モトリーフール米国本社– 2026年1月20日 投稿記事より
AIブームで急拡大するHBM需要とDRAM供給不足
人工知能(AI)チップの分野においては、エヌビディア[NVDA]が長年にわたってグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)によって王者としての地位を占めてきました。これらの高性能チップは、大規模言語モデル(LLM)の学習やAI推論の実行に使用されています。しかし、これらのチップが最大限の性能を発揮するためには、「高帯域幅メモリー(HBM)」と呼ばれるものが必要です。
HBMは、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー;ディ―ラム)の特殊な形態であり、「3Dスタッキング」と呼ばれるプロセスを通じて、GPUがデータをより高速に転送しつつ、かつ省スペースで保存できるようサポートします。AIチップの性能向上においてHBMが重要な役割を果たしていることから、HBMの需要が急増しているのは当然の流れでしょう。一方で、HBMは一般的なDRAMと比較して3~4倍のウェハ容量を必要とするため、DRAM業界全体で供給不足が生じています。その結果、DRAM価格は急騰しています。
マイクロン・テクノロジー[MU]: 急激な売上成長と大幅な利益率の拡大を実現した
こうした市場環境の恩恵を最も受けやすい企業の一つが、マイクロン・テクノロジー[MU]です。マイクロンはDRAM分野のリーダーであり、同じく供給不足と価格高騰が進むNAND(フラッシュメモリー)市場にも参入しています。同社の売上構成は、足元でDRAMが約80%、NANDが20%を占めています。
足元の市場環境により、マイクロンは急激な売上成長と大幅な利益率の拡大を実現しています。直近の2026年度第1四半期(9~11月期)には、売上高が57%急増し、調整後1株当たり利益(EPS)は前年同期比でほぼ2.7倍となる4.78ドルに急上昇しました。また、調整後売上高総利益率は、前年同期の39.5%から56.8%へと急騰しました。
マイクロンの巨大な成長ドライバーとは
マイクロンは、HBM市場が2028年まで年率40%で成長し、1,000億ドル規模に達するとみています。こうした旺盛な需要を背景に、同社は年間の設備投資(capex)予算を180億ドルから200億ドルへ引き上げました。また、2026年初めにはニューヨーク州で新たなファブ(半導体製造施設)の建設を開始する計画です。さらに、アイダホ州の新施設は当初の予定より早く、2027年に稼働開始する見通しであり、同州で2つ目の施設建設も2026年中に着手する予定です。
現在のメモリー市場における需給環境は、2026年だけでなく2027年以降も、マイクロンにとって巨大な成長ドライバーとなる見込みです。AIチップの成長は加速しており、それに伴ってHBMの需要も拡大しています。マイクロンの足元の供給はすでに2026年の分まで予約で埋まっており、価格上昇の恩恵を受けると考えられます。また、力強いフリーキャッシュフロー(FCF)を創出しており、これによってバランスシート上、ネットでプラスのキャッシュを確保する状態となっています。(実質無借金)
マイクロンはエヌビディアほどの競争優位性(モート)を持っているわけではありませんが、現在の市場動向は、マイクロンが2026年に市場を上回るパフォーマンスを示す可能性があるでしょう。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Geoffrey Seilerは、記載されているどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はエヌビディアの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社はマイクロン・テクノロジーを推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。
