米ドル/円と金利、株の関係

110円近辺で推移している最近の米ドル/円は、日米金利差と大きくかい離している。たとえば、日米10年債利回り差米ドル優位は、米ドル/円が106円前後で推移していた昨年8~9月頃の水準まで縮小している(図表1参照)。

【図表1】米ドル/円と日米金利差(2019年7月~)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

このように金利差から大きくかい離した形で上昇している米ドル/円を比較的説明できそうなのは株価だろう。たとえば、NYダウが最高値更新を続ける動きは、米ドル/円がこの間の高値圏で推移している動きと一定の相関関係にある(図表2参照)。

【図表2】米ドル/円とNYダウ(2020年7月~)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

それにしても、なぜこんなふうに米ドル/円と金利差のかい離が拡大しているのか。金利差米ドル優位が縮小傾向となってきたのは、特に米金利の上げ渋りの影響が大きい。ではなぜ米国株が最高値更新を続ける中で、米金利は上げ渋りとなっているのか。米国株と米金利のどちらかが「間違っている」ということなのか。

仮に米国株高が「間違い」なら、米国株下落に連れる形で米ドル/円は下落する可能性がある。そうではなくて米金利上げ渋りが「間違い」で、米金利が上昇を再開し、日米金利差米ドル優位が拡大に向かうなら、米ドル/円上昇を後付けする可能性があるだろう。