日本株の上昇シナリオ確信度高まる
今週のビッグイベント、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過した。市場の反応は僕が週間展望(9月17日付『日経平均の今週の予想レンジは3万5000円~3万7500円』)で予想した通りであった。そこでは、0.5%の利下げと金利低下シナリオが示されても市場の期待の範囲内なので円高は進まず、FOMCイベントの「期待値」を勘案すれば円安に動く可能性が高いと述べた。
ニューヨーク外国為替市場では米東部時間午後2時(日本時間19日午前3時)のFOMCの結果公表後、ドル円相場は一時1ドル140円40銭台まで上昇する場面があった。しかし、円高は長続きせず、午後2時半開始のFRBのパウエル議長の記者会見が進むにつれて円安に転じた。結局、ニューヨーク市場のドル円は1ドル142円20銭台とFOMC前よりもやや円安で取引を終えた。
これを受けた9月19日の東京市場は大幅高で始まった。たかだかこの程度の円高修正でやや過剰反応ではないか、とも思えるだろう。実際にそのようなコメントも散見される。しかし、この市場が示した反応が示唆することは大きい。これでこの先の日本株の上昇シナリオが相当程度、確信度が高まったといえる。
日本株は再度上昇基調へ
ポイントは、FOMCでの利下げ - それも大幅利下げを受けても円高に進まなかったことである。僕は従前から、これ以上の円高はないと言い続けてきた。その根拠は円高を唱える人への反論である。円高論者は、米国は利下げ、日本は利上げ、その金融政策の方向の違いから日米金利差が縮小して円高になるという。しかし、そんな金融政策の方向性の違いはずっと前からわかっていることだ。言い換えると、それは織り込み済み。過去から現在に至る市場の為替レートに反映されてきた材料である。
だから、新たな材料がない限り、円高進行も限界があるというのが僕の見方だった。今回のFOMCの決定を受けても円高が進まなかったのは、僕の見方が正しいという証左である。これで当面の材料出尽くしだ。
これで円の当面の天井が見えた。今日9月19日の日本株の大幅高はそれを反映したものである。もともと円高があっても日本株は底堅い。それは先週のストラテジーレポート(9月13日付『2番底の可能性が低い理由』)で述べたことだ。そこに円高の終焉が加われば、日本株の懸念材料はほとんどなくなる。明日の植田・日銀総裁の記者会見がリスクとして残るが、それさえクリアできれば、日本株は再度上昇基調をたどるだろう。