吉田恒の為替デイリー
コロナ相場の「影のインディケーター」
3月以降の株価の動きを比較的うまく説明できそうなのは、1日あたりの新型コロナウイルス感染者数(または死者数)。これは足元、「新型コロナウイルス政策=経済政策」になっているためか。
このような「新型コロナウイルス感染者数→経済政策→株価」といった関係が続く中では、株価の行方は新型コロナウイルス感染者数が目安。
吉田恒の為替ウイークリー
コロナ対策緩和で相場再始動の可能性に注目
「コロナ・ショック」は、3月末にかけて欧米中心に感染対策の規制が強化される中で一段落した。その意味では、最近の規制緩和が動意再開のきっかけになる可能性も注目。
3月末は感染対策強化=感染者拡大ピークアウトで株安一段落。この関係性からすると、感染対策緩和=感染者再拡大への警戒から株安再燃シナリオもありうる?!
吉田恒の為替デイリー
原油反発も分岐点を迎えた可能性
原油相場の反発が続き、WTIは30ドルを上回ってきた。これは、90日MAからのかい離率でみると、未曽有の「下がり過ぎ」が修正された結果といえる。
90日MAとの関係からすると、「下がり過ぎ」はほぼ是正。加えて、この間の下げ幅のほぼ「半値戻し」となったことを考えると、原油反発も分岐点を迎えた可能性がある。
吉田恒の為替デイリー
「有事の米ドル買い」に変化の兆し?
「コロナ・ショック」以降、米ドル/円と株は「株安=米ドル高・円安」といった逆相関関係が強まった。これは「キャッシュ・イズ・キング」、「有事の米ドル買い」と考えられた。
5月以降、この逆相関関係が薄れてきた。これは、株安懸念後退のためか。それとも、そもそも一時的な「有事の米ドル買い」が終わり、為替と株が順相関に戻った可能性も注目。
吉田恒の為替デイリー
ユーロ/米ドル1.1ドルという重要分岐点
ユーロ/米ドルは3月下旬から1.08~1.10ドル中心の一進一退が続いてきたが、足元でレンジ上限トライの展開となってきた。
1.10ドルは、投機筋の売買転換点と重なることの多かった120日MAが位置する水準だけに、一段とユーロ買い・米ドル売り拡大となるか、重要分岐点としても注目。
吉田恒の為替デイリー
「下がり過ぎ」が修正されてきた豪ドル/円
豪ドル/円の反発が続いているが、52週MAとの関係からすると、これは「下がり過ぎ」の修正。ただあくまで下落トレンドでの一時的な反発に過ぎないなら、足元72.6円の52週MA前後までがせいぜいか。
吉田恒の為替デイリー
原油反発と資源国通貨・豪ドルとの関係
1ヶ月前の前代未聞の「マイナス価格」から一変、原油相場は足元で30ドルの大台も回復する動きとなってきた。
マイナス価格といった「異常な原油安」では関係が乖離した代表的資源国通貨の豪ドルだったが、異常性が後退する中で相関性は回復。さらなる原油高は、シンプルに豪ドルのサポート要因になる!?
吉田恒の為替ウイークリー
「コロナ・ショック」後の小動き終了に注目
米ドル/円は「コロナ・ショック」が3月末で一段落した以降小動きとなっている。
NYダウは「コロナ・ショック」後の半値戻し近辺、2万3000~2万4000ドル中心で小動きが続いた。このレンジ・ブレークが、新たな方向性の鍵か。為替もそれに追随か!?
吉田恒の為替デイリー
米2Q成長率はマイナス30~40%の予想
米GDP成長率は、第1四半期のマイナス4.8%から、第2四半期はさらにマイナス30~40%へ劇的な悪化になるといった見方が強まっている。
これは、短期間のGDP悪化としては、リーマン・ショックや世界恐慌よりも厳しい。経済活動再開で、第3四半期以降どれだけ早く、大きく回復できるかが重要。
吉田恒の為替デイリー
資源国通貨・豪ドルが高値圏を続ける理由
代表的な資源国通貨の豪ドルは、代表的な資源価格である原油相場がマイナス価格へ歴史的暴落となった局面では追随せず。これは原油先物特有の「異常現象」だったから!?
原油反発、コモディティー上昇の中で、豪ドルとの相関性は回復。コモディティー下がり過ぎ修正は、今後も豪ドルをサポートする可能性。
吉田恒の為替デイリー
円高阻止介入、80円に迫るまでは起こらない見立て
じりじりと米ドル安・円高となっている。伝統的に「円高過敏」の国である日本においいて、円高阻止政策はいつ注目されるところとなるか。
比較的似た為替水準だった2010~2011年を参考にすると、円高阻止の米ドル買い介入は1米ドル=80円に迫る動きとなるまでは難しいのではないか。
吉田恒の為替デイリー
為替と米株、そしてFRB、コロナとの関係
株価は政策金利と天底のタイミングが一致してきた。とくに、「世界一の経済大国」である米国の政策金利の天底は、じつは米国の株価以上に、日経平均と天底の関連性がこれまでは強かった。その意味では、「マイナス金利」議論も残る中での株価反発は矛盾?!
コロナ対策の影響もありそう。コロナ規制緩和好感の株高なら、規制再強化は株安再燃のきっかけになる可能性も。
吉田恒の為替デイリー
FXの「5月アノマリー」
5月の「アノマリー」の代表例として知られるのは「セル・イン・メイ」。また為替市場では、米国債の四半期ごとの大量償還の影響も、「アノマリー」的な扱いとして知られている
株高、米ドル高傾向が続いているが、上述の株売り、米ドル売りの影響も注目。
吉田恒の為替ウイークリー
「NFP2000万人減でも株高・円安」は続くのか?
8日発表の米雇用統計で、NFPは約2000万人減少、失業率は14.7%となったものの、米国株高で為替も米ドル高・円安に。一時的失業の割合高く、恒久的失業は限られる、要するに経済活動再開後の雇用回復への期待を受けた反応か。
ただここまでの株価反発は、「下がり過ぎ」の反動が基本。過去の似たケースを参考にすると、底を打ったかはなお微妙。為替の方向性は、株反発が一時的か否かが目安になる。
吉田恒の為替デイリー
メキシコペソを下支える2つの要因
メキシコペソ/円は一時リーマン・ショックに次ぐ「下がり過ぎ」に。徐々に修正されてきたものの、なお下落余地は限られそう。
産油国通貨、メキシコペソにとって、空前の「下がり過ぎ」の反動に伴う原油上昇はプラス要因として働きそう。
吉田恒の為替デイリー
新興国通貨下落は止まらないのか?
足元のメキシコペソ/円は、購買力平価との関係でみると、2001年以降で最大の「下がり過ぎ」となっている可能性がある。
トルコリラも「大暴落」の後は、下がり過ぎ拡大も限定的にとどまる可能性が高かったが、コロナ問題でそんな経験を上回る下落になるのかが試されている。
吉田恒の為替デイリー
「異常な原油安」の修正と為替への影響
WTIは短期的にも長期的にも、「異常」といえるほどに記録的な「下がり過ぎ」。その反動でさらに上昇する可能性もある。
「下がり過ぎ」の反動に伴う原油価格の上昇は、資源国通貨やユーロにプラス要因か。
吉田恒の為替デイリー
重大岐路に近付いてきた豪ドル
豪ドル/米ドルの反発が続き、足元0.67ドル程度の52週MAに近付いてきた。経験的には、一時的反発なら52週MA前後までがせいぜい。逆に52週MAを大きく超えるなら、すでに底を打って、上昇トレンドが展開している可能性が高まる。重大岐路を迎えた可能性。