高値更新の後反落した豪ドル=先週
豪ドルは先週、この間の高値を更新、0.74米ドルまで上昇したが、週末にかけては一時0.72米ドル台前半まで反落した。では、豪ドルの「下値」メドはどのように考えたら良いのか?
3月には、0.6米ドルを下回っていた豪ドルが、最近のように0.7米ドルを大きく上回るところまで上昇してきた動きは、NYダウなど株価の上昇との高い相関関係が確認できる(図表1参照)。この関係を参考にしたら、この先の豪ドルの行方は株価が鍵になる。
【図表1】豪ドル/米ドルとNYダウ (2020年4月~)
その株価、たとえばNYダウは、90日MA(移動平均線)からのかい離率を参考にすると、先週にかけてかなり短期的な「上がり過ぎ」懸念が強まっていた(図表2参照)。同じように、「上がり過ぎ」懸念が強まっていたところから、株価が反落に向かったのは6月にもあった。この局面でのNYダウの最大下落率は1割程度だった。
【図表2】NYダウの90日MAからのかい離率(2000年~)
今回もNYダウが1割の下落に向かうなら、2万6000ドル割れ含みになる計算だ。上述のようなNYダウとの相関関係からすると、それは豪ドル/米ドルが0.7米ドル割れに向かう可能性があるといった示唆になる。
ちなみに、先週、78円半ばから77円割れまで反落した豪ドル/円の下落余地を、上述の豪ドル/米ドルを参考に考えてみると、かりに米ドル/円が先週末終値、106.2円とした場合、豪ドル/米ドルが0.7米ドルを割れるなら、豪ドル/円は75円を大きく下回るといった計算になる。
米国では、レーバーデー明けからが、実質的な夏休み明けとされるだけに、今週は金融市場も本格再開となる見通し。その中で、若者熱狂の株アプリで、今回の株高にも一役買ったとの見方もある「ロビンフッド」に、米SEC(証券取引委員会)が調査に入ったといった報道もあるだけに、株価、そして為替の行方も波乱含みかもしれない。