米ドル/円「脱・小動き」のパターン
米ドル/円は、過去半年以上続いてきた90日MA(移動平均線)を上限、それを2%下回る水準を下限としたレンジでの上下動から上放れてきた(図表参照)。
【図表】米ドル/円の90日MAからのかい離率 (2012年1月~)
ところで、こんなふうに、長く続いた90日MAを基準とした2%程度といった狭いレンジでの推移が、今回のように一方向へブレークしたケースを調べたところ、ブレークした方向へ5~10%程度動くところとなっていた。
これは、レンジ相場が長く続いたことで溜まったエネルギーの発散で、当面一方向へ動きやすかったということではないか。
さて、足元の米ドル/円の90日MAは104.5円程度。それを5%上回る水準は110円という計算になる。その意味では、長く続いた小動きで溜まったエネルギーの発散によって、110円を上回る米ドル高・円安を目指す動きが始まっている可能性があるのかもしれない。金利や株の動きが、そんな米ドル高・円安を正当化できるかが注目されるだろう。