52週MAで考える一時的円高と円安トレンド終了の目安

米ドル/円の複数年にわたるトレンドを考える上では、52週MA(移動平均線)との関係が参考になる。52週MAは、足下で149.6円だ(図表1参照)。経験的には、米ドル高・円安トレンドの中で一時的に米ドル安・円高となる場合、52週MAを大きく、かつ長く下回らない程度にとどまる可能性が高い。

【図表1】米ドル/円と52週MA(2000年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

以上を参考にすると、日米協調の「レート・チェック」をきっかけに米ドル安・円高に転じた動きが、トレンドに逆行する一時的なものに過ぎない場合、足下で149.6円にある52週MAを大きく、かつ長く下回らない程度にとどまる。つまり150円を大きく割れないとの見通しになる。その意味では、150円割れどころか、152円の時点ですでに円高への戻りは終わっていた可能性もある。

逆に、52週MAを大きく下回り、例えば米ドル/円が140円を目指すような下落に向かう場合、159円で米ドル高・円安トレンドがすでに終わり、米ドル安・円高トレンドに転換した可能性が出てくるだろう。

金利差との関係は140円台へさらなる円高余地を示唆

次は別のアプローチとして、日米金利差(米ドル優位・円劣位)との関係から考えてみる。日米金利差は、2025年10月の高市政権誕生を前後して縮小に向かったが、それを尻目に米ドル/円が一段高に向かったことで、両者は大きくかい離した(図表2参照)。

【図表2】米ドル/円と日米金利差 (2025年9月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

高市総理などは、「投機的、異常な動きには打つべき手を打っていく」との発言を繰り返してきた。最近にかけての円安と金利差の関係は、まさに「投機的、異常な動き」に該当する可能性がある。この関係を踏まえると、米ドル/円はまだ続落余地が大きいということになりそうだ。

長期金利との関係からは155円より円高は過剰反応

ただ、日米金利差では正当化しにくい米ドル高・円安は、年末年始以降、日本の長期金利(10年物国債利回り)の上昇と連動したように見えた(図表3参照)。こうしたことから、円安は高市政権の財政リスクへの懸念が背景にあり、その結果として長期金利上昇と連動した、との解説が多く見られた。

【図表3】米ドル/円と日本の長期金利 (2025年11月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

そして、日本の長期金利は、米ドル/円に比べるとまだ下げ渋りが続いている。その意味では、日本の財政リスクへの懸念が円安要因なら、155円以下への米ドル安・円高は過剰反応という評価になりそうだ。