吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
FOMC「1%利上げ」説と大乱高下リスク
13日発表の米6月CPIをきっかけに、7月FOMCの1%利上げ説が拡大、米ドル買いも再燃となった。 ただCPIは、基本的に景気に対する「遅行指数」。今回と方向は正反対ながら、「遅行指数」への過剰反応が、相場の大反転につながった2003年6月のケースもあっただけに、一応要注意か。
【為替】クロス円と米ドル/円、「別の顔の円安」
主要なクロス円の多くは、過去1ヶ月で5%程度反落、随分円高に戻した。米ドル/円が円安値圏で推移していることと比べると「円安」の印象に差が出てきた。 クロス円反落(円高)の主因は景気減速への懸念。
【為替】「米金利上昇=米ドル高」は今週が分岐点か
5月以降の米金利には、FOMC前後にピークを打つパターンが続いた。このパターンがまだ続くなら、7月末FOMCに向けて米金利は一段と上昇する見通しになるため、米金利と連動する傾向の強い米ドルの行方を考える上でも気になるところだ。 ただし、7月末FOMCに向けて米金利が一段の上昇に向かうかは、過去のプライス・パターンを参考にすると、今週中にこの間の高値を更新できるかが1つの目安になりそうだ。
【為替】ユーロ安と豪ドル安を比較する
中長期移動平均線からのかい離率などで見ると、ユーロ/米ドルに比べ豪ドル/米ドルの「下がり過ぎ」懸念は強くない。最近までのエネルギー価格急騰などの影響か。 そんなエネルギー価格も下落に転じたことで、米ドル高が続いた場合は、豪ドルなど資源国通貨の続落リスクが相対的に大きくなる可能性あり。
米「リセッション」と米ドルへの影響
米GDP予想の「早読み」で定評のあるGDPナウは8日、4~6月期成長率予想をマイナス1.2%と、1日発表のマイナス2.1%から上方修正した。 ただ2四半期連続のマイナス成長で「リセッション」の可能性が高まれば、米利上げシナリオが下方修正されることを通じ、米ドル相場にも影響しそうなだけに、引き続き要注意。
ユーロ/米ドル「パリティ」後のシナリオ
52週MA、5年MAといった2つの移動平均線からのかい離率を参考にすると、1ユーロ=1米ドルといった「パリティ」を割れると、ユーロ「下がり過ぎ」懸念は強まる。 この局面で0.9米ドルまでユーロ安・米ドル高が続く可能性は基本的には低いだろう。
【為替】米ドル高と金利、株との関係を再点検
最近にかけて、主要な通貨ペアと金利差とのかい離が目立った。 金利差からかい離した米ドル高・円安は、米国株安を受けた米国の投資家の外遊資金の引き揚げ「レパトリエーション」の影響などが考えられる。
【為替】豪州大幅利上げでも豪ドル安の理由
RBAは6月5日、3ヶ月連続の利上げを決定したが、豪ドルはむしろ反落となった。 世界的な景気減速への懸念や、株安、リスクオフといった要因から、代表的な資源国通貨の豪ドルは売られやすくなっており、引き続き下落リスクは要注意か。
ECB利上げ接近でもユーロ安の理由
ECBは7月に最初の利上げを行うと見られているが、その割にユーロ相場の反発は鈍かった。金利差からかい離したユーロ安・米ドル高は、米国株安と一定程度連動した結果。 今後のユーロ/米ドルの行方は、ECB利上げ以上に米国株の動向にも注目が必要か。
有事は「円買い→米ドル買い」へ変化
株安、リスクオフ局面では安全資産として円が選好される「有事の円買い」が2022年に入りほぼ消えた。株安ではむしろ米ドル高・円安との相関性が高まり、その意味では「有事の米ドル買い」が優勢になった。 「有事の米ドル買い」といったリスクオフの米ドル買いが続く中では、株安は米ドル高・円安をサポートする一因とも言えるだろう。
【新興国通貨】歴史的円安で広がる外貨の割高懸念
約24年ぶりの米ドル高・円安という歴史的円安が展開する中で、新興国通貨、資源国通貨など中心に外貨の割高懸念が広がっている。 割高が懸念される中での外貨投資は、中長期保有には慎重さが必要。投資額を抑制した上でストップ・ロスや小まめな利益確定など短期売買の意識が不可欠ではないか。
【為替】「未体験の円安」というほどではない
米ドル高・円安は1998年以来、約24年ぶりの水準に達している。ではこの円安は、ウクライナ危機や世界的なインフレを受けた「未体験の円安」なのか。 円の総合力を示す実質実効レートの分析によると、少なくともここまでは過去に経験した範囲内の円安であり、経験的には円安最終局面の可能性あり。
【為替】40年前の「米インフレ下の円安」に学ぶ
米ドル高・円安局面はこれまでも何度かあった。その中で、米インフレ対策を受けた米金利の大幅な上昇に連れた米ドル高・円安という点では、今から約40年前、1980年代前半のケースこそが、今回に最も近いものだったと思われる。 そこで今後の米ドル/円の行方を考える上で、改めて1980年代前半の米ドル高・円安について振り返ってみたい。
「今から外貨投資を始めて大丈夫か?」不安の妥当性を検証
米ドルなど外貨は対円でかなり「割高」になっており、その意味では新たな外貨買いは慎重さが必要になっている。少なくともリスクのコントロールが不可欠だろう。 一方、過去の米インフレ局面での米ドル高では、インフレ鎮静化に時間がかかることから、利下げへの転換を経て改めて利上げに向かうまでさほど時間がかからなかった。今回も米インフレ対策に伴う「米金利上昇=米ドル高」の反転も長続きしない可能性あり!?
日銀緩和不変でも円安は終わる
この間の米ドル高・円安は、ほとんど米金利上昇に連れた結果であり、円金利は基本的に無関係。 その意味では、日銀の緩和方針不変でも、米金融政策を受けた米金利上昇が米金利低下に転換すると、円安から円高へ転換する可能性があるだろう。
円安が140円未満で終わる「条件」とは?
この間の米ドル/円上昇は、米金利上昇が手掛かりになってきた。さらに米ドル/円が140円以上に上昇するためには、米2年債利回りの場合なら4%以上への上昇が必要になりそうだ。 米2年債利回りはFFレートと連動する。このため米2年債利回りの4%以上の上昇には、FFレートが4%以上に引き上げられるといった見通しが必要になるため、それが140円を超えられるか否かの「条件」か。
FRB議長証言の米金利・米ドルへの影響
6月22日にパウエルFRB議長の議会証言があったが、その中で米金利は軒並み大きく低下、金融政策を反映する米2年債利回りも3%割れ近くに接近した。 これが米景気先行き懸念を受けた米利上げ見通しの下方修正に向かう動きなら、今後米ドルの下落リスクを試すことにつながる可能性もあるだけに注目。
クロス円の「上がり過ぎ」を検証する
代表的なクロス円、豪ドル/円、英ポンド/円、ユーロ/円について、5年MAとの関係から「上がり過ぎ」を検証した。最も「上がり過ぎ」懸念が強かったのは豪ドル/円。 ただ、クロス円「上がり過ぎ」の主因は、歴史的な米ドル高・円安だろう。逆に言えば、米ドル高・円安が反転すると、クロス円も反転するリスクは要注意だろう。
過去の代表的な円安と何が違うのか?これまでの検証
過去の代表的な5つの円安局面と、今回の円安では何が違うかを検証してみた。 今回と比較的似ているのは、米国のインフレ対策の影響で米ドルが大幅に上昇し、その結果「止まらない円安」となった1982年にかけて。この時は、行き過ぎた米ドル高・円安が日米貿易不均衡を拡大させ、その後米ドル大暴落をもたらしたが、この点が今回とは異なっている。
将来の「円高シナリオ」を想像してみる
現在の米ドル高・円安が終わった後は、どこまで米ドル安・円高に戻す可能性があるか。 5年MAとの関係などを参考にすると、米国の金融政策の転換、利下げなどを主な手掛かりに110円程度まで円高に戻す可能性はあるのではないか。