吉田恒の為替デイリー
米インフレ懸念と米ドル相場の関係
米4月CPIの結果を受けて、インフレ懸念が拡大、米金利急騰を通じ米ドルも急上昇となった。
ただ、本来的にインフレ率上昇自体は、実質金利低下に伴う通貨安を示唆。早期に実質金利が上昇するほど、名目金利上昇またはインフレ率低下があるかが、為替相場の評価を決めることになる。
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米ドル/円の行方を考える「2つの方法」
米ドル/円はこのところ米金利が主役の日米金利差と基本的に連動してきた。その米金利が、12日の米4月消費者物価発表をきっかけに急騰したことで、米ドル/円も先高観再燃となっている。
米ドル/円はすでに2ヶ月以上、52週MAを上回ってきた。このように52週MAを長く上回る動きはトレンドの転換の可能性が高いことを示している。この観点からも、米ドル/円は中長期的な上昇トレンドが展開している可能性が高くなっている。
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「リスクオフの米ドル買い」の変化
「コロナ後」、リスクオンの米ドル売り、リスクオフの米ドル買いといった解説が増えたが、これはあくまで「コロナ後」の特殊で一時的な現象ではないか。
そういった見方が正しければ、リスクオフではかつてのように円買いが基本なので、米ドル/円は米ドル安・円高に反応する可能性が高いだろう。
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対円ではわかりにくい「米ドル安復活」
先週の雇用統計「ネガティブ・サプライズ」を受けた米ドル急落などにより、対円以外、ユーロや豪ドルに対しては一気に年初来の米ドル安値に接近してきた。
そもそも52週MAとの関係で見ると、対円と異なりユーロや豪ドルに対しては米ドル安トレンド継続中の可能性がある。米金利低下傾向が続くなら、対円以外では米ドル安値更新の可能性もありそうだ。
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米ドル高再開「遅延」とNFPショックの影響
2021年に入ってから、為替相場は総じて金利差、とくに「米金利次第」の構図が続いている。その米金利は4月にかけて空前の「上がり過ぎ」となった可能性があった。
その反動に加え、先週発表された米雇用統計の「ネガティブ・サプライズ」の影響などもあり、米金利急騰再燃は意外に手こずりそう。そうであれば、米ドル高の本格再燃もまだ先か。
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NFPショック、ユーロと円の違い
注目の米4月雇用統計、その中でNFPは予想を大きく下回る「ネガティブ・サプライズ」となると、米ドルは総じて急落した。
ただ金利との関係で見ると、対ユーロと円では差がある。金利差から見ると、ユーロ高・米ドル安は「先走り」過ぎの可能性あり。今後その修正が入る可能性に要注意か。
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米雇用統計と米金利・米ドルの関係
2021年に入り、米雇用統計発表の後から、米金利と米ドルは反落に向かうパターンが少なくなかった。
米金利の短期的な「上がり過ぎ」修正が、注目イベントの米雇用統計発表後に広がりやすかったということなら、今回の雇用統計発表後の米金利及び米ドルの動きも注目か。
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米金利・米ドルのピークアウトの可能性
3日に発表されたISM製造業景況指数は、前月4月の結果や事前予想を大きく下回った。同指数は、経験的に米金利との相関性が高いだけに、急激な米景況感回復一服で、米金利急騰も一服した可能性は注目される。
米ドル/円など為替相場は、そんな米金利を主役とした金利差とこの数ヶ月高い相関関係が続いてきただけに、米金利がピークアウトなら、米ドルも当面上げ渋る可能性ありか!?
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「GW円高パニック」というアノマリー
GWには、「円高パニック」のアノマリーがある。薄商いの間隙をついて、米ドル買い・円売りに傾斜したポジションの逆流が起こるというパターンが基本ではないか。
足元も、米ドル買い・円売りに傾斜している可能性があるだけに、何かの拍子に「GW円高」が起こるリスクは一応要注意かもしれない。
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米ドル安・円高は終わったのか!?
米ドル/円は先週107円台半ばまで続落したが、今週は反発が目立っている。108円割れは、日米金利差から見たら「下がり過ぎ」の可能性があり、その修正が主因だろう。
来週にかけて、FOMC(米連邦公開市場委員会)、米GDP、米雇用統計など金利に影響しそうな重要イベントが相次ぐため、それらを受けた米金利の動きが、当面の米ドル/円の行方を考える上でも最大の焦点になりそうだ。
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FOMCと米金利、米ドル/円の関係
米国の金融政策を決めるFOMC(米連邦公開市場委員会)の後から、米国の金利はしばらく一方向に動く傾向がある。
米ドル/円は米金利と高い相関関係が続いているだけに、今週のFOMCの後からの米金利の動きが、米ドル/円の当面の方向性を決める可能性にも注目。
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相場観が分かれてきた米ドル/円、では正しいのは?
米ドル/円は先週も続落したが下落ペースは鈍かった。これは米金利が下げ渋ったことに加え、マーケットでは下落はあくまで一時的として、米ドル買い戦略に著変ないためではないか。
ただ経験的には、米金利はまだ低下が続く可能性あり。米金利との関係からすると米ドル/円の下落リスクはなお続く可能性があるものの、足元で106円台の120日MA以上で推移している中では、米ドル買い戦略に著変なく、米ドル/円の下落も限定的にとどまりそう。
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ユーロ/米ドル上昇の理由と今後の行方
ユーロ/米ドルは先週にかけて1.2米ドルを大きく上回ってきた。これをうまく説明できるのは米金利低下に伴う金利差でのユーロ不利縮小。この関係がこの先も続くなら、ユーロ/米ドルの行方は米金利次第。
ただユーロ/米ドルは、「コロナ後」米国株と連動する局面も少なくなかった。その意味では、ユーロ/米ドル下落へ転換のきっかけとして米国株の動向も注目。
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米ドル買い戦略は106円まで変わらない!?
4月に入り米ドル反落となっているが、投機筋のポジションなどを見ても、米ドル買い・円売り戦略に著変はないようだ。
過去の実績を見ると、投機筋のポジションの変化は、米ドル/円の120日MA(移動平均線)が比較的うまく説明できそうだ。その意味では、足元で106円程度の120日MA以上では、米ドル買い戦略が基本的に続くのではないか。
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米金利上昇「終了」の可能性を考える
4月にかけての米金利上昇は、90日MAとの関係などで見ると空前の「上がり過ぎ」であり、最近にかけての金利低下はその反動ということが基本だろう。
それにしても、行き過ぎた金利の反動が、トレンド自体の終了か、それとも一時的なトレンドに対する逆行に過ぎないかは、経験的には景況感が重要な意味を持ってきた。
その意味では、ISM指数などがすでに歴史的な景況感改善となっている中で、それを上回り、米金利のさらなる上昇をもたらすことは、予想以上に難しいかもしれない。
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米金利で考える米ドル/円のシナリオ
3月末にかけて米10年債利回りが一気に1.7%を上回るまで急騰したのは、一般の予想をはるかに超えたものだっただろう。それは、90日MAからのかい離率の結果とも一致する。
このように予想を超えた動きが一段落した後、それが再開するまでは予想以上に長い時間がかかる可能性がある。米金利と米ドル/円の高値更新も、秋以降といった具合にかなり先になる可能性もあるのではないか。
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米ドル/円下落の理由とその「目途」
米ドル/円は3月末にかけての急騰から、4月に入ってから反落が目立ってきた。これは、相関性の高い米金利が「上がり過ぎ」の反動で低下した影響が大きいだろう。
ただ52週MAとの関係などからすると、米ドル/円は上昇トレンドが展開しており、下落は一時的な可能性が高い。米ドル/円の下落が「一時的」なら、基本的には米金利低下次第で、106円前後までがせいぜいか。
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「米金利低下=米ドル安」継続で108円割れも!?
先週の米ドル/円は米金利低下に連れて続落した。注目されるのは、米景気「絶好調」でも米金利低下が広がったことだが、「上がり過ぎ」の反動の影響が大きいだろう。
「上がり過ぎ」反動の米金利低下はまだ続く可能性あり。その影響で米ドル/円も続落リスクあり。米国株も徐々に「上がり過ぎ」の兆しが出てきた点は注目か。
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米金利上昇再燃は秋以降になる!?
米金利の行き過ぎた動きの修正はどのようなシナリオになるか、過去のケースから考えてみた。まずは、「上がり過ぎ」反動で90日MAまで金利低下の可能性あり。
行き過ぎた動きの反動は、1)トレンド転換と2)あくまで一時的なトレンドへの逆行に大別されたが、後者の場合でも改めて高安値を更新したのは半年以上も先だった。
以上から、米10年債利回りが3月末高値を更新、上昇再燃となるのは秋以降の可能性も !?
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続・米景気「絶好調」でも米ドル反落の理由
15日は、米3月小売売上高など大幅に改善する結果が相次いだが、米金利はむしろ比較的大きく低下し、それに連れる形で米ドル/円も続落した。
2021年に入り102円台から110円まで反発した動きは、連動の対象をそれまでの株から金利に変えたものでもあった。そしてその金利は、空前の「上がり過ぎ」の反動から低下しやすい状況が続いている。