52週MAとの関係で異なる豪ドル/円などとカナダドル/円

今日、15日はカナダ中銀の金融政策会合が予定されている。そこでカナダドル(加ドル)/円について考察してみて感じたのは、カナダドル/円は主要なクロス円のポジションに対するヘッジとして利用できるのではないかということだ。

豪ドル/円、ユーロ/円など主要なクロス円は、最近にかけて52週MA(移動平均線)を長く上回り、経験的にはすでに底を打って、上昇トレンドが展開している可能性が高くなっている。上昇トレンドが展開しているなら、基本的には「買い」となるだろう。

これに対して、カナダドル/円も3月から反発したものの、今のところはそれも52週MA前後にとどまり、足元では依然として52週MAを下回って推移している(図表1参照)。経験的には、カナダドル/円は上述の豪ドル/円などと異なり、なお下落トレンドが続いている可能性が高いといえる。

【図表1】カナダドル(加ドル)/円と52週MA (2006年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

52週MAとの関係で考えるなら、下落トレンドの続いているカナダドル/円は、トレンドと逆行する一時的な上昇も、足元80.5円程度の52週MA前後までがせいぜいというのが経験則の示すところなので、基本的には52週MAをバックに売るということになりそうだ。

以上のように見ると、豪ドル/円などで買いポジションを持った場合、カナダドル/円の売りポジションは、リスク抑制、ヘッジングの役割を担う可能性がある。

ところで、そのカナダも産油国ということで、原油相場の影響を受ける。その原油相場、WTIについて90日MAからのかい離率で見ると、足元は2000年以降で最大の「上がり過ぎ」の可能性がある(図表2参照)。原油相場が上げ渋り、「上がり過ぎ」修正で下落するなら、産油国通貨、カナダドルにも目先的な下落要因になる可能性はあるかもしれない。

【図表2】WTIの90日MAからのかい離率(2000年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成