豪ドルとCRB指数

豪ドル/米ドルとCRB指数のかい離が目立ってきた(図表1参照)。代表的な資源国通貨である豪ドルは、資源価格など国際商品市況の総合的なインデックスであるCRB指数との相関関係が高いが、最近はCRB指数の反落が続く中で、豪ドルは下げ渋る動きとなっているためだ。

【図表1】豪ドル/米ドルとCRB指数(2020年5月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

CRB指数の反落が続いているのは、基本的には「上がり過ぎ」の反動だろう。CRB指数の90日MA(移動平均線)からのかい離率は、一時プラス10%以上に拡大したが、これは経験的には短期的な「上がり過ぎ」懸念が強いことを示していた(図表2参照)。最近にかけてのCRB指数の反落により、同かい離率はプラス4%程度まで縮小。「上がり過ぎ」修正が進んだことを示している。

【図表2】CRB指数の90日MAからのかい離率(2010年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

このようなCRB指数の「上がり過ぎ」修正は、原油相場など資源価格の反落の影響が大きいだろう。WTIは、一時40米ドルを大きく上回っていたが、最近は37米ドル前後まで急反落となった。

豪ドルも、0.74米ドルから一時0.72米ドル割れまで反落したものの、その後は下げ渋りが続いている。こういった中で、冒頭に述べたように、豪ドルとCRB指数のかい離が目立ってきたわけだ。原油相場など資源価格の下落傾向を受けたCRB指数の反落が続くようなら、それとのかい離を修正する形で豪ドルの反落リスクが高まる可能性は要注意だろう。