吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
【為替】アノマリー通りとなった「7月の円高」
これまでの「止まらない米ドル高・円安」から一変、7月に入ってから「止まらない米ドル安・円安」の様相となった。 ただし、これは「アノマリー通り」という言い方になるかもしれない。歴史的な米ドル高・円安が展開した2022年の場合も、7月には約10円もの米ドル/円の急落が起こっていた。
【為替】円安は145円で終わったのか?
一時145円まで米ドル高・円安となったが、今週にかけて140円程度まで米ドル安・円高に戻ってきた。 2023年の米ドル高・円安は、145円で終わりだったのかを考える。
【為替】円安・株高はアベノミクスと違う可能性
円安と日本の株高が、この数ヶ月連動してきた。これは、2015年前後のアベノミクス相場でも見られた現象だった。 ただ当時と今回は違うだろう。この先、円高・株高といった具合に関係が変化に向かう可能性もあるのではないか。
【為替】米金利上昇でも米ドル下落の理由
先週末にかけて、米金利上昇傾向が続き、日米金利差も米ドル優位拡大傾向が続く中で、米ドル/円は144円台から142円割れ寸前まで、比較的大きく下落した。 ではなぜ、米金利や金利差からかい離する形での米ドル下落となったかについて、今回は考えてみる。
【為替】円安終了後、円急騰となった2022年
最近にかけて、2022年に記録した151円に迫る米ドル高・円安となってきた。 2022年は10月21日に151円で米ドル高・円安が終了すると、その後1ヶ月も経過しない中で137円まで米ドル/円の急落が起こった。なぜ、円安終了後に急激な円高となったかについて振り返ってみる。
【為替】メキシコ「利下げ」の可能性を考える
7月7日のメキシコCPI発表が予想より弱い結果となった場合、一部では早期利下げ観測が浮上する可能性も注目されているようだ。 記録的な上昇が続くメキシコペソ/円だけに、金融政策転換思惑の影響は今後要注意となりそうだ。
【為替】ボラティリティが復活した米ドル/円
2023年の米ドル/円最大値幅は、これまでに18円程度まで拡大してきた。1990年以降の最大値幅となった2022年に比べるとまだ半分にも満たないものの、2021年まで続いた小動きが変わった可能性がありそうだ。 そうだとしたら、2008年「リーマン・ショック」以降続いた実質的な「金利差なき時代」が終わり「金利差時代の復活」となった影響が大きいのではないか。
【為替】豪ドル/円の現状評価を再点検する
豪州の中央銀行であるRBAは7月4日に金融政策決定会合を行うが、今回については利上げか、政策金利を据え置くかで見方が分かれているようだ。 改めて豪ドル/円と金利差との関係や、短中長期の客観的評価などについて再点検してみる。
【為替】円安阻止介入、2022年9月との「違い」
米ドル高・円安は6月30日、一時145円を記録した。145円台は、2022年9月22日に、日本の通貨当局が今回の円安局面で最初に円安阻止の米ドル売り・円買い介入を行った水準だ。ただ同じような円安でも、通貨当局の立場からすると2022年9月当時と今回では印象がかなり違う可能性がありそうだ。 2022年9月当時は円安の終わりがほぼ見えない状況だったのに対し、今回の場合は、ある程度円安の限界が見えている。大きな違いになっているのは、米ドル高・円安に影響する米金利見通しだろう。
【為替】「上がり過ぎ」懸念が拡大するクロス円
メキシコペソ/円や英ポンド/円など一部のクロス円は短期的な「上がり過ぎ」懸念が強くなってきた。米ドル/円が下落に転換すると、それに巻き込まれた上に「上がり過ぎ」の反動も重なり下落リスクが拡大する可能性は要注意。 中長期的にも「上がり過ぎ」懸念が強いことを考えると、下落への転換は上昇トレンド自体の終了になる可能性も意識する必要がありそうだ。
【為替】「クロス円介入」の可能性を考える
2022年10月以来の円安阻止介入再開が注目されている。ただし、仮に円安阻止介入を再開するとしても、2022年当時と最近では円安を巡る構図に違いがある。2022年の円安は対米ドルが主導していたのに対し、最近は米ドル以外の通貨、いわゆるクロス円で軒並み円安値更新となっている。その意味では、クロス円での円買い介入がより合理的ではないか。 最後にユーロ/円に介入したのは、現在の介入政策の実質的責任者である神田財務官が、約20年前に介入担当セクションの幹部だった時だ。
【為替】総合力でも「限界圏」推移が続く円安
米ドル/円には過去5年の平均値である5年MAを3割上回ると上昇が終了するパターンがあった。 一方、円の総合力を示す実質実効レートは、5年MAを2割下回ると下落(円安)が一巡するパターンがあり、それを参考にすると最近も円安限界圏での推移が続いているようだ。
【為替】円全面安「合理的ではない」の意味とは?
通貨政策の責任者である神田財務官は6月26日、FRB (米連邦準備制度理事会)が年内2回利上げすることは新しい情報ではないにもかかわらず、それを手掛かりに米ドル高・円安が広がったことについて「市場では、必ずしも合理的でない動きと言われている」と指摘したと言う。では「円安は合理的ではない」かについて検証してみる。
【為替】クロス円上昇の代表格、英ポンド/円の行方は?
2023年の円相場の特徴の1つに、対米ドル以上に米ドル以外の通貨に対する円相場、クロス円の上昇が目立っているということがある。その代表格が英ポンド/円だろう。2023年に入ってからの最大上昇率は、先週までに18%近くに達し、ユーロ/円の同14%を大きく上回った。 今回は、英ポンド/円の大幅高の理由と、今後の見通しについて考えてみる。
【為替】円安阻止介入と株価の関係
2022年に続き、米ドル高・円安が140円を超えてきたが、2022年の場合は株安・円安となっていたのに対し、今回はこれまでのところ株高・円安となっている点が異なる。 過去の株価と円安阻止介入の関係について考察してみる。
【為替】トルコ利上げとリラ/円のシナリオ
5月に行われた大統領選挙後、最初のトルコ中央銀行による金融政策決定会合が6月22日に行われるが、現在のトルコの政策金利8.5%を一気に15~20%まで引き上げると予想されている。 予想通りにインフレ対策の利上げが行われた場合、長期下落相場が続いてきたトルコリラの反応はどうなるかについて、今回は考えてみる。
【為替】続・外貨投資が必要になってきた理由
前回の記事では、日本経済の構造変化により、これまでより円高になりにくく、円安になりやすい変化が起きており、それが「構造的円安」化の本質ではないかと述べた。 今回は主に購買力平価との関係で検証してみる。
【為替】外貨投資が必要になってきた理由
2022年に約32年ぶりの150円を越える米ドル高・円安が起こると、日本経済の構造変化を受けた「構造的円安」論の再浮上も一部に見られる。 150円の円安は、米インフレ対策の利上げ長期化に伴う循環的な米ドル高・円安「行き過ぎ」の影響が大きいため、利上げ終了後は円高に戻るだろう。 ただ経済構造の変化を受けて、かつてより円高(外貨安)になりにくく、円安(外貨高)になりやすいという変化が起こっている可能性があり、それこそが外貨投資の必要性を高めることになっているのではないか。
【為替】「円売り=米ドル以外の通貨買い」という変化
為替ポジション・データを見ると、円の売り越しは2022年のピークまで拡大してきた。一方で米ドルの買い越しは足元で小幅にとどまっている。 円売りの対価が、2022年の「米ドル買い」から「米ドル以外の外貨買い」に変化した可能性あり。その理由と影響を考察する。
【為替】「タカ派FOMC」と米ドル高のシナリオ
6月14日のFOMCは、今後の政策金利見通しを上方修正した。個人的には、これほどの利上げが行われるか懐疑的ではあるが、あくまでこの政策金利見通しを前提とした場合の米金利の見通しと米ドル高シナリオの関係について考えてみる。