「コロナ後」米ドル安・株高の変化!?

先週後半から米ドル反発が目立ってきた。仮にこのまま米ドル反発が続くようなら、株価にも影響する可能性はないだろうか。

昨年3月の「コロナ・ショック」、世界的な株価大暴落が一段落した後は、株高・米ドル安が続いてきた(図表参照)。この関係がこの先も続くなら、上述のような米ドル高は株安をもたらす可能性があるだろう。

【図表】ユーロ/米ドルとNYダウ(2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

それにしても、なぜ「コロナ後」は株高・米ドル安となってきたのか。これについて、私は「米ドル・キャリー取引」が一因だったのではないかとこれまでも何度か述べてきた。

米ドル・キャリー取引とは、安く調達した米ドルを売って、購入した外貨で株などを買うといったヘッジファンドなどが行う取引だ。このような取引は、「コロナ後」の米ドル安、株高で為替差益と株価の値上がり益で二重の利益となった可能性がある。

それにしても、この取引の前提は、米低金利と米ドル安。従って、前提が変わると、米ドル売り・株買いは逆流する可能性が出てくる。

先週から、米金利が上昇し、そして米ドルも反発が目立ってきた。米ドル・キャリー取引、いわゆる米ドル売り運用は、借りた米ドル資金の返済が迫られてきた可能性がある。米ドル資金を返済するためには、米ドル売りで投資した先から、投資を引き揚げる必要があるだろう。

以上のように見ると、米金利上昇と米ドル高の今後の展開次第で、米ドル・キャリー取引の逆流から株価へも影響してくる可能性は注目したいところだ。