吉田恒の為替デイリー
ウクライナ「地政学リスク」の影響を考える
「地政学リスク」懸念への反応は、リスク資産売り、安全資産買いが基本。90日MAからのかい離率などを参考にすると、株売り再燃、金利低下拡大は要注意か。
リスクオフは円買い、米ドル買いとの指摘もあるが、足元の円と米ドルのポジションは対照的な可能性あり。円の買い戻し余力の大きさに注目か。
吉田恒の為替ウイークリー
「円金利上昇抑制=円一段安」予想を検証する
世界的に金利上昇が広がる中、日銀は金利上昇抑制策に動くことから、金利差拡大で円一段安との見方もある。
ただ日銀の金利上昇抑制策が有効なのか、一方米金利上昇がどこまで続くかなどの検証は必要だろう。思ったほど日米金利差は急拡大せず、円安の拡大にも自ずと限度がある可能性も。
吉田恒の為替デイリー
円金利上昇は止められるのか?
世界的な金利上昇の中で、日銀は金利上昇抑制の方針を確認した。日銀は本当に金利上昇を止められるのか?
日本の金利上昇阻止で緊張感が広がったのは1999年1月。当時、日銀は史上初のゼロ金利政策を決定したが、金利上昇終了の「影の主役」は「上がり過ぎ」だったのではないか。
吉田恒の為替デイリー
メキシコ金融政策とペソへの影響
2月10日のメキシコ中銀の金融政策会合では、6回連続の利上げ決定が有力視されている。
そんな利上げの「内容」次第で、メキシコペソ/円は短期的な「上がり過ぎ」拡大に向かう可能性はあるものの、中長期的に「上がり過ぎ」警戒域にあることへの意識も必要だろう。
吉田恒の為替デイリー
「最初の利上げ=株買い」、今回は違う!?
米国では3月に、今回の局面での「最初の利上げ」が行われる見通し。経験的に、景気回復を受けた最初の利上げは、株買いが「定石」だった。
ただ今回はインフレ対策を意識し、景気回復が不十分な中での利上げ開始となる可能性があるため、定石通りの「最初の利上げ=株買い」となるかは微妙。
吉田恒の為替デイリー
「米利上げショック」の記憶
前回の米利上げ局面の開始は2015年12月だったが、慎重に行われたものの直後は株価が急落したため、2度目の利上げは1年後と大幅に遅れるところとなった。
今回はインフレ対策の影響で、前回より余裕のない中で利上げを開始せざるをえなくなっているとみられるため、株価などへの悪影響はさらに懸念されることになりそうだ。
吉田恒の為替ウイークリー
「ユーロ本位制」で考える当面の為替の行方
先週2月3日のECB会合以降、ユーロは一段高。これが新たなユーロ高の始まりなのかは、米ドル/円などの目先の行方を考える上でも鍵を握っている可能性あり。
テクニカルな焦点は、この間のレンジ上限、1.14米ドルからのユーロ「上放れ」が続くか。そして、もう1つはユーロ高の道先案内役である独金利上昇が続くか。
吉田恒の為替デイリー
「パウエル豹変」と「ラガルド豹変」の類似
2月3日ECB会合後のラガルド総裁発言から、「独金利上昇=ユーロ高」は一段と拡大した。これは、2021年11月末「パウエル発言」後と似たイメージと受け止められた可能性あり。
実際的に、ユーロ高がさらに広がるかは、独金利上昇が目先的にどこまで続くかが鍵になりそう。
吉田恒の為替デイリー
米雇用統計後の米金利、米ドルへの影響
「先行指標」の1つ、ADP統計の「ネガティブ・サプライズ」などにより、1月NFP悪化への懸念が浮上した。
もしもNFP「ネガティブ・サプライズ」となっても影響は限定的との見方もある。ただ、米金利の短期的な「上がり過ぎ」懸念の状況などからすると、ある程度、「米金利低下=米ドル下落」といった影響は要注意ではないか。
吉田恒の為替デイリー
ECB「タカ派」でもユーロ高には限界!?
2月3日のECB会合での「タカ派」姿勢が注目され、この間「欧州金利上昇=ユーロ高」の一因になったとされる。
ただ独など欧州の金利は、これまでは「世界一の経済大国」である米国の金利で決まってきた。ECBの影響への過度な期待には注意が必要かもしれない。
吉田恒の為替デイリー
3月米利上げ0.25%なら米ドル安?
米国の最初の利上げは3月に行われる可能性が高まっている。利上げ幅は一時注目された一気に0.5%の大幅になるとの見方が、今週に入り揺らぎ始めた。
米2年債利回りなどは、「3月0.5%利上げ」を織り込んできた可能性があるため、その可能性の後退は、一時的な「米2年債利回り低下=米ドル下落」をもたらす可能性にも要注意か!?
吉田恒の為替デイリー
米ドル一段高の「条件」とは?
2021年1月102円から展開してきた米ドル高・円安トレンドにおいて、主に2回あった米ドル高加速は、基本的に米金利上昇がリード役となった。
その米金利、足元では短期的な「上がり過ぎ」懸念が強い状況が続いている。そんな米金利の観点からすると、まだ3度目の米ドル高加速までには至らない!?
吉田恒の為替ウイークリー
2月の為替を予想する
先週のFOMCから米ドル買い再燃。このまま年初来米ドル高値更新で、次の目標118円を目指す流れが始まったかが2月相場の最初の焦点。
米金利の短期的な「上がり過ぎ」懸念が強い中で、それは時期尚早か。2月の米ドル/円は113円半ば~116円半ば中心のレンジを予想。
吉田恒の為替デイリー
米ドル買い影響力の変化を考える
先週にかけて米ドル買い越しは大きく縮小し、米ドル買い余力が回復している可能性あり。
ただ、インフレ率上昇に伴う実質金利低下などにより、名目金利上昇など米ドル買い材料の影響力も低下している可能性がある。
吉田恒の為替デイリー
「米ドル高・円安第二幕」は時期尚早か
FOMCを境に米ドル高・円安が再燃した。
ただ米国株、米金利の動向を見る限り、年初来の米ドル高値を大きく更新する「米ドル高・円安第二幕」に向かう条件が揃う状況にまだ至ってはいないのではないか。
吉田恒の為替デイリー
FOMC通過後の米ドル/円の行方は?
注目されたFOMCを受けて、米金利は上昇、米国株の中でナスダック総合指数は僅かに前日比プラスとなった。FOMCは予想より「タカ派」との受け止め方だったものの、ナスダック指数は既に短期的な「下がり過ぎ」懸念が強く、下げ渋った可能性がある。
年明け以降の米ドル/円は米金利より米国株の影響を受けやすくなっているため、今後の行方も米国株の動向が鍵になりそう。
吉田恒の為替デイリー
米国株から為替への影響を考える
最近にかけての米ドル/円は、ボラティリティーの高い米国株の影響を、金利以上に受ける傾向が強くなっている。その意味で、FOMCといった重要イベントを受けた米ドル/円の行方は、米国株の反応に注目か。
その米国株、テクニカルには重要な分岐点を迎えている可能性。
吉田恒の為替デイリー
株バブル破裂と為替の関係
米金利上昇からかい離、米ドル下落が目立ってきたが、米国株下落拡大の影響が大きそう。
ただ株価の暴落、「バブル破裂」局面では、経験的には通貨安はすぐに一巡、中期的には通貨高に向かうパターンが基本だった。かりに、「バブル破裂」で米国株下落が一段の拡大に向かうとしても、それが米ドル一段安をもたらすかは別だろう。
吉田恒の為替ウイークリー
FOMCと米国株が鍵を握る為替
テクニカルに、米ドル下落リスク拡大の可能性。米ドルは、米金利上昇より米国株下落の影響が強まっている。
米国株下落のリード役は、歴史的なグロース株の割高修正。目先的には今週のFOMCが大きな分岐点になる可能性。
吉田恒の為替デイリー
ナスダック指数で考える米ドル/円
年明け以降、金利差からかい離した米ドル/円下落は、米国株、とくに年明けからの株安リード役となっているナスダック指数である程度の説明は可能。
そんなナスダック指数は短期的には「下がり過ぎ」懸念が拡大中、一方で中長期的には「上がり過ぎ」是正中。そういった中で最も印象的なのは、NYダウなどとの相対株価が、ITバブル以来の割高といった意味で、「バブル」懸念ありということ。