豪ドルとCRB指数、金利差との関係
ユーロ/米ドルが先週にかけて反落したのに対し、豪ドル/米ドルはこの間、高値圏での推移が続いている。これは、原油相場など資源価格、コモディティー相場の上昇が続いている影響が大きいだろう。
代表的な資源国通貨とされる豪ドルだけに、資源価格などコモディティー相場とは基本的に高い相関関係にある。とくに、コモディティーの総合インデックスであるCRB指数は、2020年4月にWTIがマイナスを記録するといったショッキングな出来事の後、5月以降の豪ドル反発をうまく説明できる動きとなっていた(図表1参照)。
この関係がこの先も続くなら、豪ドルの行方はCRB指数次第ということになる。ではCRB指数の上昇はこの先も続くだろうか。ただ、CRB指数については短期的な「上がり過ぎ」懸念も強くなってきたようだ。
CRB指数の90日MA(移動平均線)からのかい離率は、足元で13%以上に拡大してきた(図表2参照)。これは、経験的には「上がり過ぎ」懸念が強くなっていることを示している。
これは、ユーロ/米ドルなども同様だが、豪ドル/米ドルも、2020年3月の「コロナ・ショック」以降続いていた金利差より豪ドル安・米ドル高といった関係が年明け以降は逆転した。要するに足元は、金利差より豪ドル高・米ドル安となっている(図表3参照)。
ユーロ/米ドルが先週反落したのは、金利差に連動した面が大きかったと考えられるが、これに対して豪ドル/米ドルが冒頭で述べたように「高止まり」となったのは、コモディティー相場の上昇の影響が大きかったと考えられた。
ただし、そのコモディティー相場も短期的に「上がり過ぎ」懸念が強くなってきた。コモディティー相場上昇が一段落し、豪ドル/米ドルが金利差に追随するなら0.75米ドル割れへ反落するリスクがありそうだ。