メキシコペソの購買力平価との関係

4月には4.2円まで急落したメキシコペソ/円だったが、一時は5円台を回復するまで反発した。この背景には、足元のメキシコペソが歴史的にみてかなり割安な水準にあるということがあるのではないか。

2001年以降で、メキシコペソ/円を購買力平価との関係で見ると、20%下回ると底を打つパターンが続いてきた(図表参照)。最も購買力平価を下回ったのは2011年9月の25%だった。

【図表】メキシコペソ/円の購買力平価からのかい離率(2001年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

足元の購買力平価は5.7円程度。それを20%下回ると4.5円、25%下回ると4.2円といった計算になる。以上のように見ると、足元4.6円程度で推移しているメキシコペソ/円は、上述のように歴史的な割安圏にあると考えられる。

産油国通貨、メキシコペソとしては、短期的には原油相場の上がり過ぎ修正リスク、また新興国通貨という面では、短期的な株価の上がり過ぎ修正リスクなどが売り材料になる可能性はある。ただ達観するなら、それは中長期の観点においてはメキシコペソをより割安な水準で買える機会を提供しているということなのかもしれない。