吉田恒の為替デイリーの記事一覧
チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
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【為替】円安が広がれば、日米関税合意を阻害する可能性はあるか
急激な円高が一段落し、米ドル高・円安へ戻す展開となっている。特に5月12日は米中の大幅な関税引き下げ合意を受けて急ピッチの米ドル高・円安となった。
ただトランプ大統領は通貨安を非関税障壁の1つと位置づけているだけに、さらに円安が広がるようなら関税交渉の日米合意を目指す上での阻害要因になりかねず、関係者も気になり始めた可能性があるのではないか。

【為替】変化を繰り返した「円高のテーマ」
2025年に入ってから、米ドル/円は158円から139円まですでに20円近くもの大幅な下落、米ドル安・円高となった。
ただし、この円高のテーマは1つではなく、むしろ滅多にないほど変化を繰り返してきたようだ。
これまでに繰り返された「円高のテーマ」の変化を振り返ってみる。

【為替】1990年代の日米「通貨目標」を振り返る・後編
1990年代の米クリントン政権時代に行われた円高誘導策では、90円という誘導目標と、為替調整が対外不均衡是正に実効を上げるまで円安許容水準にも限度を設定する「通貨目標」が存在した可能性があった。
前編に続きそれを振り返る。

【為替】人民元が示す米中および為替の関係
5月1日の日銀金融政策決定会合後に145円台まで円安に戻したものの、日本のゴールデンウィーク明けには142円台まで円高に戻すところとなった。これは中国の通貨、人民元の上昇に連れた面が大きかったようだ。
反応するテーマが変わりながら円高が続く状況について振り返ってみる。

【為替】1990年代の日米「通貨目標」を振り返る・前編
4月24日の日米財務相会談終了後、日本の加藤財務相は「米国から通貨目標の要求などはなかった」と説明した。
過去の歴史においても、日米政府が通貨目標を正式に認めたことはなかった。ただし、「実際は非公式な通貨目標はある」ということが囁かれたケースは何度かあった。
その1つ、1990年代の米クリントン政権時代の円安許容上限「ベンツェン・シーリング」説などを振り返る。

【為替】当面の米ドル/円のシナリオを再点検する
5月1日の日銀金融政策決定会合後から、久しぶりに大きく米ドル高・円安へ戻す動きとなった。
米ドル安・円高は4月の139円で終わったのか。それともあくまで一時的な動きに過ぎず、改めて139円割れに向かうのか。
当面の米ドル/円のシナリオを再点検する。

【為替】「米国売り」再燃回避と日銀の関係
日銀は5月1日に金融政策を発表する。前回3月の金融政策決定会合まで予想以上にタカ派と受け止められていたが、それが今回は変わる可能性がありそうだ。
実際に変わるとしたら、それは4月以降急浮上した「米国売り」の影響が大きいのではないか。

【為替】「1強」から「危機」へ米ドル評価の激変
1年前、2024年4月に米ドル/円は160円まで上昇した。このような米ドル高は対円に限ったことではなかったことから、「米ドル1強」とも呼ばれた。
ところがそれから1年後、トランプ大統領の相互関税発表を境に「米国売り」が急拡大し、一部では「米ドル危機」との懸念も浮上した。米ドル評価の「激変」が起こっている可能性がありそうだ。

【為替】米国からの円高圧力はやはりあったのか?
4月24日に行われた日米財務相会談について、加藤財務相は「具体的な通貨目標を求められることはなかった」と説明、トランプ政権からの円高圧力への警戒感は後退した。
しかしその後、一部のメディアが「ベッセント米財務長官が米ドル安・円高が望ましいと述べた」と報じたことで、改めて円高圧力が注目される。

【為替】「米国売り」の円高は終わったのか?
トランプ大統領が相互関税を発表すると米金利が急騰し、米国株、米国債、米ドルの「トリプル安」が起こった。
これは米金利上昇にもかかわらず米ドルが下落する「悪い金利上昇」、または「米国売り」とも呼ばれた。
米ドル/円は一時139円台まで下落したが、「米国売り」を受けた米ドル安・円高は一段落したかについて考えてみる。

【為替】変わらなかった米ドル/円の決定構造
米ドル/円は一時140円を割れるまで下落し、2025年に入ってからの3ヶ月余りで最大下落幅は20円近くに拡大した。
2024年7月には161円まで上昇するなど近年円安傾向が続いていたところから、何が変わったのかについて考えてみる。

【為替】「売り」に転じたトランプ・トレード
トランプ大統領の政策に期待した取引は「トランプ・トレード」と呼ばれ、その代表例の一つが為替市場での米ドル買いだった。
一時は大幅な買い越しとなっていた米ドル・ポジションだが、最近までに売り越しに転じ、むしろ売り越しがさらに拡大しそうな感じとなってきた。

【為替】「トランプ円安」予想は何を間違えたのか
トランプ政権では米ドル高・円安が進むとの予想も少なくなかったが、これまでは逆に大きく米ドル安・円高が広がっている。では米ドル高・円安予想は何を間違えたのかについて考えてみる。

【為替】行き過ぎポジション逆流、2024年と違う?
円の「買われ過ぎ」懸念が強くなっている。
2024年7月には円の「売られ過ぎ」の反動をきっかけに、ほんの1ヶ月で20円もの急激な米ドル安・円高が起こったが、今度は逆に急激な米ドル高・円安が起こるのか。
ただ同じ行き過ぎたポジションながら、最近と2024年7月では違いもある。

【為替】トランプ政権は為替調整を行うのか?
トランプ米政権が米ドル高是正「第2のプラザ合意」や円安是正といった為替調整に動く可能性が注目されている。
本当にトランプ政権は為替調整を行うのか。過去の例を振り返りながら考えてみる。

【為替】急に少なくなった「米ドル買いの理由」
最近の米ドル/円は米金利低下だけでなく米金利上昇でも下落し、急に米ドルが「買われる理由」が少なくなったようだ。
ただ米ドル売り・円買いへの傾斜は記録的な動きとなっており、その修正の米ドル買い戻しは今のところ数少なくなった米ドルが「買われる理由」だろう。

【為替】円安是正の日米交渉とヘッジファンドの関係
トランプ米大統領の関税政策を巡る日米交渉において、円安是正も焦点の1つに浮上した。トランプ政権誕生を機に、それまでの円売りから円買いへ大転換したヘッジファンド(以下、ヘッジF)の売買戦略との関連を改めて注目してみる。

【為替】3月までの円高と4月以降は「違う円高」
3月にかけて米ドル/円は146円まで下落したが、先週(4月7日週)はそれを大きく更新、一段安となった。
ただ3月までの米ドル安・円高と最近にかけての米ドル安・円高では日米金利差との関係が大きく異なる。
その意味では、両者は別物の円高との理解が必要だろう。

【為替】「トランプ・ショック」米ドル売りの「主役」
いわゆる「トランプ・ショック」が広がる中で、株価は暴落、米ドルは下落したが、米金利は教科書通りの低下ではなく逆に急上昇となった。
なぜ株価暴落というリスクオフ局面でも米金利は上昇したのか。そして米金利が上昇した中でなぜ米ドルは下落したのか。
それらを追跡すると、「トランプ・ショック」での米ドル売り主導役の姿が浮かび上がってきた。