代表的資源国通貨の豪ドルとCRB指数の関係

年末年始で一段高となった豪ドル/米ドルだが、最近は上昇足踏みとなっている。そんな動きを比較的うまく説明できるのは、コモディティーの総合指数であるCRB指数だ(図表1参照)。

【図表1】豪ドル/米ドルとCRB指数 (2020年5月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

これを参考にすると、代表的な資源国通貨とされる豪ドルの対米ドル相場での上昇が一段落したのは、相関性の高い資源価格を含むCRB指数が上昇一服になった影響が大きかっただろう。

では、なぜCRB指数は上昇一服となったのか。それは、短期的な「上がり過ぎ」懸念が強まったためだろう。CRB指数の90日MA(移動平均線)からのかい離率は、今年に入り10%以上に拡大した(図表2参照)。これは、経験的に「上がり過ぎ」懸念が強いことを示すものだった。

【図表2】CRB指数の90日MAからのかい離率 (2010年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

ところで、同かい離率がプラス10%以上に拡大し、「上がり過ぎ」懸念が強まった場合、その後は「上がり過ぎ」修正で、CRB指数は90日MA前後まで下落するというのが基本だった。

ちなみに、CRB指数の90日MAは現在も上昇中だが、かりにそれが170ポイント前後まで上昇し、一方、上述のように豪ドル/米ドルがCRB指数で説明できる水準まで下落するなら、0.75米ドルを大きく割り込むといった見通しになる。