吉田恒の為替デイリー
【為替】160円は「投機円売りバブル」だったのか
米ドル/円は注目された5月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の終了後急落した。日本の通貨当局による今回の2度目の米ドル売り介入の影響も取りざたされている。
一時160円まで一気に広がった米ドル高・円安自体が、金利差などで説明できる範囲を超えた過剰な投機的円売りの影響が大きく、その反動の可能性もありそうだ。
吉田恒の為替デイリー
【為替】米ドル買いも過去最大規模に拡大
投機筋のポジション・データによると、米ドルの買い越しが先週にかけて過去最大規模に拡大してきた。主要な通貨のほとんどに対して米ドルが買い越しとなるなど、米ドル買いの「一極集中」の構図が目立ってきた。
円の「売られ過ぎ」と対照的な米ドルの「買われ過ぎ」。このような行き過ぎたポジションの偏りの反動が入るリスクについても今後徐々に警戒する必要があるのではないか。
吉田恒の為替ウイークリー
【為替】5月の米ドル/円を予想する
4月の米ドル/円はこの間の高値を更新、上値を試す動きが続いた。それでも日本の通貨当局による円安阻止介入への警戒感が上値を抑制していいたが、4月26日の日銀会合後も介入が確認されなかったことから、それに失望した円売りで4月29日には160円まで円一段安に。
すでに米ドルは「買われ過ぎ」、また循環的な円安限界圏に達していることからさらなる米ドル高・円安にも限度がありそうだ。介入などのきっかけ次第で「行き過ぎ」の反動から米ドル安・円高に戻す可能性も。
5月の米ドル/円は150~162円のレンジで予想。
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【為替】1990年とはかなり違う1米ドル=160円の意味
1990年以来の1米ドル=160円まで米ドル高・円安が広がってきた。ただ同じ160円でも、1990年と今ではその意味がかなり違う。それについて今回は、5年MA(移動平均線)、そして購買力平価との関係を中心に考察してみる。
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【為替】協調介入は円安阻止の絶対条件ではない
「円安が止まるためには日米の協調介入が必要ではないか」と聞かれることがあるが、今回の場合は不要だろう。
そもそもこれまで円安、円高の基調転換に協調介入が関わった例は少ない。今回の場合は、事実上の円独歩安の問題なので、米ドル高阻止の協調介入は不要だ。
吉田恒の為替デイリー
【為替】為替介入で円安が止まる可能性
鈴木財務相は4月23日の国会答弁で、円安阻止介入を念頭に「環境が整ったのかということについては、そう捉えられてもいい」と述べた。では実際に介入が行われたら、円安が止まるのかについて、今回は考えてみたい。
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【為替】円安150円超、2023年と2024年は違う
2024年は3年連続で1米ドル=150円を超える円安となった。ただ、この円安の理由は、2023年とは大きく異なることをまず確認する。
その上で、「為替の動きは説明できない」といった声を聞くことがあるが、ここまでの動きを過去の似た動きでほぼ説明できることも再確認してみたい。
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【為替】4/22~4/26の米ドル/円を予想する
先週の米ドル/円は介入不在の中155円近くまで一段高となったが、日米韓財務相の円安・ウォン安懸念の声明発表をきっかけに介入警戒感が再燃。155円突破は回避された。
日米韓声明を受けて円安阻止介入はいつ行われてもおかしくなさそうだ。投機筋は大きく米ドル買いに傾斜している模様のため、介入実施なら円安は一段落する可能性が高いか。
今週の米ドル/円は150~155.5円で予想。
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【為替】「米利下げ=円高」の行方は株安が鍵か
NYダウが3月末に記録した高値から5%以上下落するなど株安が少し広がってきた。代表的な景気の先行指標でもある株価の下落は景気の先行き減速の目安になる。
円高へ大きく戻すためには、大幅な金利差円劣位の縮小が必要でその鍵を握るのは米利下げ。そんな米利下げと株安の関係を確認してみる。
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【為替】米ドル高阻止「日米韓協調」の舞台裏
4月17日、日米韓の財務相は円安とウォン安に深刻な懸念を示し、米国もそれを認識する異例の共同声明を発表した。実質的な米ドル高阻止での日米韓の協調のようだが、その舞台裏について考えてみる。
吉田恒の為替デイリー
【為替】G7が懸念した過剰な円売り傾斜のリスク
2007年は、大幅な金利差円劣位という圧倒的に円売りに有利な状況の中で、投機円売りが空前規模に拡大した。当時のG7では、過剰な円売りへの傾斜リスクが確認されていた。
最近の構図は2007年と基本は同じだろう。その上で2007年と異なり、「行き過ぎた米ドル高・円安」となっていることから介入の可能性が注目されている。
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【為替】1985年よりも2007年に類似している2024年の円安
先週(4月12日)、鈴木財務相は「G20(20ヶ国財務相会議)で米ドル高懸念を議論も」と述べた。G20などの国際会議で米ドル高問題が議論された代表例は、やはり1985年G7(7ヶ国財務相会議)プラザ合意だろう。ただ、当時と最近では米ドル高・円安の置かれた状況がかなり違いそうだ。
吉田恒の為替デイリー
【為替】日本+新興国の米ドル売り協調介入?
米ドル高は、対円に加え、最近にかけて韓国やブラジルなどに対しても問題になり始めた。
今週のG20等の国際金融会議では日本及び一部の新興国に対する米ドル高の問題と、その是正策について検討される可能性も注目されている。
吉田恒の為替ウイークリー
【為替】4/15~4/19の米ドル/円を予想する
先週の米ドル/円は、約3週間も続いたわずか1円程度のレンジの小動きを上抜け、米ドル高値を更新すると、153円台へ一段高となった。
テクニカルな視点では、この間の小動きの上限152円がサポートとなり、次の大台155円を目指す局面にシフトした可能性があり、それを回避するための円安阻止介入との攻防が目先の焦点。
円安155円回避の介入はあるとの予想を前提に、今週の米ドル/円予想レンジは148~155円で想定したい。
吉田恒の為替デイリー
【為替】金利差から投機主導に変わった円安
CFTC統計の投機筋の円売り越しは、先週、2007年以来の大幅な記録となった。2007年は大幅な金利差を主な背景に「円売りバブル」が発生した年だったが、最近も似た構図が展開しているようだ。
投機の円売りに主導されて、金利差からの円安のかい離も目立ってきた。
吉田恒の為替デイリー
【為替】円安値更新後の行方を考える
4月10日、米ドル/円はこの間の米ドル高値・円安値の151.9円を大きく更新してきた。では、米ドル高・円安はどこまで広がるのか、米ドル安・円高に大きく戻すためには何が必要かについて考えてみる。
吉田恒の為替デイリー
【為替】2007年・円売りバブル時代の検証・前編
CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジション(対米ドル)売り越し(米ドル買い越し)は先週14万枚まで拡大、2013年12月と並んで2007年以来の高水準となった。
2007年は6月に18万枚まで円売り越しが拡大。突出して行き過ぎた円売り、「円売りバブル」が展開した年だった。2007年の「円売りバブル」と、その後それがどのような終わりを迎えたかについて、前後編2回で検証する。