吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
米政権交代パターンの示唆は円高
1980年以降の米大統領選挙での政権交代は、共和党→民主党が2回、民主党→共和党が3回だった。基本的に、前者ではその後米ドル安・円高、後者では米ドル高・円安となった。 今回、民主党バイデン政権への交代が現実味を帯びる中で、米ドル/円は一時103円割れ近くまで下落。それは過去の経験則通りの方向性とは言えそうだ。
豪ドルで考える「脱・小動き」の目安
方向感のない小動きが、この数ヶ月米ドル/円だけでなく、豪ドルなどにも波及している。具体的には、90日MA±2%中心の小動きが続いている。 豪ドル/米ドル、豪ドル/円の90日MA±2%レンジは、足元で0.705~0.735ドル、74.3~77.3円程度。このレンジ・ブレークが、米ドル/円含めた為替相場全体の「脱・小動き」につながる可能性に注目。
米ドル/円の「逆張り」、そして「順張り」
米ドル/円は過去半年、90日MAを上限、一方90日MAを2%下回った水準を下限としたレンジ中心の一進一退が続いた。足元のそのレンジは103.5~105.5円。 レンジ相場が続く中では、「逆張り」がトレードの成果を上げた可能性がある。ただレンジを大きくブレーク、当面のトレンドが明確になったら、トレンド・フォロー、「順張り」への変更が必要になる可能性がある。
「Brexitリスク」と米大統領選挙の関係
英ポンドは最近にかけ「合意なき離脱」懸念が後退、急反発となった。週明けにEUと貿易協定を巡り合意するとの観測も浮上している。 「合意なき離脱」懸念の後退は、米大統領選挙後に顕著。英ジョンソン首相の対EU強硬姿勢は、結果としてトランプ米大統領の影響が大きかったと理解されていた可能性。
「株高・円高」だが「株安・円高」もあり!?
今週は世界的に株高が続く中で米ドル/円は下落、株高・米ドル安(円高)が目立った。ただこの数ヶ月、株安局面でもそれが継続的に展開する局面では米ドル/円は下落(円高)した。 以上から、米ドル/円は株高(リスクオン)、そして株安(リスクオフ)が一定期間継続する局面でも下落(円高)する可能性がありそうだ。
選挙後大相場へ「豹変」のタイムリミット
米大統領選挙年の米ドル/円は、選挙前後から大相場へ向かう「アノマリー」があった。ただ小動きが11月半ば頃まで続いたケースもあった。 最も遅かったケースでも、11月20日過ぎには一方向へ大きく動き出した。過去の経験を参考にすると、今回も「アノマリー」が機能するか、今週がタイムリミットの可能性も。
トルコリラは底を打ったのか?
トルコリラは安値更新が続き、一時12円割れ寸前まで下落したが、先週から大きく反発した。19日予定の金融政策会合でのリラ防衛利上げへの警戒が影響したようだ。 過去の経験で説明できないリラ安が続いているものの、かろうじて経験則で説明できるのは「大暴落後の下落は限られる」ということ。これが機能するなら、トルコリラは当面の底を打った可能性がある。
新興国通貨の「上がり過ぎ」リスク
株高、リスクオンが続く中で、新興国通貨も一段高となったが、短期的な「上がり過ぎ」懸念も強くなってきた。 主要通貨に比べてボラティリティーの高い新興国通貨は、「上がり過ぎ」の反動で下落に転じると暴落するリスクが高まりかねないだけに、取引に注意が必要だろう。
米民主党への政権交代と円高、日本の短命政権
1980年以降で、共和党から民主党への政権交代となったのは、1993年のクリントン政権、2009年のオバマ政権の2回だったが、共通したことに、強烈な円高と日本の短期政権化があった。 この2回のうち、今回バイデン新政権誕生となるなら、オバマ政権を取り巻く状況がより参考になるのではないか。
「リスクオンの米ドル売り」変化の可能性
「コロナ・ショック」のリスクオフで「安全資産」の代表格として買われた米ドルは、その後の株高、リスクオンでは基本的に売られてきた。 ただ今週の株高、リスクオン局面では米ドル/円が105円台に急反発するなど、米ドルは買われた。米ドル売りが長く続き、「売られ過ぎ」となったことで、株高、リスクオンでも米ドル売りが限られ、むしろ米ドルが買われやすくなっている。
仕切り直しの「米大統領選挙アノマリー」
米大統領選挙年の米ドル/円は、選挙後に90日MA±2%のレンジを抜けた方向に大相場が展開する「アノマリー」が続いてきた。 先週の103円台への急落で一旦90日MA±2%レンジを下抜けたものの、週明けの105円台への急反発で再びレンジ内に戻され、「アノマリー」は仕切り直しの形となった。
米失業率と「バーナンキ・ショック」前夜
米10月失業率は大幅な低下となった。失業率の10年平均との関係で見ると、この急改善は、「リーマン・ショック」後の金融緩和の重大転換点となった「バーナンキ・ショック」前夜に類似している。 以上からすると、米金利もさらなる低下より、上昇リスクが高い可能性に注目。
米ドル/円一段安は米国株が鍵の可能性
4月以降、「コロナ後」の米ドル/円は、日米金利差と高い相関関係が続いてきたが、それが9月頃から大きく変わり始めた。 金利で説明できなくなった9月以降の米ドル/円は株と、それまでの逆相関から順相関となった。この関係がこの先も続くなら、米ドル/円の行方は株が上がるか下がるか次第。
米ドル/円「米大統領選挙相場」の決め手とは?
米大統領選挙は、事前に懸念されたような、すぐに決着のつかない見通しが強まっている。 ただ選挙の決着のいかんに関わらず、米ドル/円の場合は過去のパターンを参考にすると、90日MA±2%に相当する水準、下値なら103.8円、上値なら108円をブレークした方向に、大きく動き出す可能性は注目されそうだ。
大統領選挙後乱高下となった2016年の記憶
前回、2016年の米大統領選挙では、勝敗が大逆転劇となったこともあり、開票が進む中で、マーケットは大乱高下となった。 前回の「選挙後」乱高下の記憶も残る中だけに、当面相場の動きは注目度の高い状況が続きそう。
続・米国株で決まる米ドル・ストレート
先週、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルは大きく下落。両者はこの数ヶ月米国株と順相関関係が続いた。その意味では先週にかけて米国株が大きく下落した影響が大きかったようだ。 90日MAとの関係で見ると、NYダウ、ナスダック指数とも「上がり過ぎ」は是正された。株安一段落か、それとも「下がり過ぎ」拡大で株安が続くのか。それがユーロ/米ドルなど米ドル・ストレートの行方も決めることになりそうだ。
重大岐路を迎えた可能性の豪ドル/円
豪ドル/円は足元で73円程度の52週MA近くまで下落してきた。経験的に、一時的な下落なら52週MA前後までがせいぜい、ただ52週MAを大きく割り込むようなら、すでに上昇トレンドが終わり、下落トレンドへ転換した可能性が高まる。
米国株で決まる米ドル・ストレート
「コロナ後」の米国株は、ユーロ/米ドルなど米ドル・ストレート取引と高い相関関係が続いてきた。 この関係がこの先も続くなら、NYダウ2万5千ドル割れは、ユーロ/米ドルの1.12ドル割れ、豪ドル/米ドルの0.67ドル程度を目指すといった見通しになる。
為替の鍵を握る米国株と米金利の関係
6月以降の米国株のサイクル・トップは、NYダウ益回り/米10年債利回りの5倍割れの翌週となった。これを参考にすると、今週にかけての米国株反落は、追加景気対策への期待後退はきっかけに過ぎず、先週にかけて米10年債利回りが0.8%以上に上昇、債券利回りに対する株式益回りの優位性後退の影響が大きかったのではないか。
「米大統領選挙相場」のFX投資戦略
これまでの米大統領選挙相場は、選挙前後から一方向への大相場になることが多かった。そのような相場の場合は、相場観に固執せず、事後的でも流れに乗る、「トレンド・フォロー」戦略が有効だっただろう。 今回の大統領選挙では、開票後もしばらく勝敗が決まらない可能性もありそうだ。その場合株・為替がどう動くか。株価などマーケットの動きが、選挙の決着を催促する可能性もあるだろう。