米ドル/円もドルストレートも下落=6月の株安局面

米国株の下落が広がってきた。NYダウは、この間の高値からの下落率が5%程度に拡大してきた。NYダウは、90日MA(移動平均線)からのかい離率が先週にかけてプラス11%以上に拡大、経験的に短期的な「上がり過ぎ」懸念が強くなっていただけに、その修正が入っているということが基本だろう(図表1参照)。

【図表1】NYダウの90日MAからのかい離率(2000年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

ところで、同じような「上がり過ぎ」修正に伴う株安が6月にあった。この局面でNYダウは最大10%程度の下落となった。これを参考にすると、今回もさらに下落率が10%程度に拡大する可能性があるのではないか。NYダウは先週2万9000ドルまで上昇したが、そこから10%下落するなら、2万6000ドル割れ含みになる計算だ。

では株安がまだ続いた場合、為替はどう動くか。上述の6月の株安局面では、米ドル/円は下落、ユーロ/米ドルなどドルストレートも下落した。つまり米ドルは対円では下落、円以外の通貨に対しては米ドル高となったわけだ。

この6月も含めて、ここ数ヶ月ユーロ/米ドルなどは米国株と一定の相関関係が続いてきた(図表2参照)。この相関関係を参考にすると、NYダウが2万6000ドル割れ含みに下落するなら、ユーロ/米ドルも1.15米ドル程度まで下落する可能性があるといった見通しになる。

【図表2】ユーロ/米ドルとNYダウ (2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成