吉田恒の為替デイリーの記事一覧
チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
毎営業日更新
【為替】「3度目の米ドル売り介入」のシナリオ
2022年9月以降行われた日本の通貨当局による5回の米ドル売り介入は、(1)前回の米ドル売り介入のピークを越えて円安が進む、(2)その米ドル高・円安が120日MAを5%以上と大きく上回るという主に2つの共通点が確認できる。
上記を参考に、この局面で3度目の米ドル売り介入シナリオを考えてみる。
【為替】これまでと違う米ドル/円と金利差のかい離
米ドル/円は基本的には日米金利差と連動するが、金利差以上に株価と連動する場合、または「悪い金利上昇」の場合などでは両者のかい離が広がることもある。
最近にかけて両者のかい離が大きく広がっているが、今回の場合はそれらとも事情が違う異例なケースと言えそうだ。
【為替】「円安170円」が実現する条件とは?
米ドル高・円安が160円を超えてきたが、さらに次の大台である170円にも届くことになるのか。長期移動平均の5年MA、日米金利差、そして投機円売りとの関係から、170円の米ドル高・円安の実現可能性について考えてみる。
【為替】「トランプ・ラリー」再現説への疑問
7月1日は、ISM(米供給管理協会)製造業景気指数が予想より弱かったものの、米金利は10年債利回りなど比較的大きく上昇した。これは、トランプ政権の再現が現実味を帯びてきたことを織り込む動きとされた。
8年前のトランプ大統領誕生決定後は「トランプ・ラリー」が起こったが、果たして今回はどうだろうか?
【為替】「行き過ぎ」懸念強まる投機円売り
CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円売り越しは先週17万枚以上に拡大した。円売り越しが17万枚以上に拡大したのは、これまで3回あったが、全て拡大が一巡、縮小へ向かった。円売りの「行き過ぎ」懸念が強まる中で、円買いへの転換が近づいてきた可能性にも注目してみたい。
【為替】改めて考える歴史的円安の背景とは?
ついに160円も超えて歴史的円安が広がっている。この背景は何か。強過ぎる米景気を受けた金利差説、デジタル赤字説、新NISA説などを検証した上で、私が最も有力と考えている投機円売り説について再確認してみる。
【為替】財務官人事は介入政策に影響するか?
歴史的円安阻止の為替介入を主導してきた神田財務官の人事が注目されている。では財務官交代などの人事が、日本の介入政策にどれだけ影響するかについて、今回は考えてみたい。
【為替】軒並み金利差からかい離するクロス円
6月26日に160円を上回り、金利差からかい離した米ドル/円の円安が広がっているが、これはクロス円にも多く見られる現象だ。
ただクロス円の中には、日米金利差ほど大幅な円劣位と言えないケース、また対米ドルでヘッジファンドは売っているのに、対円では大きく買われる(円売り)など円売り拡大に疑問符が付くケースも見られる。
【為替】2ヶ月で様変わりした160円の円安
4月末以来、約2ヶ月ぶりに160円近辺まで米ドル高・円安に戻してきた。ただこの2ヶ月で、米ドル/円と日米金利差の関係は大きく変わった。
その背景と今後の行方を考える上での注目点について確認してみる。
【為替】「行き過ぎ」懸念が強い総合的円安
円の総合力を示す実質実効レートには、過去5年の平均値である5年MAを20%下回ると下落が一巡するパターンがあるが、5月は23%下回った。
対米ドルだけでなく、クロス円も含めた総合的な円安について、「行き過ぎ」懸念のかなり強い状況が続いている可能性がありそうだ。
【為替】米国の介入批判に誤解はなかったか?
5月のイエレン米財務長官の「介入はまれであるべき」などの発言から、米政府は日本の円安阻止の為替介入に対して否定的であり、このため日本はさらなる介入はできなくなったのではないかとの見方が広がった。
ただ6月20日に米財務省が公表した外国為替報告書と、それについての説明などから、そのような見方には一部誤解もあった可能性も出てきたのではないか。
【為替】2008年「豪ドル・バブル」との類似と違い
豪ドル/円は、2007年以来約17年ぶりの高値まで上昇してきた。2007年はその後上昇が一巡すると、2008年に入り一転大暴落、「豪ドル・バブル崩壊」の様相となったが、今回はどうか?
豪ドル高・円安を巡る2007年と最近の類似点と相違点を整理してみる。
【為替】欧州ショックの先例、債務危機の振り返り
英仏など欧州の政治不安が世界的なリスクオフの一因となる可能性が注目されている。
欧州発の世界的リスクオフとして知られているのが、2016年のBrexit(英国のEU離脱)ショックと、2010年から2012年にかけて展開した欧州債務危機だろう。今回はこのうち、欧州債務危機について振り返ってみる。
【為替】2016年Brexitショックを振り返る
フランスや英国など欧州主要国の政治不安への懸念が強まっている。フランスについては、今後英国に続くEU離脱に向かう懸念もささやかれている。
欧州発の政治不安が世界的なリスク回避のきっかけとなったのは2016年6月のBrexit(英国のEU離脱)ショックだったが、改めて当時のマーケットの動きを振り返ってみる。
【為替】欧州政治不安とユーロ安を考える
欧州の政治不安がユーロ急落をもたらした。6月初めに1.09米ドル程度で推移していたユーロは、先週一時1.06米ドル台まで急落した。
6月末のフランス議会選挙、7月初めの英総選挙が近づく中で、政治の流動化への懸念から安全資産へシフトし、金利が大きく低下していることが主因。ユーロの下落リスクとその影響について考えてみる。
【為替】円安是正が可能なのは日銀かFRBか
円安の阻止、是正への日銀金融政策の関わりが注目されているようだ。ただこれまでの経緯からすると、それには限界があるのではないか。
最近とよく似た2007年の「円売りバブル」解消への日銀とFRBの関わり方を検証してみる。
【為替】FOMC後の米ドル/円の行方を考える
6月12日は、5月CPI(消費者物価指数)が予想より弱かったことから米金利が低下し米ドルも156円割れまで売られたが、その後FOMCの年内利下げ予想がこれまでの3回から1回に減ると156円台後半へ米ドル買い戻しとなった。
FOMC等注目イベント通過後の米ドル/円の行方について考えてみる。
【為替】米ドル/円「FOMC相場」を予想する
前回、5月FOMCで警戒されたほどタカ派ではない結果となったことを正当化できそうなのは、失業率の上昇傾向だった。そこで今回のFOMCでも失業率の影響に注目してみたい。
米ドル/円は158円が重要分岐点。ただ投機筋の米ドル買い・円売りにも「行き過ぎ」懸念が強い。
【為替】広がり始めた投機円売りの損失
メキシコ、欧州と2週連続となった「選挙ショック」が投機円売りポジションに損失を負わせた可能性がある。
損失がさらに拡大、投機円売りが縮小に向かうかは、歴史的円安終了への影響という観点でも注目されそうだ。