吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

毎営業日更新
吉田恒の為替デイリー
【為替】円安転換の鍵握る「強すぎる米経済」終了
2022年以降、150円を超える米ドル高・円安が繰り返されてきた。その主因は「予想以上に強い米経済」が続く中で米金利の低下が限られ、大幅な日米金利差の円劣位が続いたことだろう。ここに来て浮上した米労働市場の急悪化の兆しは、「予想以上に強い米経済」がついに終わり、円安が転換する鍵を握っているのではないか。
【為替】米利下げ再開でどこまで円高になるか
米労働市場の悪化が懸念される中、年内にFRB(米連邦準備制度理事会)は0.5%以上の追加利下げに動くとの見方が広がり始めた。それに伴う日米金利差(米ドル優位・円劣位)縮小によって、どこまで米ドル安・円高になる可能性があるかについて考えてみる。
【為替】円安150円とNFP、そしてADPの関係
8月1日発表の米雇用統計で、NFP(非農業部門雇用者数)の過去分が大幅に下方修正されたことで、雇用増加ペースはトランプ政権になってから半減した可能性が浮上してきた。 労働市場の急悪化は、実は民間発表の指標、ADP統計がすでに示していたことでもあった。 米ドル高・円安が一時150円まで戻った背景には「予想外に強い労働市場など米経済」との評価があったと考えられるが、その評価が一変へ向かうかに注目。
【為替】米利下げの可能性高めた雇用統計
8月1日に発表された米雇用統計の結果は、米労働市場への評価を一変させ、FRB(米連邦準備制度理事会)による早期の利下げ再開についても、かなり現実味を帯びてきたようだ。 以下では、NFP(非農業部門雇用者数)と失業率について、具体的に見ていく。
【為替】円安に戻ってきた背景を考える
米ドル/円は一時139円まで下落したものの、今週(7月28日週)は150円を超える水準まで上昇した。 米ドル高・円安に戻ってきた背景について考えてみる。
【為替】1年前とのアナロジー続くユーロ/円
ユーロ/円は155〜165円での方向感のない小動きが続いていた。しかし、5月にかけて165円を超えると、7月にかけて一気に175円を目指す一段高となった。 これは、最近にかけてのユーロ/円について説明したわけではない。2024年のユーロ/円について振り返ってみたのである。ただ、念押す必要があるほど、実はここまでのユーロ/円の値動きは1年前に似ている。
【為替】米利下げ再開に必要な失業率悪化とは?
トランプ大統領の執拗な利下げ要求でも、7月30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げ再開は見送りとの見方が優勢だ。では次回、9月の会合はどうか。 米国の政策金利であるFFレートと相関関係のある失業率で考えると、利下げ再開の条件クリアには8月1日発表予定の7月失業率が4.3%以上悪化する必要がありそう。
【為替】ヘッジファンドは円売りを自制したのか?
ヘッジファンド(以下ヘッジF)の空前規模の円買いポジションの削減に伴う円売りが、最近にかけての米ドル高・円安を後押しした一因と見られた。 ただヘッジFの円売りは先週一服した。これがトランプ政権の円安を容認しない方針との連携なのかは注目される。
【為替】日銀利上げ再開は円安再燃も意識か
日米関税交渉の合意を受けて、関税政策の影響による日本経済への不確実性が低下したことから、日銀は利上げ再開を検討するとの見方が浮上してきた。 ただこの日銀利上げ再開は、トランプ政権からの円安是正への圧力の影響もあるのではないか。
【為替】ヘッジファンドの円売りはまだ続くのか?
一時149円まで米ドル高・円安となった背景には、空前の規模で拡大したヘッジファンド(以下ヘッジF)の円買いポジションを手仕舞うことに伴う円売りの影響もあったと考えられる。 ではヘッジFの円売りはまだ続くかについて考えてみる。
【為替】「石破退陣」は為替にどう影響するか?
石破総理が8月末にかけて退陣するとの報道があった(その後、総理自身は否定)。では、石破政権の交代は、米ドル/円など為替相場にどう影響するかについて考えてみる。
【為替】関税交渉の障害になりかねない円安再燃
米ドル/円は先週(7月14日週)一時149円まで上昇した。トランプ大統領が相互関税を発表した4月2日の終値が149円台だったことから、まさにその水準まで米ドル高・円安に戻ったわけだ。 トランプ政権は貿易相手国の大幅な通貨安を「非関税障壁」と位置付けているだけに、このまま円安が続くようなら日米の関税交渉にとって「障害」になりかねないだろう。
【為替】日本の政治不安の円売りは続くのか?
7月20日の参院選の結果、自公連立与党は過半数割れとなった。衆参両院ともに与党の過半数割れとなったことで、政権の運営はさらに困難になりそうだ。また野党勢力の伸長が財政赤字を拡大させるとの懸念もある。 このような日本の政治要因を理由とした円売りがさらに続くかについて考えてみる。
【為替】円安阻止の「介入ルール」を再点検する
クロス円中心に円安が再燃してきた。 日本の通貨当局は、2024年にかけて円安阻止で為替市場において米ドル売り介入を断続的に行ったが、どのような「ルール」で行われたか、改めて振り返ってみる。
【為替】トランプ政権次第の米ドル/円・後編
トランプ政権開始からの米ドル安・円高を主導したのは円売りから円買いへ転換したヘッジファンド(以下ヘッジF)だった。 では、金利差から見ると不合理な円買いを積極化したのはなぜか。それを正当化したのはベッセント米財務長官が主導した円高誘導策だった。
【為替】トランプ政権次第の米ドル/円・前編
4月には139円まで下落した米ドル/円だったが、最近は150円近くまで反発してきた。 1月の158円から米ドル/円が150円を大きく割り込むまで下落したのは、トランプ政権の通貨政策がかなり影響した可能性がある。この先どこまで米ドル高・円安に戻すかも、トランプ政権の通貨政策が鍵を握るのではないか。前後編2回にわたり考察してみる。
【為替】ユーロ高・米ドル安は終わったのか?
ユーロ/米ドルは6月まで6ヶ月連続「陽線」となったが、7月に入って上げ渋りが目立ってきた。 短期的な「上がり過ぎ」懸念などからユーロ/米ドルの上昇は、目先的には一段落した可能性があるだろう。ただ、米ドルの信認低下に伴うユーロ高・米ドル安の流れ自体は変わらないのではないか。
【為替】ヘッジファンドはどこまで円を売るか?
ヘッジファンド(以下ヘッジF)の記録的な円「買われ過ぎ」が修正されてきた。この円「買われ過ぎ」修正に伴う円売りは、この先の円安の行方でも鍵になるだろう。 ヘッジFが記録的円買いに至った裏には、トランプ政権の通貨政策の影響があるとみられることから、さらに円売りに動くかは米通貨政策を考える手掛かりとしても注目したい。
【為替】2024年7月の「円安大転換」を振り返る
ちょうど1年前の2024年7月11日、日本経済の衰退化に伴う「構造的円安」でもう止まらないとされていた円安は、161円から急反転となった。きっかけは、「米国の反対でもうできない」という見方もあった日本の通貨当局による円安阻止の米ドル売り介入が行われたことだった。この円安大転換について振り返る。
【為替】金利差との関係が異常な投機円買い
日米金利差(米ドル優位・円劣位)は一時より縮小したものの、なお大幅な円劣位が続いているが、その一方でヘッジファンドなど投機筋は円買いの大幅な拡大に動いた。この金利差と円買いのやや「異常」とも言えそうな関係の背後には何があるかを考えてみる。