米ドル/円と米国株の関係
米ドル/円の相関係数を見ると、足元で日米株価とのそれが0.9前後と非常に高いのに対し、日米金利差とのそれは0.5程度と低い(図表1・2参照)。要するに、米ドル/円は日米株価との高い相関関係が続いているわけだ。
【図表1】
【図表2】
その日米株価のうち、NYダウは90日MA(移動平均線)からのかい離率が1月中旬にかけてプラス5%以上に拡大した(図表3参照)。経験的には上がり過ぎ懸念が強くなっている可能性があった。
【図表3】NYダウの90日MAからのかい離率(2000年~)
そのNYダウは、先週以降新型肺炎への懸念などから急反落となった。これを受けて90日MAからのかい離率はプラス1%程度に縮小した。90日MAからのかい離率でみると、「上がり過ぎ」は是正されたといえそうだ。
以上をまとめるとこうなるだろう。米ドル/円は連動性の強い米株が反落したことから一緒に反落した。その米株反落は、「上がり過ぎ」反動の面があった。先週の反落でそんな「上がり過ぎ」はほぼ是正された。
ここからさらに米株が下落するなら、それは「下がり過ぎ」拡大に向かうことになるが、そうではなく、「上がり過ぎ」是正で米株安一段落なら、米ドル/円の反落も一段落する可能性が高いだろう。