吉田恒の為替デイリーの記事一覧
チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
毎営業日更新
【為替】再点検 米ドル買い相場が変わる条件とは?
米ドル/円は、5年MAかい離率などで見ると記録的な割高となっている。その意味ではさらなる上昇は限られそうだ。
ただ米ドルが大きく下がるためには、米金利が大きく下がる見通しが必要だ。米ドルが大きく下がる見通しが出てくるまでは、大幅な金利差による米ドル優位から米ドル買いが有効という状況が続いてきた。それが変わる条件を再点検してみる。
【為替】豪ドル/円、加ドル/円、「強いクロス円」の理由
米ドル/円が2023年11月に記録したこの間の高値151円台に近づき、上げ渋る動きとなっている中で、豪ドル/円など一部のクロス円はこの間の高値を更新してきた。
これは大幅な金利差による外貨優位に加え、米ドル/円に比べて円安阻止介入への警戒感が乏しいことなどの影響なのか。ただ、金利差からのかい離や、中長期的な「上がり過ぎ」の懸念もある。
利下げでもメキシコペソ高は変わらないのか?
メキシコが3月以降利下げを行う可能性が注目されてきた。それでも、日本との大幅な金利差によるメキシコ優位が急に大きく変わるわけではないだろう。ただ、異常なほどに行き過ぎたメキシコペソ高・円安が修正に向かうきっかけになる可能性には注目してみたい。
【為替】低下してきた「日本株高=円安」の連動性
2023年から、日本株の一段高局面では「株高=円安」の連動性が強まる傾向がある。これは海外投資家の日本株投資における為替損失回避の円売りが一因と見られてきた。
ただ最近にかけて「株高=円安」の連動性が低下してきた。円がここ数年の最安値圏に達する中で、さらなる円安余地は限られるとの予想から、「ヘッジの円売り」を縮小し始めたためではないか。
【為替】米「再利上げ」の可能性は低いと考える理由
先週発表されたCPI(消費者物価指数)など1月の米インフレ指標が予想より上ぶれる結果となったことを受けて、早期利下げ期待後退にとどまらず、一部には再利上げの可能性も注目され始めたようだ。
FRB(米連邦準備制度理事会)の「次の一手」は利下げか利上げか。失業率との関係を中心に考察する。
【為替】円売り「バブル化」、2007年との類似と違い
CFTC統計の投機筋の円売り越しの最高は2007年6月に記録した18万枚。これが極端に行き過ぎた円売り、円売り「バブル」の代表例だろう。
当時とは大幅な金利差など類似点があるため、今回も円売りの「バブル化」リスクは要注意。しかし、今回はすでに米ドルが割高など当時との違いもある。
【為替】年内152円超の円安の条件を考える・後編
米ドル/円が、2022~2023年の米ドル高値である151円台を更新した。一段の上昇に向かう条件について、今回は長期移動平均線などとの関係から考えてみる。
【為替】年内152円超の円安の条件を考える・前編
米ドル/円が3年連続で150円以上に上昇してきた。過去2年の米ドル高値である151円台を更新し、一段と米ドル高・円安に向かう可能性はあるのか。
この間の円安値を更新し、152円を超えて広がる条件について、今回から前後編と2回に渡り点検してみたい。
「終わらない円安」、1998年の終わり方
円安が長く続く中で、「これは日本経済の構造変化を受けたものなので、これまでの経験や循環論では説明できない。1米ドル=150円も通過点に過ぎず、200円になってもおかしくない」といった声が増えていった。
これは最近の状況についてではなく、1998年の米ドル高・円安について述べたものだ。このように断る必要もありそうなくらいに最近の状況と類似している1998年の円安の「終わり方」を振り返る。
為替介入を「やらない理由」「やる理由」
米ドル高・円安が3年連続で150円を超えてきた。150円を超える円安に対し、2022年は為替介入が行われ、2023年は介入が行われなかったが、今回はどうか?
主に株価、決算と為替介入の関係を中心に考えてみる。
【為替】大幅金利差でも割高な米ドルは売り or 買い?
足元の米ドル/円は、米ドル割高懸念が強い一方で、金利差は圧倒的に米ドル優位といった状況にある。
こうした中での有効なトレード戦略は、割高を懸念した米ドル売りか、それとも金利差を受けた米ドル買いなのかについて考えてみる。
【為替】円安が金利差からかい離する理由
米ドル/円や英ポンド/円の円安への動きで、金利差からのかい離が目立ってきた。これは、大幅な金利差を収益機会とした投機の外貨買い拡大の影響が大きいのではないか。
金利差で正当化される以上に外貨買いが拡大しているなら、円高に反転した場合はこれまでと逆に、金利差以上に円高が広がるリスクもあるのではないか。
【為替】過去の円安の終わり方を考察する・後編
前回は1990年以降の主な5回の循環的円安終了について見てみたが、円安終了のきっかけは株価急落を受けた米国の金融政策転換、日本の通貨当局による為替介入など様々だった。
今回は、円安終了において「共通ルール」があるのかについて、米ドル/円、そして円の総合力とも言える実質実効レートの5年MAとの関係を中心に考えてみる。
【為替】米金利が意外に上がらない可能性はあるのか?
米長期金利の指標である10年債利回りは2023年10月には約16年ぶりに5%まで上昇したが、これは予想以上に強い米景気と、そしてもう1つ米財政赤字拡大を受けた米国債の需給不安が主因と見られてきた。
このうち後者、米国債の需給不安に緩和の兆しが出てきた。強い米景気は続いているものの、米ドルの行方に大きく影響する米金利が意外に上がらない可能性はあるのか?
【為替】2月からの米ドル高、1年前との違い
2023年は2月初めに発表された米1月雇用統計が「ポジティブ・サプライズ」になったことをきっかけに、一段の米ドル高・円安に向かった。
2024年も2月2日に発表された米1月雇用統計は予想より強い結果となった。これを受けて一段の米ドル高・円安に向かうだろうか。ただし1年前とは違いもある。
【為替】期末の円買い「レパトリ」拡大の可能性
日本企業の決算期末前である3月には外遊資金引き揚げに伴う円買い、通称「レパトリ」が増えやすい。ただ、この「レパトリ」は当然、為替相場水準の影響を大きく受ける。歴史的米ドル高・円安水準で推移するなら、「レパトリ」円買いが急増する可能性もあるだろう。
【為替】米ドル高・円安はおわったのか?
米ドル/円は1月に入ってから148.8円まで上昇したが、1月31日には146円割れ近くまで反落した。米ドル高・円安はもう終わったのか、それともまだ続いているかの見極め方について今回は確認してみたい。
【為替】「黒田シーリング」を超えてきた円安
円の実質実効レートの5年MAかい離率が、2023年11月にマイナス22.49%まで拡大。2015年6月のいわゆる「黒田シーリング」発言直前、5月のマイナス22.13%を今回の円安局面で初めて超えた。限界的円安水準という意味の「黒田シーリング」を超える円安になってきた可能性があるのではないか。
【為替】米2年金利で考える利下げのシナリオ
米インフレは比較的順調に進んでいると見られるものの、一方で米景気は予想以上に強い状況が続き、米国株も最高値圏での推移が続く中で、金利市場の早期利下げ見通しが見直しを迫られている。
ただし、金融政策を反映する2年債利回りの値動きを参考にすると、さすがに利上げが再開されることはなく、5~12月頃には利下げが行われる可能性が高そうだ。