吉田恒の為替ウイークリー 短期的な米ドル安リスクの可能性
米ドル/円は年明け直後の一段高から、先週は一転して急落。この中で、テクニカルには目先的な米ドル下落リスク拡大の示唆が増えた。 52週MAとの関係などからすると、米ドル安トレンドへの転換議論は時期尚早ながら、目先的な一定程度の米ドル下落リスクには要注意か!?
吉田 恒
吉田恒の為替デイリー FRB「ビハインド・ザ・カーブ」の影響
FOMCの金融政策見通しは、2021年9月までは「利上げ開始は2023年に入ってから」が基本だったが、足元では「3月に利上げ開始、2022年中に3~4回の利上げ」といった具合に激変が続いている。 結果的には、インフレ率の急上昇を受け、政策判断が後手に回った。このツケ払いの金融政策の「激変」を金融市場の混乱が限定的で乗り切れるかは気になるところ。
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吉田恒の為替デイリー 少し気になる米金利上昇の影響力低下
12日、2021年12月の米消費者物価指数が大きく上昇し、短中期の米金利が上昇したにもかかわらず米ドルはむしろ比較的大きく下落した。 インフレの影響などで、名目の米金利上昇ほど米ドル高をもたらしにくくなっている可能性があるとして、それが一時的か継続的かは、今後の米ドル相場の行方を考える重要テーマだろう。
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吉田恒の為替デイリー 米ドル/円への影響をナスダック指数/NYダウで見る
年明け早々一段高となった米ドル/円だったが、その後は米国株急落などを受けて反落。この「米国株安=米ドル安」は一時的か否か。 NYダウ、ナスダック指数とも「バブル」というほど割高懸念はないものの、NYダウに対するナスダック指数の割高には「バブル」懸念あるだけに、それが破裂となった場合の影響は要注意!?
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吉田恒の為替デイリー 米ドル/円「一時的下落」の考え方
2021年9月末以降、110円程度から米ドル高・円安が展開する中で、一時的な米ドル反落は基本的に90日MAから1%上回った水準までとなってきた。足元でそれは114円程度。 また経験的に、トレンドと逆行する動きは最大でも52週MA前後までがせいぜい。足元の米ドル/円の52週MAは110円程度。
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吉田恒の為替ウイークリー 118円へ米ドル一段高の2つの条件
2021年の2回の米ドル高加速局面に主に共通したのは、保合い放れといったテクニカルな要因と、そして「道先案内役」の米金利の一段の上昇だった。 前者では目先的に116円半ばが分岐点になりそう。後者、米金利は短期的な「上がり過ぎ」懸念の強い状況が続いている。
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吉田恒の為替デイリー 米利上げ「目前」を示唆した失業率改善
米国の政策金利であるFFレートと失業率には一定の相関関係がある。「リーマン・ショック」後の最初の利上げは、失業率が過去10年の平均値、10年MAを2%近く下回るまで改善する中で行われた。 足元の10年MAは5.7%なので、2021年12月失業率が3.9%まで低下したことで、10年MAを2%近く下回ってきている。インフレ懸念は別にしても、利上げは目前に迫っている可能性がありそう。
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吉田恒の為替デイリー 米国株下落の為替への影響は?
2021年11月の「テーパリング」開始で米超金融緩和見直しが始まってから、NYダウに対するナスダック指数の割高修正が急ピッチで進んでいる。 そもそも、2020年3月の「コロナ・ショック」を受けた米超金融緩和の中でNYダウに対するナスダック指数の割高が急拡大しただけに、金融政策の転換で逆の動きが広がっているのは気になるところ。 米金融緩和見直しに伴う米金利上昇は、基本的には米ドル高要因だが、それが株安拡大をもたらした場合の為替への影響は要注意か。
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吉田恒の為替デイリー 米ドル一段高のテクニカルな分岐点
2021年からの米ドル/円上昇トレンドにおける米ドル一段高は、テクニカルには90日MAなど短期の移動平均線からのかい離率の保合い上放れでうまく説明できた。 これを参考にすると、目先的な焦点は114~116円半ばを、米金融政策のテーマなどを主な材料にブレークできるかということになる。
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吉田恒の為替デイリー 円安値更新の背景と今後の焦点
円「売られ過ぎ」懸念は最近にかけて是正、米ドル買い・円売りが仕掛けやすくなったことが、対円で米ドルが2021年来の高値更新となった一因だろう。 そんな米ドル高・円安を正当化してきたのは日米金利差拡大。ただ米金利は短期的に「上がり過ぎ」懸念が強く、この先も米ドル高・円安を正当化できるかは微妙か。
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吉田恒の為替ウイークリー 1月の為替を予想する
その年の相場の流れは、「January Effect(1月効果)」という言葉のように1月の流れで決まる可能性があり、そしてそんな1月相場は、経験的には年明け早々に決まる可能性がある。 米金利は短期的に「上がり過ぎ」懸念が強いため、目先的な「米金利上昇=米ドル高」には限りがありそう。ただ、目先的に米ドル安となっても、それはあくまで一時的な動きで、年末にかけて120円を目指す米ドル高が続くとの考えが基本。
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吉田恒の為替デイリー 円安の「終点」を長期移動平均線で読む
長期の移動平均線、5年MAからのかい離率が±20%以上に拡大すると「行き過ぎ」。115円程度では、同かい離率はプラス5%程度なので、「行き過ぎた円安」には程遠い。 2000年以降の円安トレンドのピークでは、基本的に5年MAからのかい離率がプラス10%以上に拡大していた。それを参考にすると、今回の局面では少なくとも120円まで円安が続きそう。
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吉田恒の為替デイリー 新年相場前の主要通貨ポジション再点検
CFTC統計の投機筋のポジションで見ると、11~12月で大きく変化したのは円と英ポンド。前者は売り越しが半減、一方後者は売り越しが急拡大するといった対照的な結果。 豪ドルとユーロのポシションには大きな変化はなかった。ただ豪ドルは「売られ過ぎ」が懸念される状況が続いたのに対し、ユーロは小幅売り越しで、売り余力が大きそうな状況が続いた。
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吉田恒の為替デイリー 「悪い円安」説への疑問と違和感
2021年後半急速に進んだ円安に対して、日本経済にとってはデメリットが大きい「悪い円安」との声を聞く。ただ株価との関係で見ると、この「悪い円安」説には疑問あり。 また、円の総合力である実質実効レートの下落を、「円離れ」とする評価にも違和感がある。
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吉田恒の為替デイリー トルコリラ安終了「W底」という目安
トルコリラは先週から急反騰となった。暴落相場の転換は、いわゆる「V字型」より、本当に底を打ったのか何度か試しながら反転に向かう、いわば「W字型」が少なくなかった。 暴落相場の終わりは、下落リスク再燃を凌げるか、つまり安値更新を回避できるかが目安か。
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吉田恒の為替ウイークリー 「新年大相場」の前倒しとその方向を考える
年明け後に相場が大きく動く「新年大相場」が、カレンダーの関係から2021年は1週間早く、つまり今週から早々に始まる可能性にも注目。 大相場となった場合、肝心の方向性は米ドル高 or 米ドル安!? 米ドル/円と高い相関関係が続いてきた米金利との関係で考えると、目先的な「米金利上昇=米ドル高」には自ずと限度ありか。
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吉田恒の為替デイリー トルコリラ安は終わったのか?
先週のトルコリラ急反騰は、『トルコリラ暴落は短期的な「下がり過ぎ」反転で一段落する』といった過去のパターンからすると、トルコリラ安一段落の可能性が注目される値動きではある。 ただ、インフレ下での通貨安が利上げなしで本当に終わるかなど、なお悩ましさを抱えている。
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吉田恒の為替デイリー FRB「タカ派」ドミノという可能性
今週の金融政策ウィークでは、BOEの「サプライズ利上げ」やメキシコ中銀の利上げ幅拡大などがあった。 世界的なインフレ懸念の広がりとともに、米国の「タカ派」姿勢強化が、ドミノ倒し的に米国以外の国の「タカ派」姿勢強化に伝播しているといった可能性もありそうだ。
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吉田恒の為替デイリー FOMC後の為替の行方を考える
注目された15日のFOMCは「テーパリング」加速を決定した。これに対して米金利は上げ渋る反応となったことから、為替相場の米ドル高も限定的な動きにとどまった。 金融政策を反映する米2年債利回りは短期的に「上がり過ぎ」懸念が強いことから、その反動で低下するリスクもありそう。その場合、為替相場も米ドル安に振れる可能性に注目。
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吉田恒の為替デイリー FOMCで米金利・米ドルはどう動く?
米金融緩和政策の転換が意識された6月のFOMC以降、FOMC後の米2年債利回りの反応は6、9月が上昇、11月は低下と分かれた。この違いは、基本的に90日MAからのかい離率で説明できる。 足元の米2年債利回りの90日MAからのかい離率は11月に近い。その意味では、今回のFOMCの評価とは別に、一旦「米金利低下=米ドル安」に向かう可能性が高いのでは?
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