吉田恒の為替デイリー 今年最後の金融政策ウィーク、各国通貨の動向は?
今週は水曜がFOMC(米連邦公開市場委員会)、木曜はBOE(イングランド銀行)、ECB(欧州中銀)、さらにメキシコ、トルコでも金融政策会合が予定されている。そして金曜は日銀の金融政策会合。 このうち、FOMCは「テーパリング」加速、そしてメキシコは利上げ、トルコは利下げといった具合に政策変更の予想もあるが、それらが為替相場へどう影響するかを考察してみた。
吉田 恒
吉田恒の為替デイリー クリスマス前、投機筋の基本ポジション整理を見る
例年、クリスマス、年末にかけてリスク回避の観点から、ポジションの圧縮は広がりやすい。 今回の場合、そんなポジションの圧縮は、基本的に米ドル安や円高をもたらしやすいのではないか。
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吉田恒の為替ウイークリー 米ドル/円の「FOMC相場」を予想する
米2年債利回りが短期的に「上がり過ぎ」の懸念の強い中でFOMCを迎えるといった構図は、前回11月のFOMCと似ている。 前回11月のFOMC後は、「上がり過ぎ」の修正で米2年債利回りは一旦、大きく低下に向かった。今回も同様に、FOMC後は一旦「米金利低下=米ドル安」の可能性に注目。
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吉田恒の為替デイリー 実効レートで考える「さらなる円安」の可能性
円の実質実効レートは、2015年6月に黒田日銀総裁による「さらなる円安はありそうにない」との発言をきっかけに底を打った水準目前まで下落してきた。 ただ円の実質実効レートの5年MAからのかい離率で見ると、足元は2015年6月のような「行き過ぎた円安」の状況とは大きく異なっている。
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吉田恒の為替デイリー 2022年の新興国通貨を予想する
主要な新興国通貨には、米国の金融政策と高い相関関係があった。 米金融緩和局面では新興国通貨は「上がり過ぎ」に向かいやすく、その反動もあって、金融緩和政策の転換では下落リスクが急拡大しやすかった。 【2022年 予想レンジ】
南アフリカランド/円:1ランド=5.5~7.5円
メキシコペソ/円:1ペソ=4~5.5円
トルコリラ/円:1リラ=6~11円
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吉田恒の為替デイリー 2022年の豪ドルを予想する
インフレ、物価上昇が続く中で、資源国通貨の豪ドルは、原油相場などの影響が強くみられるようになっている。その原油相場は、中長期的な高値限界圏に達している可能性あり。 金利差の影響などから、豪ドル安・米ドル高トレンドが続きそう。 【2022年 予想レンジ】
豪ドル/米ドル:1豪ドル=0.65~0.75米ドル
豪ドル/円:1豪ドル=75~82円
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吉田恒の為替デイリー 2022年のユーロを予想する
ユーロ/米ドルはユーロ圏と米国の金融政策の方向性の違いを受けた金利差ユーロ劣位拡大が続く見通しのため、それに連れたユーロ安・米ドル高が継続する見通し。 ユーロ/円は連動の対象が金利差の場合は一進一退、ただ連動の対象が株価に変わると一方向への大きな動きになる可能性。 【2022年 予想レンジ】
ユーロ/米ドル:1ユーロ=1.05~1.15米ドル
ユーロ/円:1ユーロ=125~135円( or 120~130円)
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吉田恒の為替ウイークリー スタグフレーションの予兆か?為替と金利の関係変化
先週、米2年債利回り上昇の一方で米10年債利回りが低下となると、米ドル/円は久しぶりに後者に連動した。これは、物価上昇と景気後退が同時に起こるスタグフレーションへの反応の兆しなのか!? 長期金利の指標、米10年債利回り低下が続くかは注目。また、金融政策を反映する米2年債利回りも、足元は「上がり過ぎ」懸念が強い。以上のような米金利を取り巻く環境は、目先的には米ドル高が限られ、相対的な米ドル安リスクの高さを示している可能性!?
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吉田恒の為替デイリー 2022年の米ドル/円を予想する
米国の超金融緩和政策の転換に伴う米短中期金利上昇を手掛かりに、「最初の利上げ」が想定される2022年6月前後に118円、そして年末にかけて120円を超える米ドル高・円安が予想される。 【2022年 予想レンジ】1米ドル=110~122円
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吉田恒の為替デイリー オミクロン株と米緩和転換加速の為替への影響
コロナ変異種「オミクロン株」と米国の緩和政策転換加速は、金融マーケットの今の二大テーマと言えそうだが、前者が円高要因、後者が米ドル高要因で綱引きとの解釈には疑問。 インフレ対策での米緩和政策転換加速は、先行き景気減速への懸念から、米長期金利低下と米国株下落をもたらし、基本的に米ドル安要因になっているのではないか。
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吉田恒の為替デイリー 米「最初の利上げ」と118円の米ドル高・円安
パウエルFRB議長の発言などから、インフレ対策からの米利上げ前倒し観測が高まっている。 「リーマン後」の経験から、今回の超金融緩和局面においての「最初の利上げ」までに米2年債利回りが1%までの上昇が見込まれる。米金利と為替の関係からすると、そのタイミングで米ドル/円は118円を目指す見通しになる。
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吉田恒の為替デイリー 「オミクロン株」リスクでの円高の目途
いわゆる「オミクロン株」への警戒をきっかけに、米ドル安・円高リスクが試される展開となっている。1つの手掛かりは、米ドル/円と高い相関関係のある米金利の短期的な「上がり過ぎ」修正の行方。その観点では、最大で111円台までの米ドル反落リスクか。 米ドル高・円安トレンド継続中での一時的な米ドル反落は、経験的には52週MA前後までがせいぜいで、それは足元で109円程度。
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吉田恒の為替デイリー ボラティリティー復活の兆しが出てきた米ドル/円
米ドル/円の週間値幅は先週、2021年最大となった。また週間値幅平均も、10月以降2021年最大となっている。 米国の超金融緩和政策の転換を受け米金利上昇=米ドル高の動きが強まる中で、かつてなかったほど長く続いた小動きからようやく脱出する兆しが出てきた。
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吉田恒の為替ウイークリー 「暗黒の金曜日」ブラック・フライデー後の為替の行方
先週金曜日(11月26日)、南アフリカのコロナ変異種への懸念をきっかけに世界的な株価暴落、「暗黒の金曜日」といったブラック・フライデーが起こると、米金利は大きく低下し、それに連れて米ドル/円も115円台から113円台へ急落した。 米インフレ懸念が拡大する中で、米金融緩和見直しの加速観測が広がっていたが、今回の動きを受けて、それは一息つきそう。 米金融緩和見直しの加速観測が一息つくなら、それを主な背景とした米金利の短期的な「上がり過ぎ」も修正に向かう可能性がある。目先は「米金利上昇=米ドル高」修正局面か。
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吉田恒の為替デイリー 「暗黒の金曜日」と新興国通貨暴落
南アフリカのコロナ変異種報道をきっかけとした26日「暗黒の金曜日」ブラック・フライデーに、当事者とも言える南アの通貨ランド以上にメキシコペソが大きく下落した。 代表的な新興国通貨でみられたこのような急落の背景には、中長期的に高値限界圏に達しており、その修正局面が続くといった見通しがあるのではないか。
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吉田恒の為替デイリー トルコリラ暴落の「終わり方」
トルコリラは今週一時9円を割れるまで一段安となった。インフレが高進する中で、利下げを続けるといった経済政策では当然の結果と言える。 そんなトルコリラ安一巡の第一の目安は、利上げへの政策転換。そしてプライスアクションの観点からは、90日MAを3割以上下回り、週足の「長い下ヒゲ」出現が目安。
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吉田恒の為替デイリー 原油とユーロ安・米ドル高の関係に注目
止まらないユーロ安・米ドル高が展開する中で、金利差とは別に「原油安=ユーロ安」の影響も目立った。一方、それまでの「原油安=円高」の関係はかい離。ユーロ安・米ドル高が米ドル高全体をリードする構図となっている。 原油相場の動向はユーロ/米ドルへの影響を通じ、急ピッチで展開する米ドル高の行方を考える上でも注目。
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吉田恒の為替デイリー FRB人事と米金利、為替の関係
週明けから「米金利急騰=米ドル一段高」となった。これはFRB議長人事で「タカ派」のパウエル議長続投となったためとの解説もあったが、むしろ米感謝祭前の特殊要因の影響が大きかったのではないか。 米金利上昇は短期的には「行き過ぎ」懸念が強い。そうであれば、米金利「上がり過ぎ」の反動で、米ドル高・円安は短期的に一巡する可能性もありそう。
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吉田恒の為替ウイークリー 米金利と原油で考える米ドル高の行方
先週の米ドル/円は年初来高値を更新、一時115円突破寸前まで上昇した。米金利上昇傾向が続いたことと、対ユーロなどで米ドル一段高となったことに連れたためか。 米金利は短期的に「上がり過ぎ」のため、さらなる米ドル高への影響は限られそう。 ユーロ安・米ドル高は米金利上昇以上にこの間原油相場の影響が大きかったか。その原油相場、WTIの5年MAかい離率などを見ると中長期的な「上がり過ぎ」懸念強い。原油高限界なら、ユーロ高・米ドル安への戻りが限られる可能性あり。
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吉田恒の為替デイリー 原油高が続いた理由、そして反転の鍵とは?
WTIが80米ドルを大きく上回るなど原油高が続いてきた。この背景は世界的カネ余り、そしてESG投資により化石燃料の長期開発ストップなどの影響など。 原油高抑制の有効策は「世界一の産油国」で需給調整役の立場にある米国のシェール原油増産。それが出来ず、応急策の国家備蓄放出で原油高の流れが変わるのは本来考えにくい。 ただWTIの5年MAからのかい離率等で見ると、2010年以降では中長期的に最大の「上がり過ぎ」となるなど、「上がり過ぎ」懸念が強くなっているということはある。
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