ユーロ/米ドルと豪ドル/米ドルの52週MA(移動平均線)との関係

対円ではわかりにくいものの、4~6月にかけて円以外の通貨に対して米ドルは一段安となった。では、そんな米ドル安はもう終わりなのか、それともさらに続くのだろうか。

相場の動きが一時的なのか、それとも継続的なトレンドなのかを考える上で私が参考にするのは52週MA(移動平均線)との関係だ。経験的には、一時的な動きなら52週MA(移動平均線)前後までがせいぜい。そうではなくて、トレンド転換を受けた継続的な展開なら、52週MA(移動平均線)を1ヶ月以上といった具合に「長く」、5%以上といった具合に「大きく」ブレークする。

そんな観点からすると、ユーロ/米ドルは先週にかけて5週連続で52週MA(移動平均線)を上回り、また豪ドル/米ドルも4週連続で52週MA(移動平均線)を上回ったので、このユーロや豪ドルに対する米ドル安の動きは、一時的ではなく、すでに米ドル高が終わり米ドル安へトレンドが転換したことを受けた継続的な展開の可能性が高くなっているようだ(図表1、2参照)。

【図表1】ユーロ/米ドルと52週MA(移動平均線)<2000年~>
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
【図表2】豪ドル/米ドルと52週MA(移動平均線)<2010年~>
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
 

別な言い方をすると、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルとも、すでに底を打って(米ドルが天井を打って)、上昇トレンド(米ドル下落トレンド)へ転換した可能性が高くなっているということだ。そうであれば、経験的にはトレンドと逆行する一時的な下落も52週MA(移動平均線)前後までといった見通しになる。

6月に入り、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルとも上昇一服、反落傾向となっているが、これまで見てきたように、あくまでそのような動きが一時的なものにとどまるなら、足元の52週MA(移動平均線)、ユーロ/米ドルなら1.105ドル、豪ドル/米ドルなら0.67ドルといった水準前後が下値の目処となる。