5円の大台前後まで上昇してきたメキシコペソ/円

メキシコペソ/円が、5円の大台前後まで上昇してきた(図表1参照)。これにより、メキシコペソ/円の90日MA(移動平均線)からのかい離率は、プラス5%近くに拡大してきた(図表2参照)。

【図表1】メキシコペソ/円と90日MA(2010年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
【図表2】メキシコペソ/円の90日MAからのかい離率(2010年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

 

経験的には、同かい離率がプラス5%以上に拡大すると、短期的な「上がり過ぎ」の懸念が高まる。「バブル」のような、行き過ぎたリスクオン局面なら、為替においてリスク資産と位置付けられる新興国通貨、メキシコペソも、「上がり過ぎ」が拡大する可能性はなくはないが、そうでなければ、そろそろリスク資産、新興国通貨のメキシコペソの買いは慎重な判断が必要になってくる可能性がある。

ちなみに、同かい離率がプラス5%を大きく上回ったのは、2010年以降は2012~2013年の局面だけだった。それは、世界的にも代表的なリスクオンの一つと記憶されている「アベノミクス」の印象が強く、かつ大幅な円安が進んだ局面だった。

以上のように見ると、足元で「アベノミクス」クラスのリスクオンが展開しているとか、大幅な円安が展開するといったことでなければ、新興国通貨のメキシコペソ/円の買いは慎重な段階に入っている可能性があるだろう。