昨年と何が変わったか?

先週後半から米ドル反発が目立ってきた。その中で、年明けに1ユーロ=1.23米ドルを超えるまでユーロ高・米ドル安となったユーロ/米ドルも、今週は1.22米ドル割れへユーロ安・米ドル高となった。

こういった中で注目されるのは、ユーロ/米ドルと金利差の関係だ。昨年3月の「コロナ・ショック」以前の関係を前提にすると、昨年末までは金利差よりユーロ安・米ドル高圏内での推移となっていたが、最近にかけてはユーロ高・米ドル安圏内での推移へ転換した可能性がある(図表1参照)。

【図表1】ユーロ/米ドルと金利差(2019年1月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

要するに、昨年末までに比べて、金利差との関係で見ても、何かきっかけがあればユーロ安・米ドル高に振れやすくなっている可能性がある。

ユーロ/米ドルは、「コロナ・ショック」後比較的大幅にユーロ高・米ドル安が進んだ。その中で、CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋のユーロ・ポジションを見ると、ユーロ「買われ過ぎ」懸念が強くなってきた(図表2参照)。

【図表2】CFTC統計の投機筋のユーロ・ポジション(2017年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

単純にポジションだけを比較すると、昨年中に、足元以上にユーロ「買われ過ぎ」懸念が強くなったこともあった。ただ、当時は金利差との関係ではユーロ安・米ドル高圏で推移していた可能性があった。

足元のように、金利差よりユーロ高・米ドル安圏で推移している可能性があり、かつそんなユーロは「買われ過ぎ」の懸念もあるとなると、米金利上昇などきっかけ次第ではユーロ安・米ドル高に振れやすくなっている可能性はあるのではないか。