吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
続・ユーロ安・米ドル高は終わったのか
2022年は約20年ぶりの「パリティ」割れが実現。その意味では歴史的ユーロ安が展開した年でもあった。 このユーロ安・米ドル高には、米国とユーロ圏の「金融政策の差」が大きく影響したと見られたが、この点で8月以降変化の兆しがある。
米ドル安・円高の基本シナリオとは?
過去5回の米ドル安・円高トレンドを参考に、今後のシナリオについて考えてみた 2022年10月の151円から米ドル安・円高トレンドが始まっていると仮定する。これが2年以上続き、その中で米ドルが2割以上下落するなら、今回の米ドル安・円高は2024年以降にかけて続き、その中で120円以下までの米ドル安・円高に戻るといった計算になる
豪ドル安トレンド転換の目安とは?
経験的には、豪ドル安から豪ドル高へのトレンド転換の目安は、足元で0.7米ドルの52週MAを本格的にブレークするということ。 ただ、金利差や資源価格の下落などが、今なお豪ドルにとってネガティブな要因となっている。
ユーロ安・米ドル高は終わったのか
11月に入り、ユーロ/米ドルが一時1.05米ドル近くまで反発したことで、今回のユーロ安・米ドル高トレンドが展開する中では初めて、足元1米ドルの120日MAを大きく上回った。 このようなプライス・パターンは、ユーロ安・米ドル高からユーロ高・米ドル安へのトレンド転換を試す動きが始まっていることを示すものだ。
米利上げ見通しと米ドル/円の関係
これまでのFOMC関係者の情報発信を参考にすると、FFレートは2023年3~6月に5%以上でピークアウトし、2023年末にかけてそのまま据え置かれるか、利下げに転じた場合も4%程度にとどまる見通し。 これをこの間の米ドル/円との関係に当てはめると、米ドル高・円安は150円前後まで戻る可能性があり、米ドル安・円高に転換しても135円を大きく割り込まない程度にとどまるとの見通しになる。
「円安170円説」は間違いだったのか
最近にかけて米ドル/円が急反落となる前までは、米ドル高・円安は簡単には終わらず、まだ続くとの見方も少なくなかった。その理由の1つが「構造的円安論」だった。 経済構造の変化が為替相場にもたらす影響は、数十年のスパンで起こるものであり、数年スパンの為替相場の変化について、そのような構造論で説明しようとする考え方が出てきた時には、皮肉なことに循環的な相場反転のシグナルになってきた。
インフレ鎮静化後の米金利・米ドルの「シナリオ」
一時150円を超える動きとなった今回の米ドル高・円安は、約40年ぶりに本格的なインフレとなった米国がインフレ対策として大幅利上げを行う中で、それに連れる形で展開したというのが基本的な構図だった。 40年前のインフレ局面においても、インフレ対策で大幅な利上げが行われる中で、大幅な米ドル高・円安が起こった。では、インフレが鎮静化に向かうと、米金融政策と米ドル相場はどのように展開したのか。40年前の米インフレ=米ドル高の「その後」について調べてみた。
米ドルの重石、「インフレ・トレード」のつまずき
この数ヶ月、CPI、PPIといった代表的な米インフレ指標に対する為替相場のボラティリティは急騰していた。それだけ米インフレ動向に注目した「インフレ・トレード」が急拡大していた可能性があった。 そんな「インフレ・トレード」が11月10日の「CPIショック」で大きくつまずいた結果、米ドルの上値を重くする「重石」になっている懸念がある。
米ドル「CPIショック」3つのテクニカル要因
米ドルは、11月10日の米10月CPI(消費者物価指数)発表をきっかけに、146円台からたった2営業日で138円台までの暴落となった。これには、少なくとも3つのテクニカルな要因が重なった影響が大きく、米ドル下落が増幅された可能性もあるのではないか。
米ドル急落と米4%成長予想とのギャップ
11月10日の米CPI発表をきっかけに米ドル/円は140円割れの急落となった。これまでの米2年債利回りとの関係からすると、早期の米利下げを織り込んだほどの米ドル急落。 一方、定評のあるGDP予測モデルは、最新時点で米第4四半期成長率予想がプラス4%。これを参考にすると、早期利下げより、年明け以降も利上げの可能性が高そう。
日銀緩和不変でも起こった円急騰
米10月CPI発表をきっかけに、米ドル/円は円急騰となった。日銀の金融緩和不変でも、米CPIの結果などを受けた米金融政策の変更思惑次第で、急激な円高に戻ったことの意味を考えてみたい。
円安は151.9円で終わったのか
11月に入り、米ドル/円は米金利上昇からもかい離し、米ドル上値の重さが目立っていた。この背景には、例年11月からポジション調整が本格化しやすい影響などが考えられる。 11月10日の米10月CPI発表をきっかけに「米金利低下=米ドル急落」となったが、歴史的米ドル高・円安が終了した可能性が出てきたことで、米ドル買いポジションの手仕舞いが急拡大した影響が大きいのではないか。
「CPI大相場」を検証する
この数ヶ月、CPI発表直後に米ドル/円は一方向に約3円も動くパターンを繰り返してきた。 約40年ぶりのインフレ局面が続く中、FRBの金融政策もインフレ対策を最優先していることから、代表的なインフレ指標に対して為替相場も過敏な反応となっている。
米中間選挙の米ドル/円への影響とは?
米中間選挙が近付く中で株一段高、米ドル軟調となったのは、共和党の上下両院制覇に伴う財政緊縮化への期待といった指摘もあるが、米金利上昇傾向が続く中で、その見方には疑問。 むしろ「リスクオンの米ドル売り」の可能性はありそうだが、その継続には懐疑的。
米ドルと米金利のかい離は一時的なのか
11月2日のFOMC以降、米金利上昇でも米ドルの上値は重く、両者のかい離が目立ってきた。これは一時的なのか、それとも米ドル高・円安の流れが変調を始めたのか。 テクニカルには、3月以降の記録的ペースの米ドル高・円安においてはなかった4週連続の米ドル陰線となるかに注目。
米利上げ終了の「条件」を考える
現在FRBは、約40年ぶりの本格的なインフレを是正するべく利上げを続けているが、その利上げを終了する具体的な2つの「条件」について考えてみる。 1つはもちろん、インフレ是正の進捗を示すCPIなどインフレ率の低下だろう。そしてもう1つ、金融政策との関係が深い失業率の動向にも注目してみた。
FOMCで変更された今後のシナリオ
10月21日WSJ記事などをきっかけに、マーケットにはFOMCに対する「ハト派」期待が広がったが、そのうちの一部は今回のFOMCやFRB議長会見を受けて大きく修正を余儀なくされたようだ。 これを受けて、米国の政策金利、FFレートの最終到達点は5%以上に上方修正される可能性が出てきた。そうであれば、米金利上昇に連れた米ドル高・円安も155~160円まで続く可能性を考える必要があるだろう。
FOMC「利上げ幅縮小」議論を考える
FRBの意向の非公式な代弁者といった意味の「FEDスポークスマン」、WSJ紙記者の記事以降、12月FOMCからの利上げ幅縮小との見方が基本になってきた。 最近にかけ、なお景気指標の急悪化は見られず、インフレ指標も「高止まり」が続く中で、11月FOMCで今後の利上げ幅縮小の見通しが確認されるか見極めたいところだ。
豪ドル安の理由とその注意点
豪州は10月、欧米に先駆ける形で利上げ幅の縮小を決めた。このような金融政策の違い、「利上げの差」が、この間、豪ドル安値更新となってきた主因と考えられる。 11月1日の金融政策会合でも、豪州の利上げが予想通り0.25%にとどまるなら、「利上げ差」を受けた豪ドル安再燃の可能性に注目。その一方で、徐々に豪ドル「下がり過ぎ」懸念も出てきた点には注意が必要か。
円安終了後の「円高シナリオ」を考える
歴史的な円安が展開しているが、いずれはこの円安も終わりを迎えることになるだろう。 では円安が終わった後の円高の動きはどのようなものになるか。それについて、今回は「行き過ぎ相場」終了後のプライスパターンに注目して考えてみたい。