吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
【為替】米ドル/円の鍵を握る「謎の米金利低下」
2月1日のFOMC終了後、米金利は比較的大きく低下した。FOMCの結果やFRB議長の記者会見では説明しにくいといった意味で「謎の米金利低下」と言えるかもしれない。 この間の米ドル/円は日米長期金利差との相関関係が続いているだけに、米ドル/円の行方を考える上では、この「謎の米金利低下」の動向が鍵になりそうだ。
【為替】利上げ見通し「差」が広がるFRBとECB
インフレ状況の違いを主な背景に、FRBとECBの利上げ見通しの「差」が広がっている。FRBは3月までに計0.5%の利上げ、一方ECBは6月までに計1.5%の利上げ見通し。 金利差から見ると、ユーロ/米ドルは1.1米ドルを大きく上回る可能性があるが、注意点は短期的なユーロの「上がり過ぎ」懸念だ。
【為替】FOMCと米金利・為替の関係を再点検
2月1日(米国時間)にFOMCの結果が判明するが、その前に米金融政策と米金利、そして米ドル/円など為替相場の関係を再点検してみる。 最近にかけて、米金利は早期利下げを織り込むほどに低下していた。FOMCの結果を受けて、米金利がどう動くかが基本的に米ドル/円の行方を決めることになりそう。
【為替】「止まらない円高」はどう止まったのか
年明け以降、米ドル/円が一時127円台まで急落する中で、90日MA(移動平均線)かい離率はマイナス9%以上に拡大した。経験的には、同かい離率がマイナス10%前後まで拡大したところは、短期的な米ドル「下がり過ぎ」が一巡するところだった。 米ドル「下がり過ぎ」がどのように一巡したかについて、2000年以降の4回のケースについて具体的に考察してみる。
【為替】FOMC前後で新たな方向決まる可能性
2022年11月以降のプライス・パターンからすると、2月1日FOMCを前後して、米ドル/円の新たな方向性が決まる可能性がある。 これまでは米ドル一段安が繰り返されてきたが、米ドルの短期的な「下がり過ぎ」懸念が強まるといった具合に変化も見られることから、新たな方向性が米ドル安とは限らない可能性がある。
【為替】対照的な豪ドル/米ドルと、豪ドル/円
52週MAとの関係などから、豪ドルは対米ドルでは上昇トレンドへ、対円では逆に下落トレンドへ転換した可能性が高まっている。 ただ金利差で見ると、対米ドルの豪ドルは「上がり過ぎ」、対円では逆に「下がり過ぎ」といった具合に、足元ではトレンドとは逆の動きになっているようだ。
【為替】議事録から浮かぶ日銀サプライズ「別の視点」
2022年12月の日銀金融政策決定会合において、YCC(イールドカーブ・コントロール)の中で10年債利回りの許容上限を0.25%としていたものを、0.5%に拡大することが決定された。 これは安倍元総理死去に伴い、アベノミクスの中核に位置付けられていた黒田日銀総裁主導の金融緩和政策の転換が始まった結果との受け止め方が一般的のようだが、果たしてそうだろうか。
【為替】「円金利上昇=円高」説への疑問
日銀が、1月18日の会合で10年債利回りの上限再拡大を見送って以降、10年債利回りは低下傾向が続いた。 ただ、これまで日銀の金融緩和を主導してきた黒田総裁の交代を受けて、円金利が一段と上昇し、円高をもたらすとの見方は根強いようだ。果たしてそうなるのだろうか。
【為替】ユーロ高・米ドル安はどこまで進むのか
次回の利上げ幅が、FRBの0.25%に対し、ECBは0.5%と上回る見通しなどを理由にユーロ高・米ドル安が続いている。 その一方で、90日MAかい離率などは、短期的なユーロ高・米ドル安の「行き過ぎ」懸念が徐々に高まってきた可能性を示している。
【為替】メキシコペソ買いトレードの再点検
メキシコペソ/円は、2022年の最大上昇率が米ドル/円も上回った。大幅な金利差と合わせるとメキシコペソ/円の買いは最も利益を上げたトレードの1つだった。 そんなメキシコペソ/円も2022年末にかけて一時急落したので、短期と中長期の評価について再点検してみる。
【為替】米金利低下の米ドル安への影響を考える
この2ヶ月余りの米ドル急落は、日米10年債利回り差米ドル優位縮小である程度説明が可能だったが、金利低下幅を比べると、主役は米10年債利回りの低下だった。 その米10年債利回りは、すでに米2年債利回りを大きく下回り、いわゆる「逆イールド」が約40年ぶりの水準まで拡大した。米利上げが続く中で、米短期金利低下が限られるなら、米長期金利、10年債利回りの低下も限られそうだ。
【為替】日銀緩和維持後の米ドル/円を考える
日銀が、注目された1月18日の会合で金融緩和のさらなる修正を見送ると、円金利は大きく低下。それに連れた形で米ドル/円も一時131円台まで大きく米ドル高・円安となった。これにより、米ドルは今週初めに示現した127円台で当面の底を打ったかと言えばまだ微妙だろう。 当面の米ドル安・円高の終わりを見極めるために必要なのは、過去の経験を参考にすると、さらなる金融緩和見直しでも円安が限られるとの見方になるのかどうかではないか。
【為替】米ドル/円と金利差の関係、何が変わったか
2022年11月以降の米ドル/円の急落は、それまで連動してきた日米2年債利回り差から大きくかい離したものだった。一方で、日米10年債利回り差とは一定の相関関係が続いた。 米ドル/円は、ボラティリティの大きな対象に過敏に反応する傾向があるため、米景気減速、日銀の政策転換などを受けた日米10年債利回り差を手掛かりに変動する可能性がありそう。
米ドル/円の当面の「天底パターン」
米ドル/円の90日MAかい離率がマイナス10%前後まで拡大してきた。同かい離率は±10%前後で拡大一巡となるのが基本だったので、その観点からは米ドル安が当面のクライマックスを迎えている可能性もありそうだ。 経験的には、かい離率が±10%前後で拡大一巡となった後は、米ドル高安値更新まで半年以上と長い時間がかかることが多かった。その意味では、2023年の米ドル安・円高が120円割れへ一段と拡大するか否かも、当面の値動きが手掛かりになりそうだ。
130円割れで「悪い円安」は終わりなのか
一時150円を越えて米ドル/円の5年MAを3割以上、上回った米ドル高・円安は、物価高との同時進行もあり「悪い円安」との評価が高まった。 最近にかけて米ドル/円は130円割れまで急落。これを受けて5年MAかい離率も1割程度に縮小した。これはなお米ドル「上がり過ぎ」の是正途上との意味。 一方、米ドル/円の90日MAかい離率はマイナス10%近くに拡大。短期的には、すでに米ドル「下がり過ぎ」懸念が強くなってきた。
米ドル安の主導役、ユーロ買いの再点検
最近にかけての米ドル安は、日米金利差からはかい離しているが、一方で独米金利差からはある程度正当化される結果。その意味では、米ドル安がどこまで続くかは、ユーロ買いの動きに注目したい。 そんなユーロは短期的な「上がり過ぎ」「買われ過ぎ」懸念も出てきた。
当面の方向を決める可能性のあるCPI相場
この半年ほど、米CPI発表後に為替相場は一方向へ大きく動くパターンが繰り返されてきた。特にCPIの前年同月比上昇率が予想を下回ったケースは過去半年で3回あったが、全て3円以上の米ドル急落となった。 今回もCPI発表後の動きが、当面の方向性を決める可能性に注目。
黒田緩和転換だけで120円は割れないか?
黒田総裁が主導した日銀の金融緩和。その転換で「円金利上昇=円高」はどこまで進むのか。 日本の長期金利は、これまで日銀の金融政策とは別に、「世界一の経済大国」である米国の長期金利の影響も大きかった。黒田緩和転換に伴う「円金利上昇=円高」について考えてみた。
失業率が示す米金利「下がり過ぎ」リスク
1月6日、米2年債利回りは、今回の米利上げ局面では初めて政策金利のFFレートを下回ってきた。これが続くようなら、「早期利下げ」を織り込んだ動きと言えるだろう。 ただ、米失業率とFFレートの関係からすると、それとは「真逆」と言えそうな状況となっている。
為替の新年相場が「ダマシ」だった理由
2023年の為替相場は早々に130円割れとなるなど米ドル安・円高で始まった。では、これは2023年の米ドル安・円高のまだ始まりに過ぎないのだろうか。 為替相場においては、年明け早々の動きが、結果的にはその年のトレンドとは逆だった、言わば「ダマシ」だったケースもあった。