今週(12月6日~12月12日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):節目の達成感から一時は下落するも、買い継続により高値圏を維持
ビットコインは、BTC=1,520万円(100,000ドル)の達成感から利益確定売りが強まったが、米国で企業によるビットコイン購入が継続する中、高値圏を維持した。
米SECの次期委員長に暗号資産推進派のポール・アトキンス氏が指名されたことや、プーチン大統領がビットコイン準備金の可能性に言及したことなどを受け、ビットコインは一時BTC=1,558万円(102,500ドル)付近まで高騰した。しかし、節目となるBTC=1,520万円(100,000ドル)到達で利益確定売りが強まり、たちまちBTC=1,398万円(92,000ドル)付近まで急落した。
その後、押し目買いによって大きく反発したが、11月米雇用統計が強弱入り混じる内容となったこともあり、上値の重い展開となった。9日には、グーグル(アルファベット)[GOOGL]が新量子チップ「Willow」を発表し、暗号資産のセキュリティリスクへの懸念が強まった。また、中国のエヌビディア[NVDA]調査報道やシリアのアサド政権崩壊でハイテク株が下落し、ビットコインも同様に下落した。
しかし、11月米消費者物価指数を受けて12月の利下げ観測が高まると、ビットコインは買い戻しが強まった。米国ではマイクロストラテジー[MSTR]やジーニアス・グループなど企業によるビットコイン購入、さらにはビットコイン現物ETFへの資金流入が継続し、再びBTC=1,520万円(100,000ドル)を回復した。
来週(12月13日~12月19日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は年内最後となるFOMC次第では史上最高値をさらに更新する可能性
米国ではビットコインの旺盛な買いが続いており、FOMC次第ではさらに上昇する可能性がある。市場では0.25%の連続利下げがすでに織り込まれているが、パウエルFRB議長が2025年以降の見通しについてハト派寄りの発言をした場合、史上最高値を再び更新することは期待される。一方、無難な内容となった場合は材料出尽くしで売りが強まることも考えられるだろう。来週は取引が活発な年内最後の週であり、一部では利益(損失)確定売りが強まることも注意したい。
また、FOMCや主要経済指標の発表を通過してビットコインの値動きが落ち着いた後は、より大きなボラティリティを求めてアルトコインの取引が活発になることが予想される。イーサリアムやリップルなど主要なアルトコインの値上がりによってビットコインが連れ高する面はあるが、アルトコインの高騰が続いた後の急落には警戒が必要である。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,672万円(110,000ドル)、下値はBTC=1,398万円(92,000ドル)を意識する。