吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
原油高でも豪ドル高が限られる理由
ウクライナ情勢の緊迫化なども後押しする形で、原油相場の上昇が一段と広がり、WTIは100米ドルの大台も視界に入ってきた。ところがそんな原油高に豪ドルなど資源国通貨が追随せず、両者のかい離が異例なほどの拡大となっている。 資源国通貨にとって、資源価格上昇はプラス要因だが、一方でインフレや地政学リスクに伴う株安といったマイナスの影響も大きくなっている可能性あり。
ウクライナ「地政学リスク」の影響を考える
「地政学リスク」懸念への反応は、リスク資産売り、安全資産買いが基本。90日MAからのかい離率などを参考にすると、株売り再燃、金利低下拡大は要注意か。 リスクオフは円買い、米ドル買いとの指摘もあるが、足元の円と米ドルのポジションは対照的な可能性あり。円の買い戻し余力の大きさに注目か。
円金利上昇は止められるのか?
世界的な金利上昇の中で、日銀は金利上昇抑制の方針を確認した。日銀は本当に金利上昇を止められるのか? 日本の金利上昇阻止で緊張感が広がったのは1999年1月。当時、日銀は史上初のゼロ金利政策を決定したが、金利上昇終了の「影の主役」は「上がり過ぎ」だったのではないか。
メキシコ金融政策とペソへの影響
2月10日のメキシコ中銀の金融政策会合では、6回連続の利上げ決定が有力視されている。 そんな利上げの「内容」次第で、メキシコペソ/円は短期的な「上がり過ぎ」拡大に向かう可能性はあるものの、中長期的に「上がり過ぎ」警戒域にあることへの意識も必要だろう。
「最初の利上げ=株買い」、今回は違う!?
米国では3月に、今回の局面での「最初の利上げ」が行われる見通し。経験的に、景気回復を受けた最初の利上げは、株買いが「定石」だった。 ただ今回はインフレ対策を意識し、景気回復が不十分な中での利上げ開始となる可能性があるため、定石通りの「最初の利上げ=株買い」となるかは微妙。
「米利上げショック」の記憶
前回の米利上げ局面の開始は2015年12月だったが、慎重に行われたものの直後は株価が急落したため、2度目の利上げは1年後と大幅に遅れるところとなった。 今回はインフレ対策の影響で、前回より余裕のない中で利上げを開始せざるをえなくなっているとみられるため、株価などへの悪影響はさらに懸念されることになりそうだ。
「パウエル豹変」と「ラガルド豹変」の類似
2月3日ECB会合後のラガルド総裁発言から、「独金利上昇=ユーロ高」は一段と拡大した。これは、2021年11月末「パウエル発言」後と似たイメージと受け止められた可能性あり。 実際的に、ユーロ高がさらに広がるかは、独金利上昇が目先的にどこまで続くかが鍵になりそう。
米雇用統計後の米金利、米ドルへの影響
「先行指標」の1つ、ADP統計の「ネガティブ・サプライズ」などにより、1月NFP悪化への懸念が浮上した。 もしもNFP「ネガティブ・サプライズ」となっても影響は限定的との見方もある。ただ、米金利の短期的な「上がり過ぎ」懸念の状況などからすると、ある程度、「米金利低下=米ドル下落」といった影響は要注意ではないか。
ECB「タカ派」でもユーロ高には限界!?
2月3日のECB会合での「タカ派」姿勢が注目され、この間「欧州金利上昇=ユーロ高」の一因になったとされる。 ただ独など欧州の金利は、これまでは「世界一の経済大国」である米国の金利で決まってきた。ECBの影響への過度な期待には注意が必要かもしれない。
3月米利上げ0.25%なら米ドル安?
米国の最初の利上げは3月に行われる可能性が高まっている。利上げ幅は一時注目された一気に0.5%の大幅になるとの見方が、今週に入り揺らぎ始めた。 米2年債利回りなどは、「3月0.5%利上げ」を織り込んできた可能性があるため、その可能性の後退は、一時的な「米2年債利回り低下=米ドル下落」をもたらす可能性にも要注意か!?
米ドル一段高の「条件」とは?
2021年1月102円から展開してきた米ドル高・円安トレンドにおいて、主に2回あった米ドル高加速は、基本的に米金利上昇がリード役となった。 その米金利、足元では短期的な「上がり過ぎ」懸念が強い状況が続いている。そんな米金利の観点からすると、まだ3度目の米ドル高加速までには至らない!?
米ドル買い影響力の変化を考える
先週にかけて米ドル買い越しは大きく縮小し、米ドル買い余力が回復している可能性あり。 ただ、インフレ率上昇に伴う実質金利低下などにより、名目金利上昇など米ドル買い材料の影響力も低下している可能性がある。
「米ドル高・円安第二幕」は時期尚早か
FOMCを境に米ドル高・円安が再燃した。 ただ米国株、米金利の動向を見る限り、年初来の米ドル高値を大きく更新する「米ドル高・円安第二幕」に向かう条件が揃う状況にまだ至ってはいないのではないか。
FOMC通過後の米ドル/円の行方は?
注目されたFOMCを受けて、米金利は上昇、米国株の中でナスダック総合指数は僅かに前日比プラスとなった。FOMCは予想より「タカ派」との受け止め方だったものの、ナスダック指数は既に短期的な「下がり過ぎ」懸念が強く、下げ渋った可能性がある。 年明け以降の米ドル/円は米金利より米国株の影響を受けやすくなっているため、今後の行方も米国株の動向が鍵になりそう。
米国株から為替への影響を考える
最近にかけての米ドル/円は、ボラティリティーの高い米国株の影響を、金利以上に受ける傾向が強くなっている。その意味で、FOMCといった重要イベントを受けた米ドル/円の行方は、米国株の反応に注目か。 その米国株、テクニカルには重要な分岐点を迎えている可能性。
株バブル破裂と為替の関係
米金利上昇からかい離、米ドル下落が目立ってきたが、米国株下落拡大の影響が大きそう。 ただ株価の暴落、「バブル破裂」局面では、経験的には通貨安はすぐに一巡、中期的には通貨高に向かうパターンが基本だった。かりに、「バブル破裂」で米国株下落が一段の拡大に向かうとしても、それが米ドル一段安をもたらすかは別だろう。
ナスダック指数で考える米ドル/円
年明け以降、金利差からかい離した米ドル/円下落は、米国株、とくに年明けからの株安リード役となっているナスダック指数である程度の説明は可能。 そんなナスダック指数は短期的には「下がり過ぎ」懸念が拡大中、一方で中長期的には「上がり過ぎ」是正中。そういった中で最も印象的なのは、NYダウなどとの相対株価が、ITバブル以来の割高といった意味で、「バブル」懸念ありということ。
「金利上昇=米ドル高」は終わったのか?
年明け以降、米金利上昇から米ドルのかい離が目立ってきた。米金利上昇を手掛かりとした米ドル高は終わったのか? 米ドルの「金利離れ」は、最近の米利上げ見通し加速が余りに急激で、株価が不安定になっていることが主因で、それが一段落すれば米金利上昇を手掛かりとした米ドル高は再開するのではないか。
トルコリラ、当面の底打ち条件とは?
トルコの20日金融政策会合では、久しぶりに利下げは見送られる見通し。では、2021年9月の利下げ開始から、ほとんど「底割れ」となっていたリラも、ついに当面の底打ちを確認することになるか!? 経験的に、リラの当面の底打ちは、短期的な「下がり過ぎ」拡大に対し、通貨防衛的に利上げを行ったことがきっかけだったが、利上げがないまま「二番底」を確認できるかに注目。
米ドル/円「2%レンジ」ブレークに注目
年明け後の米ドル/円は、米ドル高値更新後に急反落といった具合に、方向感が定まらない展開が続いている。 テクニカルからすると、米ドル/円は2021年10月以降、上方シフトする2%レンジ中心での上下動が続いてきた。このレンジは足元で114.5~117円弱なので、これを本格的にブレークした方向に大きく動く可能性に注目。