の米ドル/円「105円割れ」の意味は?
先週の米ドル/円は105円割れ。この一因は、このところ「小動き過ぎた」ことの反動か。 もう一つ注目されるのは米大統領選挙年の米ドル/円が小動きから大相場へ「豹変」してきた「アノマリー」。 単なる小動きの反動に伴う一時的な米ドル/円急落か、それとも「アノマリー」通りの米ドル一段安大相場の始まりか。見極めの一つの目安は104円割れの有無。
異常事態「米大統領決まらず」、その時米ドル/円は?
今回の大統領選挙は、勝敗の確定が11月3日の投票から大きく遅れる、異例の状況になるとの見方が強まっている。では為替相場も動くに動けない状況が続くのか? ただ実際に選挙の決着まで約1ヶ月もかかった2000年のケースでは、勝敗の確定より早く、米ドル/円は90日MA±2%のレンジを抜けると一方向へ大きく動き出した。
波乱含みの「バイデン勝利=株高・米ドル安」!?
先週は対円以外では米ドル安。依然として米ドルと米国株の逆相関の動きが続いており、NYダウが約1ヶ月ぶりの水準まで上昇するなど、株高を受けた米ドル安の可能性。 株高は、9月末からのバイデン民主党優勢と結果的に連動。「トリプル・ブルー」期待の株高との解説が一般的。 ただ過去の実績を見ると、株高は現職に有利に働く。大統領選挙と株価の行方はまだまだ波乱含みの可能性。為替はそんな株価次第。