吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

毎営業日更新
吉田恒の為替デイリー
米ドル高・円安トレンドの考え方
米ドル/円は、52週MAを「長く」「大きく」上回る動きとなっている。これは、経験的には一時的ではなく、上昇トレンドとして展開している可能性が高いと言える 似たようなケースが、2000年以降では4回あった。それを参考にすると、米ドル高・円安が年内で終わる可能性は低い。その上で120円を超える可能性は高そうだ。
米ドル高・円安、当面のクライマックスを予想
長く続いた小動きから一転、最近にかけて米ドル急騰となった。これは、2021年1月から3月にかけて102円から110円まで米ドル急騰となった構図と類似点が少なくない。 そんな2021年春の米ドル急騰は、米金利急騰一巡で一段落となった。これを参考にすると、今回は114円前後が当面の米ドル高のクライマックスになるのではないか。
120円の米ドル高・円安の可能性を考える
米ドル/円は、2021年1月102円から最近にかけて112円まで上昇してきた。米ドル/円のトレンドは経験的に2年以上続き、一方向に2割以上動いてきたことを考えると、さらに2023年にかけて、120円まで米ドル/円上昇が続く可能性がある。 ここまでの米ドル高・円安を裏付けてきたのは米超金融緩和政策転換に伴う米金利上昇。この先も、この政策転換が米ドル高・円安を基本的に正当化できるか注目。
米ドル/円「雇用統計相場」の注目点
米9月雇用統計の結果は、11月FOMCでのテーパリング開始決定で重要な手掛かりと位置付けられている。ただ過去の経験を参考にすると、失業率が過去10年平均の5.9%まで激しく悪化するなど余程のことがない限り、早期テーパリング開始の予定は不変か。 為替への影響は、米金利の動きが焦点。米10年債利回りは、雇用統計の結果などをきっかけに、1.6~1.7%程度へ一段と上昇する可能性はありそうだ。
株安の米ドル高・円安への影響を考える
最近、日米などの株安が目立ってきた。では、そんな株安は、一時112円まで進んだ米ドル高・円安にどのように影響するか。結論的に、以下の2点を指摘したい。 <その1>最近の米ドル/円は米金利との相関性が強いため、株安になっても米金利上昇なら、米ドル高・円安への影響は限られそう。 <その2>NYダウが1割以上といった具合に急落する局面では、経験的にそれに連れた米ドル安・円高の可能性が高まりそう。
投機筋のポジションで考察!対米ドル「売り余力」大の通貨
米超金融緩和政策の転換の可能性が浮上する中、米ドル買いの拡大も続いている。ただ一部のデータを見る限り、米ドル買いリスク拡大にはまだ余地がありそう 対米ドルで「売られ過ぎ」懸念があるのは豪ドル。一方対米ドルでの「売り余力」が大きそうなのはユーロなど。
豪NZ金融政策会合の影響を考える
5日豪州、6日NZの金融政策会合が続く。この中でとくにNZは利上げ予想も少なくない。ではNZ利上げなら、NZドル高となるか? 豪ドル/米ドルもNZドル/米ドルも、予想以上といえるほど米金利の影響が強い。その意味では、NZ利上げでも、最近の米金利上昇が続くかの方が、NZドル/米ドルの行方ではより重要になる可能性あり。
米超緩和転換で急落する相場の特徴
かつて1度だけ前例のある、「リーマン・ショック」後の米超金融緩和の政策転換局面では、金融緩和で大きく上昇した新興国通貨や金相場が大幅下落へ急転換となった。 今回の米超緩和局面で、「リーマン・ショック」後と異なり大きく広がったのはグロース株/バリュー株なので、グロース株急落を通じた株価の反応は要注意か!?
米ドル高・円安と金利差の関係再点検
円は一時112円を超えるなど米ドル高・円安が加速する中で、日米金利差から見るとやや「上がり過ぎ」の懸念も出てきた。 長く続いた米ドル/円小動きの反動といった「熱狂」一巡後の落ち着きどころを考える上で、金利差との関係の検証は必要だろう。
米金利上昇で円安とユーロ安に差が出る理由
米金融緩和の政策転換で、基本的には米金利は上昇に向かう可能性が高く、それ自体は米ドル買い要因。 ただ、米金利上昇に対して株価がどう反応するかによって、米ドル高の進行度合いには差が出てくる可能性あり。
急に米ドル高へ大きく動き出した主因
米ドル/円は今週にかけて大きく動き出した。これは、「長く続いた小動きの反動」といったテクニカルな影響も大きいだろう。 長く続いた小動きで溜まったエネルギーの発散で一方向に大きく動くといったメカニズムが今回も機能しているなら、当面の米ドル反落は限定的で、一段高の模索が続きそう!?
円売り拡大はまだ「道半ば」の可能性
対米ドルで円は年初来安値に近付いてきた。ただ一部のデータを見る限り、円の「売られ過ぎ」懸念は強くない。 代表的な低金利通貨だけに、円売りリスクテーク余力は、まだ「道半ば」に過ぎない可能性すらありそう。
米金利「さらなる上昇」という可能性
先週のFOMCの後から、米金融政策を反映する米2年債利回りは急騰、年初来高値を更新した。 これまでの年初来高値を記録した6月FOMC後と最近では、金利水準は同じながら、90日MAからのかい離率などでは大きな差がある。最近の場合、「上がり過ぎ」拡大で、米金利は一段の上昇に向かう可能性がありそう。
「テーパリング」までの米ドル/円のシナリオ
9月FOMCを受けて、早ければ11月FOMCで「テーパリング」開始が決まる見通しとなった。今回のような超金融緩和見直し局面で、「リーマン・ショック」後のケースでは、テーパリング開始までに米2年債利回りは最高0.5%まで一段の上昇となった。 これに近い形で米2年債利回り上昇、金利差拡大となるなら、テーパリング開始に向けて米ドル/円は113円程度、ユーロ/米ドルは1.12米ドル程度に向かう見通し。
株価「中国ショック」と為替の関係
中国の大手不動産開発会社のデフォルト懸念などを主なきっかけに世界的な株安、「中国ショック」が拡大した。こういった中で、ユーロ/米ドルなども、金利差より株価との連動が強くなった。 NYダウなどで株価の動きを見た場合、テクニカルには「コロナ後」の株高トレンドが正念場を迎えている可能性がありそう。
トルコと英国も注目される「中銀ウィーク」
今週は中央銀行の金融政策会合が相次ぐ「中銀ウィーク」。主役は米国のFOMCだが、トルコや英国の金融政策会合も為替相場への影響という観点で注目される。
「中国リスク」の豪ドルへの影響を考える
ここに来て「中国リスク」への注目が拡大しているが、豪ドルは以前に比べて中国要因との連動性が薄れている。それは豪州と中国の外交関係悪化などの影響とされる。 最近の豪ドル/米ドルは、豪米金利差との相関性が高くなっているが、これは米国の金融緩和政策転換が注目されている影響もあるのではないか。
9月FOMCの「サプライズ」リスク
14日の米8月CPI発表から「米金利低下=米ドル下落」が拡大した。これは、9月レーバーデイ明けから相場は一方向に大きく動くパターン通りではある。 ただ、8月のジャクソンホール講演で、パウエルFRB議長が、「テーパリング開始で物価の条件はクリアした」と述べた中で、今回のCPIへの反応はやや過剰な懸念あり。 予想以下となった今回のCPIの結果で、9月FOMCでのテーパリング決定なしとの決め込みは行き過ぎの可能性あり!?
「米金利低下=米ドル安」シナリオの限界
米ドル/円は109~110.5円中心の小動きがすでに2ヶ月以上も続いていることから、そろそろレンジを抜けた方向に大きく動き出す可能性にも期待したいところ。 ただ「米金利低下=米ドル安」シナリオは、米金利低下余地が限られそうなため、108円割れすら難しいといった具合に、基本的に限度がありそう。
米ドル/円のトレンドが出やすい9月
経験的に、9月から米ドル/円も一方向に動きやすかった。それは、すでに述べてきたようにトレーダーの夏休み明けということとともに、国際会議や金融政策会合など、相場変動の手掛かりになりやすい重要イベントが相次ぐ影響もありそうだ。 過去5年間の米ドル/円、月足チャートを参考にすると、9月末は米ドル高なら112円、米ドル安なら108円!?