吉田恒の為替デイリー 円安終了後の「円高シナリオ」を考える
歴史的な円安が展開しているが、いずれはこの円安も終わりを迎えることになるだろう。 では円安が終わった後の円高の動きはどのようなものになるか。それについて、今回は「行き過ぎ相場」終了後のプライスパターンに注目して考えてみたい。
吉田 恒
吉田恒の為替ウイークリー 11月の米ドル/円を予想する
米インフレ懸念は根強いものの、一方で米景気減速への懸念も浮上し、徐々に米利上げの「最終到達点」が視野に入り始めてきた。 米ドル/円は、そんな米利上げを受けた米金利上昇に連れてここまで上昇してきた。その関係がこの先も続く場合、FFレートの最終到達点が5%なら米ドル高・円安は155円程度、FFレートが5.5%まで引き上げられるなら、米ドル高・円安は160円を目指す見通し。 日本の通貨当局は、米金利の動向などを見ながら、150円を大きく超えるなら円安阻止介入を強化する可能性。以上を踏まえ、11月の米ドル円は145~153円で予想。
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吉田恒の為替デイリー 悪化予想が急増しそうな米10月景気指標
来週から11月に入り、米国の10月景気指標の発表が始まるが、悪化予想が急増しそうな見通しとなっている。 一方で、長期金利は短期的に「上がり過ぎ」懸念が強くなっており、景気指標の悪化には金利低下で過敏に反応しそう。それは短期金利にも波及、米金利全般の低下につながるリスクに注目。
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吉田恒の為替デイリー 円防衛介入強化、「中曽根ボンド」という歴史
円安阻止介入では、外貨売り介入の資金が有限である点が懸念される。 かつての外貨売り介入局面でも、介入資金の枯渇までに追い込まれたことはなかったが、介入強化策として検討されたことがあったのは、当時の総理大臣の名前から「中曽根ボンド」と呼ばれた外貨建て債券発行策の検討だった。
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吉田恒の為替デイリー コロナ禍と「行き過ぎた円安」の関係
米ドル/円は1980年以降5年MAのおおむね±30%の範囲で循環してきた。これは、円安でも円高でも、行き過ぎた動きが拡大すると、逆方向への反作用が強まることが大きいと考えられる。 円安が行き過ぎると、輸出増加やインバウンド拡大で円高圧力が強まる。今回の場合、「コロナ禍」の影響でそのような円高圧力拡大が遅れたことも、行き過ぎた円安が長期化した一因ではないか。
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吉田恒の為替デイリー 介入当局が意識する米金利とポジション
米ドル/円はこれまで、基本的に米金利と連動してきた。このため米金利上昇局面では米ドル売り介入の効果は限られ、米金利低下局面では効果が大きくなりやすい。 日本の通貨当局でも、介入戦略を考える上で米金利の動向を意識している可能性がある。そしてもう1つ、米ドル買い・円売りへの偏りが大きくなってきた点にも注目している可能性がある。
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吉田恒の為替ウイークリー 「止まらない円安」が止まった理由
先週はついに150円の大台も突破、米ドル一段高となったが、その後米利上げ見通し下方修正の動きが広がり、米金利が低下したところで日本の通貨当局による米ドル売り介入も行われたと見られ、米ドルは急落となった。 これにより米ドル陽線も9週連続で一段落となり、この間続いた米ドル高値更新の流れも一息ついた可能性がある。今週の予想レンジは、145.5~150.5円を想定。
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吉田恒の為替デイリー 米ドル高・円安、155円ピークの可能性
10月21日、複数のFOMC関係者の発言などから、米国の政策金利であるFFレート引き上げの最終到達点は5%を大きく上回らないとの見通しとなってきた。 これを米金利と米ドル/円の関係に当てはめると、米ドル高・円安は155円前後で終わるといった見通しになる。
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吉田恒の為替デイリー 150円に達した円安が一服する時
ついに米ドル高・円安は1990年以来32年ぶりの150円を記録した。日本の通貨当局の米ドル売り介入でも米ドル高を止められないといった見方も多い。 ただここまでの米ドル高は米金利上昇にリードされた面が強い。その意味では、米金利上昇が一服すると、米ドル高・円安も一服する可能性はあるだろう。
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吉田恒の為替デイリー 【ご質問に回答】円安160円の「条件」と「意味」
最近、「米ドル高・円安はこのまま160円まで続くのか?」というご質問を受けることが増えている。そこで今回は、米ドル高・円安が160円になる「条件」、さらにその「意味」について考えてみる。
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吉田恒の為替デイリー 介入戦略で参考にしたい過去2回の為替介入
米ドル高・円安が続く中で、日本の通貨当局による米ドル売り・円買い介入への注目も高い。 日本の為替介入戦略を考える上で、2003~2004年、2010~2011年といった過去2回の介入局面は参考になるかもしれない。
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ストックボイス 米ドル高値は最終局面、最後は為替介入との攻防戦か
・1990年の米ドル高値160円を越えるかどうかについては、米ドル/円の5年MAかい離率のデータが参考になる。1980年以降、ある程度...
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吉田恒の為替デイリー 新興国通貨高の「謎」を考える
メキシコペソや南アフリカランドなど新興国通貨は対円で上昇傾向が続いている。米金融引き締め局面では、新興国通貨は急落、「通貨危機」になったことも考えると、この新興国通貨高は「謎」でもある。 対米ドルで先進国通貨以上に新興国通貨が選好されている要因に金利水準の高さはありそう。ただ、金利はリスクの裏返しでもある。リスクテークが限界に達すると、新興国通貨の高い利回りも、リスク面として意識される可能性は要注意か。
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吉田恒の為替デイリー 1990年「160円の円安」を振り返る
米ドルは、ついに1998年の高値である147.6円も上回り、1990年以来、実に32年ぶりの水準まで上昇してきた。 そこで今回は、この32年前、1990年にかけて展開した米ドル高・円安について振り返ってみる。結論的に言うと、今回とはかなり異なる米ドル高・円安だったと言えそうだ。
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吉田恒の為替ウイークリー 円安の「止まらない理由」と「止まる理由」
米インフレ是正が鈍い中で、インフレ対策に伴う「米金利上昇=米ドル高」にはなお終わりが見えない。 一方5年MAかい離率などで見ると、循環的な米ドル高の動きは、すでにいつ終わってもおかしくない段階を迎えているものの、その中で米ドル高・円安トレンドの「延長戦」が続いているというのが現在の状況か。 今週の米ドル/円の予想レンジは145.5~150.5円を想定。
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吉田恒の為替デイリー 未だ見えない「米利上げ=米ドル高」の終わり
10月12日、13日発表のPPI、CPIが予想以上となったことで、インフレ対策の米利上げも未だ終わりの見通しが見えなくなっている。 FFレートが年末にかけて4.5%以上に引き上げられるなら、米ドル/円は150円を超える見通しになり、円安阻止介入との攻防も改めて注目されそう。
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吉田恒の為替デイリー 対円で最初に米ドル売り介入となった理由
日本の通貨当局は、主要国の中で最初に米ドル売り介入に動いたが、それは主要通貨の中でも円に対する米ドル高が「突出」していたということがあっただろう。 ユーロ/米ドルが0.9米ドル割れに向かうなど円以外の通貨に対する米ドル高が一段と進むようなら、G7内で「米ドル高問題」が利害の一致に向かう可能性はありそうだ。
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吉田恒の為替デイリー 暴落の記憶が強い10月、2022年は?
10月は「暴落の印象が強い月」といった側面があった。必ずしも下がることの多い月ではなかったものの、強烈に下がった記憶のあるタイミングは10月だった。 金融市場において全体的にストレスが溜まっている中で、「不吉な10月」を迎えているということは、少し気になるところではないだろうか。
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吉田恒の為替ウイークリー CPI、介入など波乱要因目白押しの為替
24年ぶりの米ドル売り介入後、米ドル/円は膠着気味の展開が続いた。ただ今週はCPIの発表が予定されている。このところCPI発表後に一気に一方向へ約3円も動くなどボラティリティが急騰する展開が続いているため、膠着相場も分岐点を迎えそうだ。 改めて介入との攻防劇となる可能性もあることを踏まえ、今週の予想レンジは143~148円を想定。
吉田 恒
吉田恒の為替デイリー 1998年の円安との類似と相違
米ドル高・円安は、1998年以来の展開となっている。 1998年の円安と今回では、為替相場の水準は似ているものの、米ドル高・円安の背景などにはかなり違いがある。
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