吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
「トランプ・ラリー」米ドル高値の更新
3月16日のFOMCは0.25%の利上げを決定するなど、ほぼ事前の予想通りの結果となった。 為替相場の米ドル買いも限定的にとどまったものの、米ドル/円はテクニカルに注目された「トランプ・ラリー」の米ドル高値を更新したことから、120円の大台が次の目標となった。
円と株の関係変化で最も重要なこと
円安が大きく広がる中で、日本株がそれを好感しなくなった。ただ、元々「円安=日本株高」といった一方向の関係は強くなかった。最近にかけての日本株の下落拡大は、グローバルな株安への連動で説明するのが基本だろう。 むしろそんなグローバルな株安と為替の間には、これまでは「安全資産の円買い」という関係があったが、それが目に見えて変化している点が重要ではないか。
「トランプ・ラリー」の118円と何が違うか?
先週から米ドル一段高となり、近年の代表的な米ドル高大相場、2016年の「トランプ・ラリー」のピークとほぼ肩を並べてきた。 「トランプ・ラリー」では、118円でピークを打つ時、米ドルも米金利も短期的な「上がり過ぎ」懸念がかなり強くなっていたが、今回はその点が異なる。米ドル、米金利とも、今回はまだ上昇余地がありそう。
円金利上昇阻止策と円売りの関係
日銀は、2月に円金利上昇を容認しない方針を確認した。ただそんな円金利は米金利と連動、その意味で円金利は日銀の方針以上に米金利の影響が大きい可能性あり。 3月に入り米金利上昇が再燃。米金利上昇の行方次第で、円金利も上昇。それを阻止するための日銀の政策が円売りを後押しする可能性も注目。
「異常値」続出の原油相場などで強まる「上がり過ぎ」懸念
90日MA、5年MAなどとの関係で見ると、原油相場などは短期、中長期的とも記録的な「上がり過ぎ」懸念が強くなっている。 似たような状況だった2008年には、原油相場などで急騰から暴落への大転換が起こった。
ユーロ安・円高へトレンド転換巡る攻防
ウクライナ情勢への懸念が続く中、為替相場で最も目立ったのがユーロ急落。ユーロ/円で見ても、一時的なユーロ安かユーロ安へのトレンド転換か、注目される段階に入ってきた。 似たようなことは、米国株、NYダウなどにも該当しそう。52週MAとの関係を参考にすると、NYダウも一時的下落か、下落トレンドへの転換かの分岐点を迎えている可能性がある。
「ウクライナ相場」ユーロの反発リスクは?
ウクライナ情勢への懸念に伴い為替市場ではユーロが急落した。一方、今後のウクライナ情勢の動向によるユーロ反発リスクも気になるところ。 この間のユーロ急落は、米金利に対する独金利の相対的に大幅な低下と連動。その意味では、ユーロ反発リスクは独金利が米金利以上に上昇するかが鍵になるが、米インフレ懸念の強い状況が続く中で、それは限定的か。
ユーロ「パリティ割れ」大相場はあるか?
ウクライナ危機で、エネルギー相場を中心に金融マーケットが激しく動く中で、為替相場ではユーロ急落が目立っている。 そんなユーロは、対米ドルでは1ユーロ=1米ドルといった等価「パリティ」割れの可能性もありそう。ユーロ/円では長く続いた小動きの下放れが、ほかのクロス円に波及、円高リスク拡大となる可能性に要注意か。
豪ドル反発の理由と今後の見通し
代表的な資源国通貨である豪ドルは、中長期的に見ると、最近にかけての原油相場急騰と異例なほどのかい離拡大となっている。ただ2月以降の短期的な豪ドル反発は、さすがに原油など資源価格急騰に連れた影響が大きそう。 そんな豪ドル反発は、足元で0.74米ドル程度の52週MA近辺に達してきた。経験的には、この豪ドル高が飽くまで一時的な動きか、既に豪ドル高へトレンド転換した動きかを試す分岐点を迎えている可能性がある。
「リーマン・ショック前」原油高との類似
代表的な資源国通貨と代表的な資源価格である原油相場は、基本的に高い相関関係があるが、最近両者のかい離が大きく拡大している。 似たようなことが、2008年のリーマン・ショック前にもあったが、当時原油相場が下落に転じると、ほんの半年程度で最大8割もの暴落が起こった。当時と最近との類似点などを検証する。
大荒れ原油、金利「ウクライナ相場」の考え方
「ウクライナ・ショック」で最も大きな動きとなったのは原油などエネルギー相場。WTIは100米ドルを大きく上回ってきたが、経験的には110米ドル前後で目先的なクライマックスを迎える可能性あり。 もう1つの注目は米金利の大幅な低下。異常なほどの短期的な「上がり過ぎ」反動といった意味では、さらに続くと考えられる。
クロス円の記録的小動きの理由
2021年から対米ドルで円やユーロなどは一方向へ下落するといった具合に比較的トレンドの明確な動きとなった。しかし、対円相場、つまりクロス円では方向感の乏しい、狭い値幅での小動きといった展開が続いた。 これは、米国の金融政策転換の局面における特有の現象の可能性がある。
安全資産の円買いに変化の可能性
「ウクライナ・ショック」を主因とした今回のリスクオフ局面で、これまでのところ円買いは限定的にとどまった。国際秩序が試される地政学リスク回避において、安全保障面で米国依存の高い日本の通貨、円は「安全資産」とみなされなくなっているということか。 ただ1月のインフレ懸念を主因としたリスクオフ局面でもユーロ安・米ドル高は大きく動いた。リスクオフでの米ドル買いが、円買いを上回ってきた可能性にも注目。
ユーロ「ウクライナ・ショック」の行方
ウクライナ問題は、地理的な関係などからユーロへの影響が大きくなる。先週のウクライナ危機拡大を受けて、ユーロは急落となった。 その前に、世界的なインフレ懸念拡大を受けて、欧州の緩和見直し前倒し思惑から「欧州金利上昇=ユーロ高」となったことの反動リスクも要注意か!?
「ルーブル・ショック」、1998年ロシア金融危機の記憶
ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、ロシアの通貨、株式相場が急落。「ルーブル・ショック」が広がった。 歴史的に有名な「ルーブル・ショック」は、金融市場が楽観から悲観へ急転換するきっかけとなった1998年の出来事。それから得られる教訓とは?
日銀の円金利上昇阻止策を検証する
世界的な金利上昇の中で、日銀は2月、円金利の上昇を容認しない方針を発表した。 ただ円金利は、米金利の影響を強く受ける。米金利上昇の本格的な再燃になったところが、日銀の円金利上昇阻止策の正念場となるだろう。
ウクライナともう1つの主役・インフレ
株安、円高といったリスクオフは、ウクライナ情勢への懸念が浮上する前、インフレ懸念をきっかけに広がった。その意味では、かりにウクライナ危機回避となっても、インフレ懸念が残る中での株高、円安といったリスクオンへの戻りは限られそう。 逆にウクライナ危機拡大となった場合、ナスダック指数と異なりNYダウなどは短期的な「下がり過ぎ」拡大の余地があるため、それにリードされたリスクオフ拡大は要注意か!?
米国の「新ビナイン・ネグレクト」政策
約40年ぶりの米インフレ懸念となっている。インフレ対策のポリシー・ミックスは、金融と財政を引き締め、結果としての通貨高の容認。1980年代前半のインフレ下の米ドル高容認は、「ビナイン・ネグレクト(優雅なる黙認)」と呼ばれた。 40年前の米インフレ局面の教訓は、行き過ぎた米ドル高、その後の反動など為替相場の乱高下をもたらしたということがあった。
金相場が再び2000米ドルを突破する条件
年初来高値を更新してきた金相場だが、2000米ドルの大台を超えるまでは短期的な「上がり過ぎ」への警戒も強くはなさそう。 ただ、このところ連動性を強めている米金利は、短期的にも中長期的にも「上がり過ぎ」懸念が拡大。インフレ懸念が続く中で、米金利がさらにどれだけ「上がり過ぎ」拡大に向かうかが、金相場の上昇見通しを考える上でも注目。
トルコリラと金融政策、原油との関係
トルコリラは年明け以降、トルコ利下げ中断で底固い展開が続いている。ただ、基本的に逆相関関係にある原油相場が一段高となる中でもトルコリラ下げ止まりはなぜか? この間のトルコリラ下げ止まりは、記録的な短期的「下がり過ぎ」反動の影響が基本ではないか。