FOMC後の米国株と為替

16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前後して、米国株は反落となった。一時は前日終値比で300ドル以上の上昇となっていたNYダウは上げ幅を大きく縮小し、ナスダック指数に至っては前日終値比1%以上の下落となった。

ところで、昨日のレポートで紹介したように、最近のFOMCと米国株の間には、FOMC終了後に一段安に向かう傾向があった。3月以降の4回のFOMC終了後、前回7月のFOMC以外の3回で、NYダウは数日かけて最大1000ドル以上の下落に向かった(図表1参照)。かりに、今回も似たような動きになるなら、米国株はさらなる続落リスクも要注意だろう。

【図表1】過去6ヶ月のNYダウ日足チャート (2020年3月~)
出所:マネックス証券分析チャート

為替相場においては、そんな米国株とユーロ/米ドルなどドルストレートの高い相関関係が最近にかけて続いてきた(図表2参照)。この関係がこの先も続くなら、米国株の下落はユーロ/米ドルなどの下落をもたらす可能性がある。

【図表2】ユーロ/米ドルとNYダウ (2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

とくにユーロは、CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋のポジションなどを見る限り、かなり「買われ過ぎ」懸念が強くなっていた(図表3参照)。行き過ぎたユーロ買いの修正で、ユーロ売りが拡大しやすい状況にありそうだ。米国株安で、ユーロ/米ドル下落となるようなら、ポジション調整のユーロ売りが広がる可能性は改めて注目される。

【図表3】CFTC統計の投機筋のユーロ・ポジション(2017年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

6日、タカ派として知られる独中央銀行総裁が、ECB(欧州中央銀行)の緩和姿勢に理解を示しているといった一部報道が流れた。ECBではインフレ率の低下への懸念が強まっていることから、その対策として緩和強化の可能性が出てくるようなら、これもユーロ売りを支援することとなりそうだ。