吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
「ミシガン・ショック」とユーロ、豪ドルの考え方
13日、ミシガン大消費者信頼感指数が予想を大きく下回ったことをきっかけに、米金利と米ドルが大きく下落する「ミシガン・ショック」となった。ユーロ/米ドルはいわゆる「二番底」のようになったことで、一部にはユーロ安・米ドル高終了との見方も浮上した。 ただ52週MAとの関係で見ると、トレンドはユーロ/米ドル下落で、反発は一時的な可能性が高いのではないか。これは豪ドル/米ドルも基本的には同じ。
米インフレ懸念が現実的になってきた!?
最近の米物価指標の急上昇は、1年前の「コロナ・ショック」の反動に伴う一時的なものとの説明が基本だった。 ただ、そんな「コロナ要因」を除外するべく、2年前との比較で見ても物価は年率3%程度といった具合に、FRBの目標を超える急騰となっている。
メキシコとトルコ、金融政策会合の影響は?
メキシコは前回、6月に「サプライズ利上げ」となった。今回も追加利上げ予想が一部にある。ただ、すでに中長期的な高値警戒域にあることから、追加利上げの有無とは別にさらなるメキシコペソの上昇は限られそう!? トルコリラは、エルドアン大統領の利下げ圧力が再燃している。
米物価指標の金利と為替への影響を考える
今週はCPI、PPIと米物価統計発表が予定されているが、テクニカルに上昇率鈍化の可能性もある。では実際にそうなった場合、米金利低下、米ドル安となるか!? 名目金利からインフレ率を引いた米実質金利は、景気指標との関係で見ると「下がり過ぎ」の可能性あり。これが、名目金利自体の「下がり過ぎ」の可能性を示しているなら、物価統計の結果にかかわらず、米金利は低下より上昇バイアスが強いのではないか。
「テーパリング」という金相場の急落リスク
2021年の金相場は米金利上昇への弱さが目立つ。2021年の金相場急落のほとんどは、あの「タカ派サプライズ」となった6月FOMC直後に代表されるように、米金利の大幅上昇局面で起こっていた。 米7月雇用統計を受けて、早期の「テーパリング」開始への注目も高まってきた。「リーマン・ショック」後に「テーパリング」が始まる時は、それに向けて金相場の急落が拡大しただけに、今回も要注意ではないか。
米雇用統計の注目すべき数値とは?
4日、複数のFOMCメンバーの見通しは、年末年始から緩和の縮小、「テーパリング」開始で一致した。これは、これまで私が失業率の見通しを前提に述べてきた見通しと基本的に近いと言えるだろう。 失業率が米金融政策に大きく影響するといった観点で見ると、今後5.9%を継続的に、大幅に下回っていくかが注目点になる。
ユーロと豪ドルの中期シナリオ再点検
ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルとも先週にかけ反発したが、ともに52週MAを約1ヶ月と「長く」下回る状況が続いている。経験的には、下落トレンド展開中の可能性が高い。 下落トレンドを前提に、一時的反発の目途、下落目標など、「中期シナリオ」を再点検する。
109円割れの米ドル/円、今後の行方は?
米金利の低下が続く中で、米ドル/円は8月3日、一時109円割れとなった。米ドル/円のさらなる下落は、引き続き米金利が鍵になりそう。 その米金利、米10年債利回りの90日MAからのかい離率はすでにマイナス20%以上に拡大するなど「下がり過ぎ」懸念が強くなっている。
クロス円下落と「謎の金利低下」の関係
7月以降、株高では「異例」のクロス円下落が拡大した。これは、独金利低下に伴う金利差の影響が大きかった。 その独金利低下は、「謎」とされる米金利低下に連れた可能性。その米金利は「下がり過ぎ」懸念が強くなっている。米金利低下が終われば、クロス円下落も終わる!?
米ドル/円「雇用統計相場」の傾向と対策
雇用統計発表日の米ドル/円は過去3ヶ月連続で米ドル陰線引けとなるなど、雇用統計発表まで米ドル高傾向が続き、発表後に米ドル反落のパターンが繰り返されてきた。 これは、米ドル高の流れが続いた中で、雇用統計の結果を受けた米ドル高加速への警戒の影響が大きかったのではないか。7月からそんな米ドル高の流れが変調しているだけに、雇用統計に対する米ドル/円の反応も変わる可能性に注目。
「謎の米金利低下」の理由とは?
3月までの米金利急騰から一転、直近米金利は大きく低下している。この米金利低下については、28日FOMC終了後のパウエルFRB議長の記者会見でも話題に上った。 90日MAからのかい離率で見ると、3月までの米金利急騰は記録的な「上がり過ぎ」の可能性があった。このため、その反動に伴う金利低下が勢い余って最近は一転「下がり過ぎ」になっているということではないか。
「一時的米ドル安」のシナリオ
28日のFOMCと前後して、米ドルは下落気味の展開となった。ただあくまで「一時的米ドル安」なら、経験的には52週MA前後までがせいぜいか。 52週MAが106円台で、足元の水準よりかなり離れている米ドル/円の場合の「一時的下落」幅は日米金利差の動向が目安になりそう。
「FOMC大相場」の可能性を考える
6月FOMC後に為替相場は大きく動いた。ただ、6月は確かに顕著だったが、それ以外でも2021年はFOMCをきっかけに為替相場の値動き拡大が目立っている。 この基本的な背景は、米金融政策への関心の高まりだろう。その上で、米ドル/円以上にユーロ/米ドルの過敏な反応がこれまでは目立っていた。
4通貨の中長期為替予想の考え方
豪ドル、NZドル、トルコリラ、ブラジルレアルの4通貨の対円相場について、1年以上といった中長期の予想を、おもに購買力平価と5年MAとの関係の分析から考察する。
豪ドル安へのトレンド転換と今後の行方
豪ドル/米ドルは先週まで3週連続で52週MAを下回り、一時的ではなく、豪ドル安トレンドが展開している可能性が高くなっている。 豪ドル安トレンドが展開しているなら、経験的には52週MAを1割以上下回る可能性があるだけに、0.67米ドル割れを目指す豪ドル安が展開している可能性あり。
対円以外で目立つ米国への資金回帰
米10年債利回りが一時1.2%割れとなるなど低下が続いた中でも、対円以外では米ドルの続伸が目立っている。 6月FOMCの後から米ドル買いが強まったが、このような米国への資金回帰は、米金融政策を巡る思惑などとは別に止まらなくなっている可能性がある。
米金利で考える米ドル安の行方
米金利が大きく低下する中で、米ドル/円も19日一時109円割れ寸前まで急落。も19日一時109円割れ寸前まで急落。 米10年債利回りはすでに90日MAからのかい離率がマイナス20%以上に拡大、「下がり過ぎ」懸念が強くなっている。経験的にはさらに低下しても1.1%前後がせいぜいか。いずれにしても、米ドル/円下落リスクは、米金利の低下が目安になりそう。
クロス円下落拡大の背景と今後の焦点
6月以降、クロス円の下落が拡大、年初来高値からの最大下落率はユーロ/円や英ポンド/円が3%以上、豪ドル/円は5%以上となった。 これは、6月FOMC以降の米ドル全面高で、円より円以外の通貨の下落が大きくなったこと、そしてもう1つは、金利差から見た「上がり過ぎ」反動の影響と考えられる。
米ドル/円の下落リスクを考える
米ドル/円は先週にかけての急落で、1月からの上昇トレンドラインを割り込み、下落リスクが拡大した。 6月のFOMC以降、米ドル/円をうまく説明してきたのは日米2年債利回り差だった。今週のパウエルFRB議長の議会証言で金融緩和の見直しに慎重な受け止め方が広がったことで、米2年債利回りがさらに低下するなら、米ドル/円も続落のリスクあり。
相次ぐ「タカ派サプライズ」の意味
6月FOMC以降、メキシコ、さらにニュージーランドなどで、予想より早い金融緩和の見直しといった「タカ派サプライズ」が目立ってきた。 米金融緩和の見直し局面では、「米金利上昇=米ドル高」が進むことで、米国以外の国々では対応が後手に回った場合、通貨安が高じ「通貨危機」に陥った苦い記憶もあった。それを回避するべく、全体的に金融緩和の見直しが早まる可能性にも注目。