長期政権終了後の為替・株の動きは?

安倍総理が辞任する見通しになった。では、その金融市場への影響はどのように考えたら良いか。いろいろな切り口はあるだろうが、安倍政権の特徴の一つは、「長期政権」なので、日本における「長期政権」後のマーケットについて調べてみた。

その意味からの結論は、じつは、為替というより、株の「バブル破裂」1~2年前なのではないかということだ。

安倍政権の終了、その特徴の一つは最長内閣の終了ということ。これに匹敵するのは、近年では小泉政権と、そして中曽根政権だろう。では、この長期政権終了後の後継政権(竹下、第一次安倍政権)に共通したのは何か。それは「短命」ということだった。2つのケースとも、後継政権は1年前後で終わっていた。

ただ、それ以上に印象的だったのは、この2つの長期政権終了から1~2年後に、株バブル崩壊が起こったということ(図表1、2参照)。前者は、日本のバブル崩壊、そして後者はリーマン・ショックに象徴された信用バブル崩壊だ。

【図表1】米ドル/円の推移(1985年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

 

【図表2】日経平均の推移(1985年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

近年の日本の歴史において、長期政権はある意味で珍しい現象だ。それは、世界経済の「バブル」に至るほどの好調さに後押しされた面もあるのかもしれない。そんなふうに考えると、日本の長期政権終了から、間もなく世界的なバブル崩壊となるリスクは、今回も一応要注意かもしれない。