吉田恒の為替デイリー 豪ドル反発の理由と今後の見通し
代表的な資源国通貨である豪ドルは、中長期的に見ると、最近にかけての原油相場急騰と異例なほどのかい離拡大となっている。ただ2月以降の短期的な豪ドル反発は、さすがに原油など資源価格急騰に連れた影響が大きそう。 そんな豪ドル反発は、足元で0.74米ドル程度の52週MA近辺に達してきた。経験的には、この豪ドル高が飽くまで一時的な動きか、既に豪ドル高へトレンド転換した動きかを試す分岐点を迎えている可能性がある。
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吉田恒の為替ウイークリー 米ドル高・円安シナリオを再検証する
米ドル高・円安の足踏みが続く中、インフレ懸念の拡大やロシアのウクライナ侵攻などを受けて株安が拡大した。 そこで、年末にかけて120円を目指し一段と米ドル高・円安が進むといったシナリオに変更の必要がないかを再検証してみる。
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吉田恒の為替デイリー 「リーマン・ショック前」原油高との類似
代表的な資源国通貨と代表的な資源価格である原油相場は、基本的に高い相関関係があるが、最近両者のかい離が大きく拡大している。 似たようなことが、2008年のリーマン・ショック前にもあったが、当時原油相場が下落に転じると、ほんの半年程度で最大8割もの暴落が起こった。当時と最近との類似点などを検証する。
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吉田恒の為替デイリー 大荒れ原油、金利「ウクライナ相場」の考え方
「ウクライナ・ショック」で最も大きな動きとなったのは原油などエネルギー相場。WTIは100米ドルを大きく上回ってきたが、経験的には110米ドル前後で目先的なクライマックスを迎える可能性あり。 もう1つの注目は米金利の大幅な低下。異常なほどの短期的な「上がり過ぎ」反動といった意味では、さらに続くと考えられる。
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吉田恒の為替デイリー クロス円の記録的小動きの理由
2021年から対米ドルで円やユーロなどは一方向へ下落するといった具合に比較的トレンドの明確な動きとなった。しかし、対円相場、つまりクロス円では方向感の乏しい、狭い値幅での小動きといった展開が続いた。 これは、米国の金融政策転換の局面における特有の現象の可能性がある。
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吉田恒の為替デイリー 安全資産の円買いに変化の可能性
「ウクライナ・ショック」を主因とした今回のリスクオフ局面で、これまでのところ円買いは限定的にとどまった。国際秩序が試される地政学リスク回避において、安全保障面で米国依存の高い日本の通貨、円は「安全資産」とみなされなくなっているということか。 ただ1月のインフレ懸念を主因としたリスクオフ局面でもユーロ安・米ドル高は大きく動いた。リスクオフでの米ドル買いが、円買いを上回ってきた可能性にも注目。
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吉田恒の為替ウイークリー 3月の米ドル/円を予想する
2月の米ドル/円は、米金利上昇の割には米ドル高とならず、米国株安の割には米ドル安にもならず、方向感の乏しい小動きが続いた。 90日MAかい離率で見ると、米金利は「上がり過ぎ」、一方米国株は、ナスダック指数は「下がり過ぎ」だが、NYダウは「下がり過ぎ」懸念が強くない。 3月も小動きが続くか、動くとしたら相対的には米ドル安リスクか。3月の米ドル/円は113円半ば~116円半ば中心のレンジを予想。
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吉田恒の為替デイリー ユーロ「ウクライナ・ショック」の行方
ウクライナ問題は、地理的な関係などからユーロへの影響が大きくなる。先週のウクライナ危機拡大を受けて、ユーロは急落となった。 その前に、世界的なインフレ懸念拡大を受けて、欧州の緩和見直し前倒し思惑から「欧州金利上昇=ユーロ高」となったことの反動リスクも要注意か!?
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吉田恒の為替デイリー 「ルーブル・ショック」、1998年ロシア金融危機の記憶
ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、ロシアの通貨、株式相場が急落。「ルーブル・ショック」が広がった。 歴史的に有名な「ルーブル・ショック」は、金融市場が楽観から悲観へ急転換するきっかけとなった1998年の出来事。それから得られる教訓とは?
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吉田恒の為替デイリー 日銀の円金利上昇阻止策を検証する
世界的な金利上昇の中で、日銀は2月、円金利の上昇を容認しない方針を発表した。 ただ円金利は、米金利の影響を強く受ける。米金利上昇の本格的な再燃になったところが、日銀の円金利上昇阻止策の正念場となるだろう。
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吉田恒の為替デイリー ウクライナともう1つの主役・インフレ
株安、円高といったリスクオフは、ウクライナ情勢への懸念が浮上する前、インフレ懸念をきっかけに広がった。その意味では、かりにウクライナ危機回避となっても、インフレ懸念が残る中での株高、円安といったリスクオンへの戻りは限られそう。 逆にウクライナ危機拡大となった場合、ナスダック指数と異なりNYダウなどは短期的な「下がり過ぎ」拡大の余地があるため、それにリードされたリスクオフ拡大は要注意か!?
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吉田恒の為替デイリー 米国の「新ビナイン・ネグレクト」政策
約40年ぶりの米インフレ懸念となっている。インフレ対策のポリシー・ミックスは、金融と財政を引き締め、結果としての通貨高の容認。1980年代前半のインフレ下の米ドル高容認は、「ビナイン・ネグレクト(優雅なる黙認)」と呼ばれた。 40年前の米インフレ局面の教訓は、行き過ぎた米ドル高、その後の反動など為替相場の乱高下をもたらしたということがあった。
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吉田恒の為替ウイークリー 危機回避より危機拡大に要注意の「ウクライナ相場」
米金融市場は、これまでインフレ懸念を主因に金利上昇・株安が続いたため、ウクライナ危機が回避された場合に想定されるリスクオンの金利上昇・株高よりも、ロシアがウクライナに侵攻した場合に想定されるリスクオフの金利低下・株安の反応のほうが大きくなる可能性あり。 円のポジションも売りに傾斜していることから、リスクオンのさらなる円売り拡大より、リスクオフの円買い戻しのポテンシャルが大きいと思われる。
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吉田恒の為替デイリー 金相場が再び2000米ドルを突破する条件
年初来高値を更新してきた金相場だが、2000米ドルの大台を超えるまでは短期的な「上がり過ぎ」への警戒も強くはなさそう。 ただ、このところ連動性を強めている米金利は、短期的にも中長期的にも「上がり過ぎ」懸念が拡大。インフレ懸念が続く中で、米金利がさらにどれだけ「上がり過ぎ」拡大に向かうかが、金相場の上昇見通しを考える上でも注目。
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吉田恒の為替デイリー トルコリラと金融政策、原油との関係
トルコリラは年明け以降、トルコ利下げ中断で底固い展開が続いている。ただ、基本的に逆相関関係にある原油相場が一段高となる中でもトルコリラ下げ止まりはなぜか? この間のトルコリラ下げ止まりは、記録的な短期的「下がり過ぎ」反動の影響が基本ではないか。
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吉田恒の為替デイリー 原油高でも豪ドル高が限られる理由
ウクライナ情勢の緊迫化なども後押しする形で、原油相場の上昇が一段と広がり、WTIは100米ドルの大台も視界に入ってきた。ところがそんな原油高に豪ドルなど資源国通貨が追随せず、両者のかい離が異例なほどの拡大となっている。 資源国通貨にとって、資源価格上昇はプラス要因だが、一方でインフレや地政学リスクに伴う株安といったマイナスの影響も大きくなっている可能性あり。
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吉田恒の為替デイリー ウクライナ「地政学リスク」の影響を考える
「地政学リスク」懸念への反応は、リスク資産売り、安全資産買いが基本。90日MAからのかい離率などを参考にすると、株売り再燃、金利低下拡大は要注意か。 リスクオフは円買い、米ドル買いとの指摘もあるが、足元の円と米ドルのポジションは対照的な可能性あり。円の買い戻し余力の大きさに注目か。
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吉田恒の為替ウイークリー 「円金利上昇抑制=円一段安」予想を検証する
世界的に金利上昇が広がる中、日銀は金利上昇抑制策に動くことから、金利差拡大で円一段安との見方もある。 ただ日銀の金利上昇抑制策が有効なのか、一方米金利上昇がどこまで続くかなどの検証は必要だろう。思ったほど日米金利差は急拡大せず、円安の拡大にも自ずと限度がある可能性も。
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吉田恒の為替デイリー 円金利上昇は止められるのか?
世界的な金利上昇の中で、日銀は金利上昇抑制の方針を確認した。日銀は本当に金利上昇を止められるのか? 日本の金利上昇阻止で緊張感が広がったのは1999年1月。当時、日銀は史上初のゼロ金利政策を決定したが、金利上昇終了の「影の主役」は「上がり過ぎ」だったのではないか。
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吉田恒の為替デイリー メキシコ金融政策とペソへの影響
2月10日のメキシコ中銀の金融政策会合では、6回連続の利上げ決定が有力視されている。 そんな利上げの「内容」次第で、メキシコペソ/円は短期的な「上がり過ぎ」拡大に向かう可能性はあるものの、中長期的に「上がり過ぎ」警戒域にあることへの意識も必要だろう。
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