吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
FRBが「間違える」という可能性
2003年、「グローバル・デフレ」論が広がる中で大きく低下していた米金利は、6月FOMCをきっかけに、行き過ぎた悲観論の修正が本格化し、米金利は急反騰となった。 その時とは方向が反対だが、最近にかけてのFRBインフレ対策が「行き過ぎ」だったとなるようなら、金利や為替にも大きく影響する可能性があるだけに要注意。
予め考える、米ドル高が終わる「条件」
記録的ペースで展開した米ドル高・円安が一服となった。一服にとどまらず、米ドル高終了となる「条件」を予め考えてみる。 米ドル/円の上昇が終了、下落への転換となる条件は、米金利の低下であり、その鍵を握るのは米インフレ動向を受けた米利上げ見通しということになるのではないか。
続々・豪ドル高・円安の少し気になること
先週にかけての急落により、90日MAかい離率を参考にすると、豪ドル/円の短期的な「上がり過ぎ」はほぼ是正された可能性がある。 ただ5年MAかい離率などを参考にすると、4月の豪ドル高値96円台は、中長期的にも「上がり過ぎ」懸念が強そうだ。豪ドル高再燃となっても、この間の豪ドル高値を大きく更新できるかは微妙。
「物価高の円安」、40年前との類似と相違
近年も、何度か円安大相場はあったが、1990年以降では物価安定、むしろデフレ下で起こったものだった。 「物価高の円安」は約40年ぶり。この先の行方の参考に、約40年前の「物価高の円安」で何が起こったかについて検証する。
対円以外での米ドル高「余地」の考え方
対円ほどではないものの、円以外の通貨に対しても米ドル高が広がっている。 52週MAとの関係を参考にすると、ユーロ/米ドルが「パリティ」割れへ向かう可能性も十分ありそう。また、豪ドル/米ドルも0.65米ドル割れへ一段安の可能性に注目。
米ドル/円が円高に戻る程度はどこまでか
「怒涛の円安」もさすがに一段落の兆しが出てきた。ではどこまで円高に戻す可能性があるか。 テクニカルな観点や金利差との関係などから考えると、125円にどこまで接近するかが大きな目安ではないか。
「資産・生活防衛の外貨投資」という考え方
円安が急速に進んできた。この円安は、物価高と並行して起こっているといったことから、庶民生活への悪影響が問題視されやすい。またウクライナ危機などをきっかけに、「安全資産の円買い」も変化した。 以上のようなことから、これまでなかったほど、円安局面での資産・生活防衛を目的として外貨投資を考える人が増えている可能性に注目。
円安への米国株安の影響とは?
2022年3月頃からそれまでの「株安=円高」の関係が顕著に崩れ、米ドル/円への株価動向の影響は薄れている。 そうは言っても、とくに米国株の下落が拡大することで米金利低下をもたらすようなら、「米金利低下=米ドル安・円高」といった具合に、最近にかけての急ピッチの円安に対するブレーキ役となる可能性はありそう。
ユーロ/米ドル「パリティ割れ」を考える
ユーロ安・米ドル高が続いているが、長期金利差などからはユーロ「下がり過ぎ」懸念もあるものの、米国とユーロ圏の金融政策の違いの影響が大きいと言えそう。 一方で52週MAや5年MAとの関係を見る限り、ユーロ「下がり過ぎ」懸念は未だ強くないだけに、金融政策を反映する短中期金利差などを受けて、1ユーロ=1米ドル「パリティ」割れの可能性もありそう。
主な外貨の対円割高リスクを検証する
多くの国が利上げに転換する中で、日本は金利上昇を容認できないという金融政策の方向性の違いから為替相場の円安を説明することが多い。 そういった中、円安の裏返しで円に対して多くの通貨が上昇、さらに割高を拡大する動きとなっているが、そんな割高の程度には自ずと違いが生まれてきている。
FOMC利上げ、0.5%と0.75%の違い
FOMCは4日、0.5%の利上げを決定した。前回の0.5%利上げは、22年前の2000年5月で、結果的にはITバブルの株高是正をダメ押しした役割となった。 0.75%利上げは、1990年以降では1994年11月のたった一度しか行われていない。当時はいわゆる「超円高」局面。その意味では、当時の0.75%利上げは、「超米ドル安」阻止といった「特別な利上げ」だった可能性あり。
「日銀大相場」とFOMCの関係
3月以降、円安大相場が広がったが、その中でも一日の米ドル/円最大値幅が2円程度以上となったのは全て日銀の長期金利上昇阻止策、「指し値オペ」がきっかけだった。 日独など先進国の長期金利は、「世界一の経済大国」米国の影響が極めて大きい。今週はFOMCがあるが、米金利を通じ、日本の金利、さらには日銀の金融政策への思惑から、米ドル/円のボラティリティーが高まる可能性も注目。
大きく円高には戻らない可能性
2ヶ月弱で約15円も米ドル高・円安となった「怒涛の円安」は、130円の大台前で小休止となった。 ただ、この数ヶ月の顕著な変化、「株安でも円高にならない」状況が続くなら、大きく円高に戻すシナリオはまだ当分描けないのではないか。
「止まらない円安」と「超円高」の記憶
円安が長期化する中で、日銀の金融政策を筆頭に、日本の政策への批判が増えている印象がある。 一方向への相場の動きが長期化し、循環的な説明が苦しくなると、構造論が持ち出されるのは円高局面でも繰り返された。結果的には、構造的円高論を尻目に円高は一巡となったが、果たして今回の円安はどうか?
続・豪ドル高・円安の少し気になること
豪ドル/円などクロス円は総じて、先週後半から急反落となった。短期的な「上がり過ぎ」の修正が、米国株暴落などに伴うリスクオフの円買い「復活」をきっかけに本格化した可能性。 一方、豪ドル/円は中長期的な高値圏にも近付いている可能性あり。その意味では、短期的な「上がり過ぎ」修正が一巡、上昇再燃となっても上昇余地は限られる可能性も考える必要があるのではないか。
「怒涛の円安」で迎えるGW円高アノマリー
GWには、「円高パニック」のアノマリーがある。薄商いの間隙をついて、米ドル買い・円売りに傾斜したポジションの逆流が起こったことが基本だった。 最近にかけて記録的なペースでの米ドル高・円安、「怒涛の円安」が展開する中、円の「売られ過ぎ」懸念も高まっている可能性があるだけに、GW前後のその反動リスク拡大には一応要注意か!?
黒田日銀総裁と22年前の「黒田財務官」
1999年9月G7声明では、「日本の円高懸念の共有」が異例の形で言及されたが、それは結果的に当時の日銀のゼロ金利解除という金融緩和見直しへの「制約」となった。 現在の日本では「円安懸念の共有」をG7に求めたいくらいかもしれないが、それは黒田緩和見直しにつながりかねない。22年前は財務官として、現在は日銀総裁としての黒田氏の関わりを振り返る。
豪ドル高・円安の少し気になること
円全面安が広がる中で、豪ドル高・円安も一段と広がってきた。 ただ米ドル/円などと比べて、5年MAかい離率や購買力平価との関係で豪ドル「上がり過ぎ」懸念が強くなっている点は少し気になるところ。
これは「未体験の円安」なのか?
長く小動きが続いた円相場が急に円安へ大きく動き出したが、ここまではまだ経験内の円安と言えそうだ。 この先さらに130円を大きく超えてくるようなら、これまで経験したことのないといった意味で、「未体験の円安」が始まっている可能性への懸念が高まるか?
米ドル売り・円買い介入の具体的シナリオ
過去の為替介入実績を参考にすると、このまま円安が続いた場合、1米ドル=130円前後で2兆円以上の規模の米ドル売り・円買い介入が行われる可能性がありそう。 日本の円買い介入実施では、米国との関係より、日銀の金融政策といかに整合性がとれるかが最大の焦点ではないか。